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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第46回

<毎週日曜日連載>




怒っても仕方ない

おはようございます。ファイアーループの足立です。自分で言うのもなんですが、僕はあんまり怒らない人で有名です。ツイッターの書き口調が人によっては気難しく見えるようで、会うまではちょっと警戒されたりもしますが、リハーサルも本番も打ち上げ中も、常に平和です。最近、面と向かって誰かに怒ったこと、あったかなあ。

昔は本当に怒りっぽくて、小さいころからずっと「短気だ」「すぐむくれる」「すぐ泣く」など言われまくっていたんですが、今は本当に怒ることが少なくなりました。いわゆる、大人になったってやつですね。44歳っていったら立派なオジサンですから珍しいことではないと思いますが、最近ちょっと「これは怒ったほうがええんやろか」と思うことが多いので、ここらで一度、「怒ること」のメリット・デメリットについて差し支えない程度に書いて、まとめてみようと思った次第です。

まず、怒ることの「デメリット」から挙げていきましょう。なぜデメリットからかと言いますと、僕はこれまでの人生の中で「怒ることのデメリットの方がはるかに多い」と学んでいるからです。

まず最初に簡単なことですが、怒ると嫌われます。嫌われると今度話したときに気まずくなるし、へそ曲げてちゃんと動かなくなるし、影でコソコソ言われたり、きっと大事なことも隠されたりします。嫌われないに越したことはないんです。だから、できるだけ嫌われないように生きていきたいと思っています。だからといって、嫌われることを恐れてるとすぐ二枚舌になってしまいますから、ちゃんと信念を持って、相手を尊重して、向き合う。すると無限の可能性が見えてきます。人には色んな事情があって、色んな感情があって、大事なものもひとそれぞれ違う。長いこと生きていれば色んな人を目の当たりにしていくので、自ずと視野なんて広くなっていくもんなんです。

僕は若い頃、すぐ人の心を読もうとする人間でした。

「こういうことを言うヤツは、僕のことを軽んじているに違いない」

「軽んじていなかったら、こんな発言に至るはずがない」

「こういうことをやるヤツは、僕のことを軽んじているに違いない」

「軽んじていなかったら、こんな行動に至るはずがない」

大体がこんな粗末なアルゴリズムで、浅い「正論」によって人の誠意を図っていました。今考えるとそんなのは大間違い、ただの独りよがり、視野の狭い考え方です。他人の心なんか読めるわけがないんです。同じ物を見ても自分と同じように見えているとは限らないし、同じことがあっても自分と同じように感じているはずがないんです。それが上で書いた「無限に可能性がある」ということです。

約束を守らない人にはふつう腹が立ちます。しかし約束を守らないことイコール自分を軽んじている、と考えるのはちょっと尚早です。約束は守って欲しいですが、彼の中では「約束を守る」ということが僕のソレよりも重要ではないだけ。同じ約束でも、重要度が人によってぜんぜん違う。僕より「約束を守ることの重要度」が高い人も世の中にはいます。約束を守らなった、約束を忘れていた時にこちらが「ひく」くらい謝ってくる人がいて、彼がそういう人なんです。片や嫌われることより殴られる方がイヤな人はたくさんいると思うし、殴られるより謝るほうがイヤな人もいると思う。世界ってのは実にいろんな人で構成されているんですね!

というわけで、怒ることのデメリットと申しますか、簡単に怒ることは視野が狭いということだと思っています。怒ることで沢山の人を自分の人生から切り離してしまう。これは丸損だといっても過言ではないでしょう。視野が広げれば広げるほど、本当に怒らなきゃならん時なんてまずないとわかってきます。

では、怒ることのメリットって何でしょうか。上でもちょっとボヤきましたが、なんだか最近になって僕との約束を守らなかったり忘れていたり放ったらかしにしてしまう人が多いです。長い長いコロナ禍でだらけてしまっているんでしょうか。怒らなさすぎてピリっとしないというか、相手の世界の中で僕(や人との信頼関係)の優先順位が少し下がっているのではないかという心配があるんですよね。あの人は怒らないから後回し。あの人はすぐ怒るからヤバいから必死こいてやる。ぶっちゃけこういう動き方をする人とはあんまり付き合わなくていいのかもしれませんが、それもそれで寂しいし、やっぱりちょっとくらいは怒ってあげたほうがいいのかな、と思うこともあるのです。

そもそも、どうでもいい人に対しては僕は「感情的に」腹が立たなくなってしまいました。本当に何も感じない。どうでもいい人とは付き合わなくていいからです。本当は、心の奥底ではイライラしているのかも知れないんですが、もう自覚がない深層心理の部分で蒸発してしまっています。逆に大事な人、これからずっと付き合っていきたい人に対しては「コイツこんなんで大丈夫か」って心配になるし、「このままじゃいつか切らなくちゃならなくなるのか」って思う人に対しては少なからず心がザワつきますから、もういっそのこと、そういう人に対してはしっかり感情を見せたほうがいいんではないか、とこんなふうに考える時点でなんか冷血と言うか、まぁ僕はそういう人なんです。

最近、息子(4)が奇声を上げてワガママを言うことがあります。僕はすごく腹が立って怒ります。おーおーなんぼでも泣け、勝手に泣いたらええわ。じゃ、仕事行くね!ばいばーい。となかなかひどい仕打ちです。それは、とにかく彼の行く末が心配だからです。彼に幸せになってもらいたいから、わがままを言ったり、デカい声でギャーギャー言ったりすることで世界は自分の思う通りに動くものじゃない、とわかって欲しい。そんな焦りですごく怒ってしまう。でも彼は僕のことがものすごく好きなので、どんなに怒っても僕を嫌いになったりしないんです。すぐごめんなさいって泣いて謝ってきます。本当に、すごく偉い。僕は僕で彼の「好き」に甘えているのです。

怒ることのデメリットとして「嫌われる」と一番に書きましたが、嫌われることにビビっているのは大人として情けない話です。ビビるんじゃなく、リスクをさけるのではなく、「視野を広げたら怒ることなんて無いんですヨ」なんてヌルいことばっかり言うんじゃなく。大事な人が道を外さないように、時にはピリピリする覚悟を持つべき段階に来ているのではないか、と自分を省みているのです。ではまた来週!

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志

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プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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