【連載】白航・了の名盤紹介「見た目が良ければ中身もいい」/第2回

<隔週木曜日連載>
Fleetwood mac – Rumours (1977)
今回は、イングランド出身のバンド、フリートウッド・マックの「噂」をご紹介します。
1967年、ミック・フリートウッド(Dr.)とピーター・グリーン(Gt.)を中心に結成されたこのバンドは、ブルース・ロックを核に活動を進めていきます。
1969年には全英1位を獲得するなど、知名度を上げていきますが、内情はあまり安定せず、LSDや酒癖の悪さなどでメンバーの交代が相次ぎます。
しかし70年代中ばに拠点をアメリカに移し、満を持して発表されたアルバムがこの「噂(Rumours)」です。
このアルバムは、全世界で4000万枚を売り上げるモンスターアルバムとなりました。
しかし、曲調をポップスへ移し、明るい曲調を中心とした雰囲気とは裏腹に、内情の酷さは最も顕著。
妻と離婚したミックに加え、リンジー・バッキンガム(Gt./Vo.)とスティーヴィー・ニックス(Vo.)のメンバー内カップルも破局。クリスティン・マクヴィー(Key./Vo.)とジョン・マクヴィー(Ba.)夫婦も離婚、という散々なものでした。
歌詞もメンバーの願望や悲哀をストレートに表現したものが多くなっています。
・・・しかし、売れました(笑)
ジャケットの写真はミック・フリートウッドとスティーヴィー・ニックス。
スティーヴィーの美しさとミックのダンディーさ。もはやファンタジー映画のようです。当時ジャケ買いした人も多かったのでは?
ミックの股から「たま(!?)」がぶら下がっているお茶目さもありつつ、やはり歴史に残るアートワークでしょう。
肝心のサウンドは、アコギ・サウンドを主軸に、非常にクリアで心地よい音像。
その上、注目すべきはやはりコーラスワークで、M9ではリンジーとスティーヴィーのハモりが凄くハマっています。さすが元・夫婦というのか・・・
以下は全米1位のシングル曲、「Dreams」。コードを3つしか使っていないのにも関わらず、エレキギター、キーボード、バックコーラスによる装飾の工夫により、リスナーを全く飽きさせません。
さすがの一言。
白航/了(Ba.)