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【連載】パーティ日和/第26回

<毎週土曜日連載>




マイニューギア

先日久しぶりにエレキギターを購入した。何年ぶりであったかもう定かではないが、ものすごく懐かしい感じがした。
若者のバンド離れ〜みたいなことを言うつもりはないんだけど、僕自身楽器からずいぶん遠ざかってしまっていた事に気がついた次第である。

楽器というものは本当に魅力的だ。僕たちミュージシャンにとっては楽器さえあればずーっと遊んでいられるので世界最高のおもちゃである。もう超楽しい。超ゴキゲンなのだ。

はじめての楽器は高校生の頃。先輩方の影響でまんまと「バンドやりてえ!」となった僕はそれまで遊ぶ金欲しさにやっていたアルバイト(学校不許可)を増やし必死で貯めた数万円で最初のエレキギターを購入した。エピフォンのレスポールだったと思う。今どこにあるのかさっぱり忘れてしまったが手元に無いということは誰かにあげたか売ったかしてしまったのだろう。何度もなんども楽器屋に通い、アレでもないコレでもないと弾けもしないギターを触らせてもらい、ロック情報誌のグラビアを見ては様々な楽器を抱える名ギタリストに痺れ、いつかカッコよくギターが弾けるようになってステージに立った自分を想像してはうおおおおおと意味のない雄叫びをあげたりして両親を心配させたものである。

今回購入したエレキギター

そして満を辞して購入したエレキギターとの蜜月の日々、今でも思い出す。特に外でギターを弾く用事もないのにわざわざ安物でヨレヨレのソフトケースに入った重たいギターを抱えて外出したり、指の痛みに耐えながらコードブック片手にスピッツの「ロビンソン」を弾いたりニルヴァーナの「スメルズライクティーンスピリッツ」のイントロだけを頭振りながら延々弾いたり楽器屋に貼ってあるバンド募集掲示板を隅々まで眺めたりそれはもう痛々しくもたのしかった。

ぼくは歳をとり、そんな気持ちをすっかり忘れていた。きっとこれが「老い」というやつである。
だがエレキギターを買う、という行為で25年前の気持ちを取り戻し僕は若返ったことだろう。僕らは自由を、僕らは青春を、思い出し、すがり、また楽しむことができる。僕たちはいつだって少年に帰れるんだ。帰ろうぜあの街角へ。Heart break OH my Jullia。

楽器が爆発的に売れた時期として、アニメオタクである私的には「けいおん!」の大ブームがある。あの頃登場人物が弾いたレスポール、赤いムスタング、ジャズベースがやたら売れたんじゃなかったか。僕がよく使っていた代々木のスタジオが劇中に出てきて聖地認定され、一時的に予約が取れなくなったことがある。あいつら写真撮影の為に予約して来るんだと店長が頭を抱えていた。やがて「バンド練習以外の予約、入場はお断りします」みたいな張り紙がされた。オタクは今も昔も一癖ある。

代わりに最近では「BanG Dream!(バンドリ!)」だろうか、僕の主催するアニソンイベントでもよくプレイされるし僕も好きでアニメ作品は欠かさず見ているが驚いたことは主人公、というかメインキャラの愛用するギターが赤いランダムスターであることだ。これには高崎晃さんもニッコリであろう、正直初めて見たときはヘヴィメタルがテーマなのかと思ったくらいだ。

引用:BanG Dream!(バンドリ!)公式サイト(https://bang-dream.com/

ラウドネスを知らない世代にとってあの不思議な形の赤いギターは「伝説のランダムスター」ではなく「かわいい形のギター」なのだ、ということが嬉しく、頼もしい。古い価値観は後で知れば良い、若い力は自分たちの新しい価値観で音楽を彩っていってほしい。

おじさんたちにおかれましては3月7日に当店(松山サロンキティ)にて「AKIRA TAKASAKI AND FRIENDS “Return To The Origin”」ワンマン公演開催されますので是非ご来場いただきたい。共に伝説を目撃しよう。

http://salonkitty.co.jp/mc-events/akira-takasaki-and-friends/

楽器ってそんなに爆発的に売れたりするもんでもないと思うのでこうした文章を読んだかつてのロッカー達が奮い立って経済力を発揮し楽器屋にお金を落としてくれたら嬉しい。僕にマージンはあるか。ないか
それに「わしもここらでもう一花咲かせちゃるか…孫にも良い所見せんといかんしな」などと言いながらかつてのメンバーに声をかけあたらめてバンド結成したりしたら良い。ライブハウスだっておじさんたちが遊ぶ場所であって良いのだ。だってライブハウスはおじさんたちが作ってきた最高の遊び場、若者にカッコいい遊び方を見せてやろうじゃないか。

ライブハウス『松山サロンキティ』店長/武花 正太

プロフィール

武花 正太

愛媛県松山市のライブハウス

松山サロンキティ』店長

Twitter:@take87syouta

音楽、アニメ、旅、鉄道、廃墟、階段など、引っ掛かりを覚えた物を節操なく取り込んだボーダーレスなライフスタイルは国内外を問わず広く呆れられている。

自身のバンド「MILDS」では作詞作曲、歌、ギター、ピアノを雰囲気でこなし、さまざまな現場でベースを弾く。

DJとしても活動しており、主な得物はなんとアニソンである。

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