【インタビュー】The Rust/多方面から注目を集める気鋭の兄弟デュオ

Web上を拠点として活動する二人組アーティスト、The Rust。2018年にインディーズデビューを果たし「最後のロックマイスター」と称される彼らは、デビュー作がUSENランキング16位、全国音楽情報TV「MUSIC B.B」でMVがオンエアされるなど、当初からの注目度が高い。
しかし顔出しを含む露出の少なさから、その素性はベールに包まれている。そこで今回、ミュージックラビッツでは彼らの素顔に迫るべく、インタビューを実施!謎に包まれた彼らの核心へと迫る。
結成の経緯と活動について

――本日は、よろしくお願いいたします!ネットに上がっている情報だけでは正直バンドとしての全体像が把握できず、とてもミステリアスだったのでいろいろ聞かせてください!まず、The Rustは2人組ですが、結成の経緯を教えていただけますか?
A+、Su:こちらこそよろしくお願いします!
Su:我々はもともと兄弟だったので、よく部屋で合わせていて自然と結成という流れになりました。ぼくらの実家は田舎にあったので、部屋で爆音を鳴らしてギターを弾いたりしてましたね。
――結成当初から「Web上を軸に活動する」というコンセプトで始動したのでしょうか?
A+:昔のマイ・ブラッディ・ヴァレンタインじゃないですが、レコーディング音源のクオリティをライブでキープできないっていう。笑
Su:そうそう(笑) 苦肉の策だよね。クオリティの低いものは世に出したくないし(笑)
A+:でもネットはネットで活動しやすい空間だと思う。今はYouTube発のアーティストも増えてきてるし。
――なるほど、自分たちのスタンスから自然とWeb上での活動になったのですね!そうして2018年にリリースした1st EP『Forget-Me-Not』がUSENインディーズライキング16位という快挙を成し遂げました。このときの手応えはどんな感じでしたか?
A+:海外のWebマガジンで取り上げられました。これはうれしかったですね。日本から来たよくわからないバンドなのに、気に入ってくれていろいろ載せてくれた。
――その勢いに乗るかと思いきや、今回リリースされる2nd EP『Don’t stop music』まで、結果的に約2年半が経過したわけですが、この間の活動についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
A+:その間もコラボ作品など作ってはいたんですが、DAWを導入してレコーディングやミックスをいろいろと試してました。今では、曲作りの段階でギターやボーカルの音色までイメージして、ミックスまで一気に仕上げています。
作品作りについて

――お2人の音楽の原点って、どういったアーティストになりますか?ジャンルでも構いませんが、どういった音楽が今のThe Rustを作ってきたのかお聞きしたいです!
A+:ぼくは最初はジョン・レノンから入りました。その後、ニール・ヤングなどのフォークロックやオルタナティブロックを聴くようになりました。高校〜大学時代は社会に適合できなくて、音楽しか希望がなかったですね(笑) 作曲や編曲をするようになってからは、現代音楽やジャズなども幅広く聴くようになりました。
Su:ぼくは最初期ビートルズやネオロカベリーに影響を受けました。その後はUKロックもよく聴いていました。
――それぞれの音楽性が楽曲制作のときにぶつかったりはしませんか?
Su:兄弟ケンカはしょっちゅうです(笑)
A+:ギャラガー兄弟よりはましだよね(笑)
――作詞作曲はお2人でされているようですが、それぞれが別に作ったものを一緒に膨らませるのか、2人で一緒に1曲を作っていくのか、どうやって曲を作っていくのでしょうか?
A+:レノン・マッカートニー方式で、曲によってどちらかが主導して作る感じですね。
――楽曲を作っていく中で大切にしていることを教えてください。
A+:よいメロディを作るのが好きなので、メロディ作りを大切にしています。また、たくさんの人に聴いてもらうには、何回も聴きたくなる中毒性のようなものが必要だと思っています。よいメロディにはそうした中毒性があると思うので、その意味でもよいメロディを作るように心掛けています。
作品について
――コラボによって作られる印象的な作品もThe Rustの魅力ですが、『Your World remix』の制作の裏側を教えてください。どうやってお声がけしていったのですか?
A+:リミックスをしてもらったHYLEさん(@__hyle__)は、本当に才能溢れて実力もある方で。もともとファンだったので、こちらからお願いしてリミックスしてもらいました。できあがった作品は、ミニマルミュージックの雰囲気もある、素晴らしいものになりました。アニメーションMV化もしたのですが、しょうけいさん(@shoukeisun)と飴田的さん(@amedamato)も、とてもよい仕事をしてくれました。
――対して、『Garden』は「新しい形のMV!アート×ロック」を掲げておられますよね。これは曲を作った段階からこのイメージが明確にあったから、佐々木琢磨さんに依頼したのですか?
Su:佐々木さん(@Sasaki_TKMA)とは、前から何か一緒にやろうと話していたんです。でもロックとアートでコラボってどうしたらいいんだろうってなって(笑) ストップしていました。それでいろいろ考えて、あの形になりました。
新作EPについて
――2年半ぶりとなる完全新作EP『Don’t stop music』がリリースされるわけですが、満を辞してという感じですね!この作品にかけた思いを教えてください。
A+:とにかく自信作です!前作『Forget-Me-Not』は今作のプロローグに過ぎなかったと言っていいぐらい。さまざまなアーティストとコラボするうちに、アイデアが溢れてくるようになったのですが、溢れてきたアイデアのすべてをつめこみました。
――制作している中で大変だったことなど、ありますか?
A+:曲を作る段階で、仕上がりのイメージをしてミックスまで一気に持っていくのですが、まだ自分たちでするレコーディングやミックスではうまくいかないことがありますね。
――ズバリ、このEPの聴きどころは?
Su:捨て曲なしだと思っています(笑)
A+:確かにね(笑)
――『Don’t stop music』のMVも綺麗なアニメーションですよね。こちらはどういったイメージで作られたのですか?
A+:あの曲にはストーリーがあります。それはある少女が作られた街に入っていって、自分の記憶が入ったストーンを見つけるっていうストーリーなんです。MVを作ってもらったふじたりあんさん(@noveldrum)には、そのストーリーを伝えて、少女が街に入っていこうとしている姿を表現してもらいました。
今後の活動について

――今後の活動の目標はありますか?
Su:今後は、日本の音楽シーンを面白くしたいし、盛り上げたいですね。今は特にコロナウィルスの影響で厳しい状況なので。曲で勝負して、音楽シーンを面白くしたい。
――今日はありがとうございました!最後に告知などあればお願いします!
A+:こちらこそありがとうございました!そうですね、最新作『Don’t stop music』をたくさんのファンに聴いてもらいたいと思っています。何卒応援よろしくお願いします!
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(Photo by The Rust / Interview & Text by 倉田航仁郎)