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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第29回

<毎週日曜日連載>




クリエイターはMVを作るべし

おはようございます。ファイアーループの足立です。

いま、MVがアツい。古くは「PV(プロモーションビデオ)」って言ってました。今どきは「MV(ミュージックビデオ)」って言いますね。なにがMVやねん、PVやろがい、呼び方変えてもなんも変わらんよってイライラしていたのも今は昔。そろそろ「何かのプロモーションのための物」じゃなくて純粋に「作品」として認識していきましょうという気風が強くなってきた。そう考えると完全に腑に落ちます。

さて、PVやMVなんて昔からあるのに今さら僕が「MVアツい」とか言い出したのには理由があります。いま音楽がアツい。バンドとか歌モノがアツい。アイドルとか、打ち込みとか、なんしか音楽がアツいんです。え、だからなんだよって言わないでください。映像作品を「作る」土台として、これほど適したモノは世の中にまず無いんです。

映像のクリエイターなら誰もが夢見るであろう「映画監督」いや、そうでもないですか?僕の周りにはたくさんいます。いつか映画を撮りたいなぁって言う人。当然それを否定するわけじゃないですが、映画を作るのは超大変です。まずそもそも物語がいるし、シナリオがいるし、役者を集めないといけないし、演技指導して、ロケハンやってロケやって、たくさん撮って、編集して、ぼくは作ったことないので全然知らないのですが全然知らなくてもこれだけは分かります。「映画を作るの、すんごい大変そう!!」映画ってだいたい90分以上あるじゃないですか。2時間あると「まぁまぁ長い」ってなるけど、映画が1時間だと短く感じるし、それだと「ちゃんと作った、本格的な映画」って思えない、そんな縛りが有ると思います。とにかく「作品として、単純に長い」!!

志の高い人がこんなこと考えるわけはないんですが、90分の映画を作ってると作り手側もだんだん飽きてこないかなって思うんですよ。だってひとつの作品ですよ?ひとつの話です。1年も2年もそれに向かって全力ダッシュし続けるのは並大抵の精神力とは思えません。少なくとも僕なら途中で違うのも作りたくなるに違いない。作ってるうちに技術も上がっていくし発見もあるし、世の中の雰囲気も流行りも変わっていく。最初の方に撮った映像、今見たらなんかダサいな、うーんもう一度撮りなおそうってなるんでしょうか、、、大変そうです、すごく。

見てる側もギュッと圧縮して同じ状態になります。90分ずーっと、1ミリも飽きずに面白かった映画ってあったかなあ。マトリックス?パシフィックリム?シンゴジラ?エックスメン2?いやいや、これだけの超マンモスエンタメ映画でも「ずーっと面白かった」ってことはないですよ。なんか、別に無くてもいいシーンとか沢山あるじゃないですか(失礼!)

そこで音楽です。MVです。バンドの曲なんて今どき長くて5分、短くて2分半とかじゃないですか。これに全集中力をかける!いま持てる全技術をつぎ込む!いまの思いをバキバキいれて、やりたいことバキバキ入れて、超面白いエンターテイメントを作ることができるんです。それは「短いから」やれるんです。凄いぞMV!凄いぞ音楽!

ハイ、めちゃめちゃ面白いですね。これで5分です。下手な映画見るより面白いし充実感が有りますね。短いからここまでやれる、といっても過言じゃない。こんなクオリティで90分やってみなさいよあんた死ぬほどお金も時間もかかるでしょうし、見てる方もチカチカして疲れます。作ってる方も途中で「もうええやん空でも映しとけ」ってなりそうです。もちろん偏見です。昔、ペプシのCMあったじゃないですか。桃太郎のやつ。

ハイ、めちゃめちゃ面白いですね。全話で10分です。これすごく反響があって、当時は「これ映画にしてよ!」って声がわんさか上がったんだとか。確かに見てみたい。でも「こんなクオリティで90分も作れるわけないでしょ!アホか!無理!」って言われたら納得できるし製作サイドからしてもぶっちゃけこれが本音でしょう。これで全部って言われても話的にはワケわかんないし、なんにも解決してないし、なんかイケてるところだけ出してあとは想像にお任せ。昔、島本和彦先生がワンダービットで「描きたいシーンだけのマンガが描きたい!!」って言ってましたが凄くわかります。それをやってのけたのがこのペプシのCM。短いからこそできるエンターテイメント・クオリティ。これ!どうですか!

つまり、今後のクリエイティブやエンターテイメントは「素早くすごい濃いのん作って、素早く楽しんで」っていう取り組みが多くなっちゃうのかなという気がするんです。映画は好きな方なのでちょっと寂しいですが、現代は「世の中に面白い物がありすぎるからクイックにどれもこれも楽しみたい」ってニーズがどんどん高くなっているのではないでしょうか。

つまりCMとか、音楽がアツい、ってことになりますね!でも企業のCM案件なんてそうそう取れるもんじゃない。そこで音楽なんですよ、そうそこのアナタ、作ってみましょう。作るの、興味あるでしょ?面白いよ!歌詞があって、物語があって展開があって盛り上がるところがあって、メッセージがあって、そこで自由に作れって言われたらすごい作るの簡単なんですよ。「なんにもないけど、好きなように作って」って言われたら困りますよ。「この音楽で作って」これ本当にラクで遊べるんです。自分の曲ならなおさら自由です。

最後に、稚拙ながら13年前に僕が作ったMV置いときます。

「好きなようにてきとーに作ってよ文句言わないから」って言われて3日くらいで作ったヤツがコレです。なーんにも注文されなかったので好きなように作りました。作るのすごく楽しかったし(クオリティはともかく)見てて面白いでしょ。みなさんもぜひチャレンジしてみてください。ではまた来週!

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志

プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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