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【連載】オ客ハ読ムナ。/第9回

<毎週土曜日連載>




朝専用缶コーヒーの話

▼ “朝専用”缶コーヒーと言い切れる強さ

「WONDA モーニングショット」という缶コーヒーをご存知でしょうか?

“朝専用”というキャッチコピーで、ずっと販売されているヒット商品。

今日は、あえて自分達の音楽のジャンルの「間口を狭く見せる」ことによって、たくさんの人に届く可能性があるかもよ?

という話を、この缶コーヒーを例にして書いてみたいと思います。

例のごとくバンドマン向けの話なので、お客さんはここで退出お願いします。

お客は読むな。

▼そもそも何が”朝専用”なのか?

冷静に考えてみましょう。

“朝専用の缶コーヒー”などという物は存在しません。

これ、朝に飲んでももちろんいいけど、お昼に飲んでもいいし、夜に飲んでもいい。

それをあえて「朝専用」と言い切ってしまう強さ。

昼と夜を捨ててまで、「朝に飲んでくれ!」と言い切る強さ。

これはあえてお客さんの需要に対しての間口を狭めてるんですよね。

この「WONDA モーニングショット」は、あえて”朝専用”と打ち出して、仕事前のサラリーマン男性層を狙い撃ちすることで、ヒットした缶コーヒーなんです。

「WONDA モーニングショット」は僕もよく飲んでます。

すこし濃いめの味付け。

たしかに朝の仕事前に飲んで「がんばるぞ!」と思わせてくれるようなそんな味です。

僕も”朝専用”が刷り込まれているせいか、出勤前に缶コーヒーを買う時はなんとなくこのモーニングショットを買ってしまうことも多いです。

さて、ここからが今日の本題です。

“朝専用”なので、朝に缶コーヒーを買う時に無意識にこの缶コーヒーを選んでしまう、僕みたいな人もきっと多いかと思います。

では、朝意外にこの缶コーヒーを買わないか?と聞かれると別にそうでもないんですよね。

すでに、この缶コーヒーの味自体が好きなので「ちょっと濃いめの缶コーヒーを飲みたいな~」と思った時は、夜でも僕は買って飲んでいます。

つまり、そういうことなんですよね。

これが、このキャッチコピーの秀逸なところ。

“朝専用”というのは、あくまでこの缶コーヒーにはじめてふれるためのキッカケ。

気にいってしまえば、昼でも夜でも関係なく飲みますよね?

この”朝専用”というキャッチコピーは

「この缶コーヒーにはじめてふれるためのキッカケ」

を作っているんです。

すごい。

よく出来てたキャッチコピー。

たぶん、もう20年ぐらいは自販機にもレギュラーで並んでいるようなヒット商品なので、いまさら真新しさはないですが、

販売されだした当初

買う缶コーヒーに悩んだ時に

「あ、”朝専用”って宣伝している缶コーヒーだ。欲しいのないし飲んでみようかな?」

と、実際に手にとった最初のキッカケはそれでした。

これがもし

“濃厚!驚きのうまさ!!”みたいなキャッチコピーだったら、僕は選んでいなかったと思うんです。

“朝専用”っていう限定感がキャッチーで秀逸だったんです。

あえて間口を狭めるということは、つまり

「はじめて出会ってもらう確率をあげる」

ということなんではないのかな?と僕は思っています。

それで気にいったらね、

昼でも夜でも飲むんですよ。

おいしいから。

この”おいしい”という、当たり前に基本性能が高いのが前提条件として一番大事ではあるんですけどね。

▼これをバンドに当てはめて考えてみる

ミュージシャンっていう生き物は、人から決めつけられるのが嫌な生き物です(倉坂調べ)

「ああ!あの4つ打ちのキャッチーなバンドさんですよね?」

とか言われちゃうと、変なプライドが出てきて

「あ、でも僕ら、4つ打ち以外もやってますし!」

とか言いたくなっちゃうんですよね。

「バンプオブチキン好きそうなバンドですよね?」

とか言われると

「あ?バンプ好きですけど、バンプ…最近あんまり聴いてないですし…」

とか反射的に言っちゃうんですよ(笑)

これは自分の若い頃を思い出すと、もう仕方ないというか。

そういう生き物なんです。

でも、そこをグッと我慢して

「最高の4つ打ちバンドです!」とか

「はい!ポストバンプ目指してます!」とか

言いきっちゃう方が、リスナーに対してはわかりやすくなる時はある。

あまり安っぽくしすぎちゃうのもダメとは思いますが

何事もバランスです。

“朝専用”ぐらい秀逸なキャッチコピーはなかなか思いつくものでもありませんが、

はじめて自分のバンドにふれてもらえるキッカケになるような

自分のバンドにぴったりなキャッチコピーを考えてみても面白いかもですね。

…とか、書いてたら途中で色々と思い出してきたので、

次回に具体的なキャッチコピーの話や自分の思い出話を書いてみようかと思います。

では生きていたらまた来週!!

夏バテには気をつけて。

The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹

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The denkibran/今日の1曲

https://youtu.be/ashUyRcUhz0

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