【連載】オ客ハ読ムナ。/第4回

<毎週土曜日連載>
温故知新のマーケティング
4回目ですが、あれですね。
なんか腹黒いことばかり書いてますね。
僕、「素直に信じるな!」みたいなことしか書いてませんね。
いかに僕の性格がねじ曲がっているかがバレてしまいますが、一応、これはお客さんは読んでいない前提なんでね。
お客さんにバレなければ別にいいんです。うふふ。
というわけで、今日もピュアなバンドマンを敵にまわすようなことを書いてみたいと思います。
▼古いロックや音楽に夢を持ちすぎるな
個人的な音楽の趣味の話を書きますが、僕は古い音楽が好きです。
ビートルズが一番 好きで(ベタですいません)、
60年代のイギリスのロックバンドが一番の得意ジャンルではありますが、
年代や国は問わずに色々と好きです。
古い音楽が好きな人って、古い音楽にすごくロマンを感じてる人が多いんですよね。
今の音楽は良くない!あの頃の音楽は本物だったのに…みたいな。
でも、それって果たして、そうなのかな?と。
90年代後半~00年代初期の頃が僕の青春時代~リアルタイムなわけなんですが、
その時代に生きていたことを、若い子に憧れられる時はあります。
そりゃ、そうか。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが現役で、NUMBER GIRLやスーパーカーもいて、くるり や 椎名林檎がデビューしたのはたぶん20歳ぐらいの頃で、フィッシュマンズの佐藤さんだってまだ生きてて…となると、伝説の時代の生き証人みたいに若い子には映るわな。
いま、上にあげたバンドはもちろん素晴らしいですよ。
僕だって大好きです。
でも、この頃の音楽やバンドがすべて素晴らしかったのか?
違います。
素晴らしいモノだけが残ったんです。
素晴らしかったから残ったんです。
で、その残った素晴らしいモノを、アナタたちは聴いているんです。
もちろん埋もれてしまった名盤や良バンドもたくさんいるとは思うんですが、
基本的に、不人気だったり後に評価されにくいクオリティのモノは悲しいかな、歴史から抹消されて、後の世代の人は聴く機会すらないんですよね。
だから、そもそも、その時代のハズレ曲をあんまり聴いていないんです。
その時代のクオリティ高いモノだけ聴いていれば、そりゃ、その時代に夢だって持っちゃいますよね。
これは60年代のイギリスのバンドでも同じことでね。
僕、若い頃は、60年代のレアモノと呼ばれるバンドの珍しいレコードやCDとかをがんばって買って、聴いていた時期もあったんですよ。
ただ実際に聴いてみての感想って、ほとんどが「ぜんぜん良くないやん!?」で(笑)。
曲もあんまりだし、演奏も微妙だし、録音状態も悪いし…(笑)。
これ、けっきょく良くなかったから、人気もなくてCDで再発されることもなくレアになったんだろうな…と、根本的なことに気づいてしまった(笑)。
珍品、コレクター的な目線で見ると、そういう音源を集めるのは面白いんですが、
ミュージシャン的な目線で見た時に、無理にこのバンドを聴く必要はまったくないな…と我に返って、
そういうマニアックな趣味からは足を洗いました。
そういう事だと思うんですけど、いかがでしょうかね?
例えば、ちょっと前にシティポップブームなんてのもありました。
シティポップと呼ばれる音楽を聴き漁ってみると
実際、あの時代の日本のスタジオミュージシャンってレベル高いし
プロのアレンジャーさんのレベルの高い仕事もたくさん聴けます。
でも、山下達郎がゴロゴロとそこら中にいたわけではないんですよね。
世に出れるタイミングの運、不運で埋もれてしまった人はもちろんたくさんいてるとは思うけど、
やっぱり達郎さんクラスのミュージシャンは、達郎さんだけなんですよ。
良いものが残る
残っているから、僕らはそれを聴いている
という当たり前の話なんですが、意外にそこが頭から抜けて
好きな年代のバンドは全部最高で、今の音楽はダメ!みたいな思考になってる人にもたまに会うもので。
そんな話を前置きのつもりで書いたら、本当に書きたかった本題までたどり着けなかったので、次回が本編です。
次回は、そんな古い音楽にまつわる「商売っけ」の話です。
つづく
The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹
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