【連載】マッソコブレッシュ/第11回

<毎週火曜日連載>
アガペッパー
最近無性に辛いものが食べたくなる。
昔はあまり好きではなかったんですけどね。
子供の頃はカレーも断然甘口派でしたし、そもそもなんで辛いのを我慢してまで食べなければいけないのかと世の理不尽を嘆きながら卵と醤油をぶち込んでたんですけども、
それが今や日に日に辛いものを欲するようになりまして、からあげくんは絶対レッドだし、パッケージに「辛」とか「HOT」とか書いてたらとりあえず買ってみるぐらいには好きになりました。
それでも別に辛いもの自体が好きというわけではなくて、辛さの奥にある旨み、辛さがあってこそ引き立つ旨み、闇に差し込む暖かな光、緊張と緩和、飴と鞭、罪と罰、老人と海、ジキルとハイドといったように旨みなくして辛さなし、辛いだけのものなどまっぴらごめんなのは昔から変わらないのです。
なので辛いくせに美味しくないものに出会った時、ノリタソは激怒します。激しく踊り狂います。
汗はかくし涙は出るし、舌先はヒリヒリする。
口の中はカラカラだ。喉の奥も熱いんだ。
それなのにここまでの苦労も苦悩も全て消えてしまうなんて耐えられない!!
あぁ、でもこれはきっとエゴなんですよ。
ここまでしてあげたのになんであなたは応えてくれないのなんて見返りを求めるようなものは本当の愛とは呼べないのです。
愛は与えるもの。無償の愛。
幸せの数は決まっていて、誰かの願いが叶うころあの子が泣いているのだとしたら、牛丼にアホみたいに一味唐辛子をかける人たちは、今日も誰かのために涙を流しているのかもしれない。
辛さとは即ち、愛。
求めよ、さすれば与えられん。
僕はまだまだ信仰心が足りないようです。
愛は素晴らしいもの。もういいって。
何でもほどほどがいいって。
レベル27/ノリタソ(Ba.)
今日のサムネイル全貌
ノリタソさん作のサムネイルはサイズの関係でトリミングしているのですが、全貌を見て欲しいのでご紹介していきます!
