【連載】新田概論(仮)/第27回
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<毎週木曜日連載>
4分33秒間も演奏しない曲見つけたwwww
新田概論です。
先日ハヤシライフというバンドで、初ライブを行いました。
尺とコードとキメなどは決まってて、曲としては完成させているところに、各々のメンバーが自由に演奏するので、セッションに近いのですが、これが信じられないくらい楽しかったです。
次のライブは、2月27日。club JANUS。
2本目にしてスキッツォイドマンとツーマンです。
初ライブがスリーマンもよくわからないですけど、これもすごい内容。笑
勿論めちゃくちゃありがたいお話なんですがね!!!!頑張ります!!!
3本目がワンマンじゃないことだけ祈ってます!!!!
さて今日の記事は音楽コラムでいきましょう。
皆さんは4分33秒という曲をご存知でしょうか?
ジョン・ケージというアメリカの音楽家が1952年に発表した、曲です。
この曲なにがすごいかというと、4分33秒の間、演奏者は一音も鳴らさないんです。
楽譜は休符だけで構成されていて、本当に一音も鳴らさないんですね。
4分33秒という演奏時間だけが決められているんですよ。
4分33秒というと僕が作曲したDr.FOOLのWA・DO・WAと、ほぼ同じ時間。
この時間演奏していないから、それは音楽じゃないのでは?とお思いなられる方も多いかと思います。
しかし、作曲したケージは『沈黙は無音というわけではなく、意図しない音が起きている』と捉えました。
演奏者が音を鳴らさないと、観客の咳払いや、脚を組み替えたりする音、その他の偶発的にさまざまな音が聴こえてきます。
つまり楽音と、非音楽の境目は存在しないという主張だった訳です。
すごいですよね。
僕も作曲したり、休符が大事だと言われるベースを演奏する人間でありますが、この発想をして、実際にそれを作品として発表するには、相当な思想が無いと無理だと思います。
仮に僕がこれを作ったとして、
『やばい曲出来たで!タイトルは4分33秒って言うねん』
『おっ!タイトルかっこええやん!能動的三分間みたいやな!そしたらとりあえずデモ聴かせて』
『おっしゃ!聴いてみて』
『ん??音流れてへんで??』
『アホ。演奏してないから、非音楽って捉え方が違うねん。演奏してない間にも、風の囁き、小鳥の囀り、色んな音が流れてて、それはもう音楽やねん。』
『なるほど……』
『オレはこの曲のライブMV出したいねん』
(こいつマジか)
ってなると思うんですよね。
思想としては分かるとしても、理解して行動する(正しく言うなら演奏しないので、行動しないということになるのかな)ってのは、本当にすごいですね。
当時は勿論、賛否がすごいあったそうですが、僕はとても素晴らしいなと感じました。
音楽は本当の意味で、自由なんだって思います。
最近Twitterで僕のフォロワーの方に、バンドしているわけではないけど、弾き語りをしてみたくなったと、弾き語り用のアカウントを作った方がいるんですが、
そういうのも本当に良いよなって思って、心がホッコリしたことがありました。
世界で最も技巧派と呼ばれるベーシスト、ヴィクター・ウッテンが『音楽とは言語だ』と言っている「とにかく音楽は自由にやろうな」って話がとても好きなので、そちらを紹介して、今回は終わりますね。
私はバンドの一員として生を受けました。本当に言葉通りバンドの一員です。
産まれたときに兄達は既に音楽をしていて、すぐにベーシストが必要だと悟りました。
そんな役の中に産まれました。
この歳になって、教える側に立ってから自らがどのように教わってきたかをよく考えて振り返ってみると、私は特に何も教わっていないことに気がつきました。
私はバンドの一員として生を受けました。本当に言葉通りバンドの一員です。
産まれた時に兄達は既に音楽をしていて、すぐにベーシストが必要だと悟りました。 そんな役の中に産まれました。
この歳になって、教える側に立ってから自らがどの様に教わってきたかをよく考えて振り返ってみると、私は特に何も教わっていない事に気がつきました。
これが私が音楽を言語と表現している理由です。
自分の母国語を考えてみて下さい。
私とここにいるほとんどの人にとっては、きっと英語でしょうから、英語を基に話を進めます。
英語をどうやって学んだか考えてみると、誰かに教えてもらっていない事に気がつくと思います。
ただ、周りのみんなが、あなたに話しかけていただけです。
それの何がすごいかって、一番面白い事は会話を返す事が出来る事です。
でも音楽では、ほとんどの場合初心者は自分より上手な人とは、一緒に演奏する事が認められません。
初心者は初心者のクラスで立ち往生するしかないのです。
そしてそこに何年かいて中級に昇格し、やがて上級になります。
上級を卒業しても、まだまだやらなければならない事がたくさんあります。
でも言語なら、赤ん坊でも言語のプロといつも会話というジャムセッションをすることが出来るのです。
その時点ではあなたは、自分が初心者だとすら気がついていません。
だれも
「もうちょっと上手になってからじゃないと 話してあげない」
とは言いませんし、
「もっと歳とったら話してあげるね」
とも言われません。
何を言わなければいけないのかも指定されませんし、部屋の隅に座って練習させられる事もありません。
そして間違っていても、正される事もありません。
想像して下さい。
あなたが2〜3歳で間違った言葉を、何回も繰り返して覚えて誰も正してはこない。
でも何回も間違った言い方をし続ければ、やがて親は間違いを指摘する代わりにあなたのやり方を覚えるでしょう。
そして彼らもまた間違って言い始めるでしょう。
それの何がいいかって、あなたはずっと自由だって事です。
どうやって話すかは自由なのです。
要するに音楽でもひたすら教育を受けてから自分の表現を探すのではなくて、初めから自由に自分なりのやり方で表現方法を習えば良いのです。
だれもあなたの自由を奪ったりはしていません。
それが私が小さい頃に習った音楽でした。
私は英語と音楽を同時に同様に習っていました。
私は聞かれると基本的には 「そうだね。大体始めたのは2〜3歳くらいのときかな」 と答えていますが、そう答えた方が、現実的で信憑性があるからなんです。
でも英語を話し始めたのはいつでしょう?
3歳きっかりになるまでずっと待ってはいなかったでしょう。
ヴィクター・ウッテン
良い言葉ですよね。
確かこれの続きに、ベースを弾いたことない方にベースを渡して弾かせてみて、もうこれはセッションだ!音楽だ!彼女は既にベーシストだ!
って言うはずなんですが、出てこなかったので、掲載するのはここまでにしときます。
緊急事態宣言がまた発令されて、音楽を奪われるような世論、風潮になるのかもしれません。
でも、音楽って根本的に自由なものなんです。
演奏して楽しむ方も、演奏を聴いて楽しむ方も、どんな条件でも音楽を愛していきましょう!!!!!
僕は音楽が大好きです!!!!!
Dr.FOOL/新田