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【インタビュー・前編】YISKA/「あなたの唄になりますように」と澄んだ声が、青く降り注ぐ祈りのようだ

2020年に再録された “ 街と怪物 ” を皮切りにして、YISKA(イスカ)は再スタートをきった。

私達をまだ見ぬ街へ、YISKAは運んで行くのだろうと、確信が持てるインタビューとなっている。楽曲の魅力を紐解きつつ、“ 街と怪物 ” が生んだ物語と、YISKAのこれからについておはなみ(Vo.)が語る。

時間を忘れるほどのインタビューとなったため、前後編に分けてお届けする。

今回はその、前編である。

「夜が去ったと、名前を持つ」

――YISKAって素敵なバンド名ですよね。おはなみさんが決められたんですか?

おはなみ(Vo.):メンバーと出し合って決めましたね。たしか、4ヶ月ぐらい決まらなくて。私が民族音楽が好きなこともあって、外国のあまりメジャーじゃない名前を持って来たら面白いかもしれないって思って、調べて。出てきたのが今のバンド名です。

YISKAはネイティブアメリカンのベビーネームで、彼らは人生の内で何度か名前が変わる文化がある人たちなんですけど、その人たちが、最初にもらう名前の一つなんです。

――たしか、夜明けって意味でしたよね。

おはなみ:そうです、詳しくは「夜が去った」って意味なんですけど、最初は、意味もあんまり考えてなくて。ただ、響きが良くて覚えやすいものっていうふうに選んだんですけど、今となってはこれで良かったなーっていう感じで。バンドの象徴的な意味になりましたね。

「青色の声と透明な言葉」

――YISKAの象徴といえば、おはなみさんの声だとよく言われませんか?

おはなみ:自分ではあんまり意識してないんですが、声はよく言われますね。あと、声だけだとよく男の人と間違えられるんですよ!(笑) 普通に女じゃないですか?!(自分を指さしながら)自分が中性的なのを狙って、生きていたわけではなかったのでびっくりしました。まぁでも、YISKAで表現したいことは、決して女性的なことではないので、そういう意味では良かったかな~と、後から思いましたが。最初はちょっと複雑でした(笑)

ーー本当に素敵な声だと思います!(笑) あと、YISKAの象徴といえば歌詞ですよね。感情の表現をいろんな言葉で表していて、小説を読んでいるような気持ちになりました。

おはなみ:直接的に書く方が分かりやすくて、万人受けするのもわかってるんですが、それだったら私が書かなくてもいいなって思っていて。あの時、自分がどう思ったのかなっていうのが結構自分でも、悲しいとか嬉しいだけで、済まないことがいっぱいあって。もっとぐちゃぐちゃだと思うんですよね。だったらじゃあ、どう感情の表現を使わないで、どれだけ気持ちを表現できるかっていうのをずっと考えていますね。

――歌詞が一番、時間がかかりますか?

おはなみ:一番かかりますね。実は、歌詞をしっかり作るのは一番最後で、歌メロが最初なんですけど、メロディーが出てくるときって、もうある程度、歌ってるフレーズで出てくるんです。ぼんやりとした言葉と、一緒にメロディーが出てくる感じで。そのときに、出てきた言葉を大切にしつつも、まずはメロディーを完成させて、曲を全部作ってから作詞に移りますね。最初にのせようと思っていた言葉もあるので、メロディーとのバランスをとりつつ歌詞は書いていきます。

「曲を生んだ、歌のはじまり」

――全ての楽器パートを、おはなみさんが作っているんですか?

おはなみ:そうですね、パートの骨組みの部分は自分が全部作ってます。打ち込みで作って、ほぼ完成形の曲をメンバーに渡してます。最初に歌メロをガー!と打ち込んでから、コードをつけて、ドラムつけて、ベースつけてと。メンバーに渡すときはもう、あとはよろしく!好きにアレンジしておくれって感じで。

――曲を作り始めたのはいつ頃なんですか?

おはなみ:一番古い曲は、たしか小学生のときにつくりました。 “ 街と怪物 ” も、13、14歳のときの曲なんです。歌詞で言いたいことも、多分このままでしたね。ちょっとは変えたんですけど、サビは全然変えてないです。

――10代の頃には “ 街と怪物 ” ができていたなんて……。どんな幼少期を過ごせば……。音楽へのきっかけはご家族ですか?

おはなみ:そうですね。誰かしらが歌ってる家庭でした。くだらない冗談に節などを付けて歌ってたり。あとは、娘がはまったものに、両親もはまるっていうような家庭だったので、音楽もはまるままに、はまらせてもらいましたね。だから、私の音楽の始まりは、楽器からというよりも、歌からでした。歌はもう、ずっと好きです。

「水の音がする」

Illustration by ゐたみ (itami) (@itami_gomi)

――YISKAといえば、海や水のイメージが中心にありますよね。それもご家庭の影響があるんですか?

おはなみ:好きは好きで、子供の頃から水辺で遊んでいた記憶はあるんですけど、 これといった理由は特になくて。不思議なんですが、曲を書いてたら、「そうなっちゃった」っていう感覚が一番近いですね。初めて書いた曲も、「海をテーマにしよう」ってなぜか決まってたんです。比喩や描写をする時に、「水」だなってことが多いです。

あと、“ 街と怪物 ” の歌詞に海は出てこないんですけど、 MV ご覧頂いたら分かると思うんですが、イラストレーターさんが勝手に主人公の子を船に乗せてくれたんです。本当にちょっと、びっくりして。分かるもんなんだなぁと。

https://youtu.be/2pqDA8PRRsI

――私、今鳥肌が立ちました。作品に水の意識が漂っているというか。

おはなみ:ゐたみさんには、何も言ってなかったんですけど、感じるところはあるのかなぁと。 本当に、海とか雨はすごく多いですね。気づかないうちに、中心に根付いたものなので、大事にしたいです。

――バンドの核のイメージが「水」って、素敵ですね。

おはなみ:このイメージを退けようとしても、出てきちゃうんですよね。ボツにするフレーズもやっぱりあって、この言葉はまらないなぁ、あの言葉もはまらないなぁってやっていくんですけど、なんだか全てちょっと「湿っぽいな」ってなるんですよね(笑) 景色を想像して書いてみようってすると、なんだか湿っぽいところに行っちゃうことが多くて。なんでだろうって。

――いつから雨が降り始めたのかは、もうわからないんですか?

おはなみ:もう、わーからないですね・・・。あとこれちょっと言うと恥ずかしいんですけど、自分の思い出や経験から曲を作ることもあって、それで、印象的だった場面のときに、雨が降ってることが多くて。だからもう、これは「雨女なのかな」って思って(笑)

創作の根幹部分なのだろうと思うので、統一性ではないですけど、曲の背景でなんとなく「水」の音がするような音楽を作るようなバンドにして行けたらいいなと思います。

インタビュー後編はこちら

アーティスト情報

(Photo & Interview & Text by ソラ / Edit by 倉田航仁郎




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