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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第44回

<毎週日曜日連載>




AIに勝つ

みなさま「シンギュラリティ」ってご存じでしょうか。直訳すると技術的特異点、要するにAIがもっと高性能なAIを作れるようになる時代のことを指します。仮面ライダーでもテーマになってましたね。ちょっと前には2045年に来ると言われていたのが最近になって、やっぱ2040年くらいには来るんじゃないかという話になってます。近づいてるゥ!僕は2021年現在44歳ですから、シンギュラリティが起こるころには63歳ですね?息子は23歳。大人になったばかりです。そんな時期にシンギュラリティは来るといわれています。彼はいったいどんな人生を歩むんでしょうか?

コンピューターが賢くなると無くなる仕事がたくさんあると言われます。10年くらい前に「10年後になくなる仕事はコレ!」って記事で挙げられていた仕事が軒並み無くなっていないのであんまりアテにもならないですが、確かに減る仕事はありそうですね。

よく言われるのが翻訳の仕事。既にグーグル翻訳とかDeepL翻訳とかが超有能なので、これの延長線上にはケータイでリアルタイムに翻訳してくれる仕組みがあるに違いないです。で、相手が付けているイヤホンに翻訳した音声が流れるんじゃないかな。機会の声じゃ味気ないって?いやいやシンギュラリティを舐めないでください。きっとあなたの声と抑揚を再現した状態で英語を合成してくれるに決まってます。スゴイですね!シンギュラリティ!

で、翻訳という仕事が無くなるかという話ですが、これは「右から左へ機械的に翻訳する」という仕事がなくなるだけで、やっぱり人間の手が入らない事には物語として成立しない、、、という時代が長く続くと思われます。その国の文化、風習、そういうのに精通して加味するからこそ伝わるものがあるし、明るい雰囲気とかダークな雰囲気とか、その翻訳者が読み取った上で翻訳するわけですから、長らくはそういった「有能な」翻訳者のサポート役になるんだと思います。問題は、そこを超えてAIが賢くなってしまったらどうなるか。そこを攻略しない限りは僕たちの存在意義すら危うくなってしまう。そんな時代がもう20年後にくるんですからウカウカしてられないですね!

AIは既に萌絵も描くし、作曲もします。映像の編集もやってしまいます。アーティストと呼ばれる分野までゴリゴリ食い込んできていますが、ミュージシャンは僕が考えるにかなり安全です。AIがめっちゃ感動的な曲を作る時代がそのうち来ますが、まず人気なんか出ません。なぜかというと、音楽は「その人が作って、それを本人が演奏して歌っているから」見ごたえがあるんです。つまり、作品を通してその「人」を見ているに過ぎない。クオリティが高いに越したことはないですが、それより何より人間であることが大事だというわけです。

人格もクソもない「機械である」初音ミクが今もウケ続けているので、今後AIにもワンチャンあるのかもとも考えますが、そこもあんまり心配する必要はないです。完全にロボで人気なのはいまだに初音ミクくらいしかいないです。みんながそれぞれ初音さんに疑似的な人格を感じているのは稀有な例だと思うんですよね。色んな人のスゴイ努力があったのは勿論ですが、「たまたま」ミラクルが起きたといっても過言ではない。AIに人格や背景を与えるのは相当難しいと思います。なぜなら、そこに「人格がある」と感じるのは他でもない、人間だからです。

人間がAIに勝つ、あるいは対等に付き合うために必要なのは「人気者になる」ことです。人気者といっても色々ありますが、例えば上のミュージシャンの例で言えば文字通り「人として」に重きを置いた活動をしなくてはいけません。完璧なクオリティは別にもう楽しくないです。クオリティの天井はすぐに見えているし、みんな飽きていきます。反面、人間がやっていることにはずっと価値があり続ける。こういった類のものにしっかり目を向けて生きていけば、今後もまずまず大丈夫でしょう。

モノ作りは正直言ってなかなか厳しい道かと思います。単純にモノとして見れば、世の中には機械が作ったのか人間の手作りかわからないもので溢れています。機械が作ったほうが正確で高性能だし、手作りの良さもニッチなニーズしかありません。そこで必要なのは信用です。この人が作ったから良いという信用と、その信用を得るための責任感が何よりも大切になっていきます。職人ももっと自分の名前を出して、「この人が作った物が欲しい!」と思ってもらえるように、技術者なら「この人が手掛けたからイイはずだ!」と思ってもらえるように責任感を持って生きていくべきなのです。

人の満足や楽しさは文明の発展と共にクオリティを求めなくなっていくと思います。ハイクオリティだけがウリのモノに対してどんどん世間が冷めていくと考えています。今後、人が欲しがるモノはクオリティ如何ではなく「好きな人が手掛けたもの」に変っていくのではないでしょうか。

ぶっちゃけ言うとこれだけでは経済はきっと回らないし、シンギュラリティが本当に来たらその「人として」という部分までも上手く作られて行きそうな気もします。じゃあどうしたらええねん、ですか?うん、あんまり分からない!ごめん!でもいちいち「なんでこれを機械じゃなくて人間のオレがやってんだ」と考え続けていれば答えは見つかるんじゃないでしょうか。機械がやった方がいいじゃん、今んとこ俺がやってるけど、っていう活動があれば「では、あえて人間がやる意味は」と常に嗅覚鋭く生きていきましょう。

2040年にシンギュラリティが早まったとしても、まだ20年くらいあるからたぶん色んな事を思いつきます。また大喜利みたいな話になっていきますね!とりあえずライブハウスはあと100年くらいいけます。ステージで何かやるのはずっといい感じです。AIがどんなに凄くなっても「人間を見るのが楽しい」という商売だから消えません。むしろAIと付き合うことでもっと面白いショーを見せることができるようになります。だから僕に関してはシンギュラリティにビビっていないし、そういう目論見でライブハウスをやっています。むしろズルくて申し訳ないくらいです。またお酒の席でも語りましょう。ではまた!

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志

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プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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