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【ライブレポ】かゑる/儚くも鮮烈な唯一無二のパフォーマンス

2020年10月16日(金)@京都GROWLY。

この日、京都のバンド弥生時代の末裔のレコ発イベント『今日のご飯はハンバーグ』に出演したかゑる。関西を拠点に活動する多種多様なバンドの中にいて、中毒性のある切なく甘いハイトーンな歌声と音楽性、独自のパフォーマンスでひときわ異彩を放っていた彼らのライブをレポートする。

京都GROWLYの新型コロナ対策

引用:https://growly.net/schedule/detail.html?id=4999

上記の通り、感染症対策も万全に開催されたこのイベント。

足元に配置された印に立って間隔を保ち、観客もそれぞれに意識しながらライブを楽しんでいた。

物販コーナーの手書きイラストも「弥生時代」バージョン

かゑるの物販コーナーではおなじみとなっている、メンバー手書きによるイラストも、この日は主催である弥生時代の末裔をリスペクトした弥生時代バージョンとなっていた。

また、販売されている音源に彩りを添えるカエルのぬいぐるみも、入れ替わりながら回を増すごとに増えていっており、彼らのライブを見にくる楽しみのひとつと言える。

縁を想う慈愛に満ちた静かなる激情

緑色の照明に照らされる中、SEでピアノの旋律が響き渡り、メンバーが入場。暖まった会場の空気を引き継いで、かゑるのステージが幕をあける。

1曲目は “ ノイズレス ” 。

歪んだベースイントロから一気に駆け抜ける、疾走感溢れる1曲だ。ベースとドラムがメインとなって楽曲を引っ張りながら、友田裕也(Vo./Gt.)のバッキングギターが支え、福井湊(Gt.)の広がりあるギターが華やかに踊る。会場のボルテージが一気に上がるのを感じた。

「京都のかゑるです、今日はよろしく」

続いて流れ込む2曲目 “ dystopia ” 。変拍子で変則的な楽曲展開が印象的なロックチューンだ。後半に向けて歪みを伴った激しさを増しつつも、ポイントポイントでファルセットボイスが抜けるようにフューチャーされ、楽曲の輪郭がくっきりと浮かび上がる。かゑるの世界観が存分に堪能できるナンバーと言える。

曲が終わり、ギターノイズが響く中

「胸が痛いこんな夜に、あなたと見た、あの日の月の言葉を……」

主催である弥生時代の末裔の “ 晩夏 ” に出てくる歌詞の一節を引用する形で始まった3曲目 “ 月の言葉 ” 。重厚なミディアムバラードで、優しさの中に秘めたる熱いものを感じさせる楽曲展開が目を引く1曲だ。迫真のサビは心の奥底にまで届くように鬼気迫るものを感じさせてくれた。

ここで、ギターボーカル友田のMCへと続く。

「改めまして、京都のかゑると申します。今日は弥生時代の末裔、呼んでくれて本当にありがとうございます。レコ発おめでとうございます。」

ひとつのバンドのレコ発という記念すべき日に呼んでもらえたという、素直な喜びと感謝の気持ちが優しく紡がれていく。

「本当に今日、ここに立ててるのはすごい嬉しいです。(弥生時代の)末裔を始め、たくさんの人との縁があって僕たちここに立っております。ここにいるみなさんも、配信見てくださってるみなさんもそうなのかなと思います。今この瞬間に立ち会ってくださって、本当にありがとうございました。」

主催の弥生時代の末裔とは音楽性もパフォーマンスも全く異なる両バンドであれど、音楽を、バンドを、ライブを愛するという深い部分で共鳴しあっていることを改めて実感しているのだろう。

こうして囁くように言葉をつなぐ慈愛に満ちたMCから4曲目、“ stellar ” がスタート。

https://youtu.be/0aoaAXKanVY

ミュージックビデオにもなっているこの楽曲は、静かなサビのイントロから激しい間奏を挟みながら陰影を描き出し、狂気すら感じさせる劇薬のようなギターが鳴り響く。力強いドラムとボーカルが絡み合う中で、安定したベースが全体を牽引するかゑるを代表する1曲だ。

曲が終わり、その余韻を残しながらノイズ音で会場を包み、最後の曲 “ 海鳴りの果て ” へと続く。

軽く歪んだギターのアルペジオとギターノイズが心地よく、三拍子で迫るような展開とミディアムテンポでありながらラストに向けて激しく盛り上がっていく、まさにラストにふさわしい1曲となっている。ステージ上で髪を振り乱し、座り込みながらギターをかき鳴らすパフォーマンスで高めてきたボルテージを一点に集約されていくようだった。

こうして、静かに熱を帯びる刃物のような切れ味と全てを包み込む優しさに満ちた、かゑるのステージは幕を閉じた。

常に進化を続け、自分たちのあるべきパフォーマンスを追い求めるライブバンド

他のバンドではあまり見ることがない独自の音楽性とパフォーマンスを武器に、その場に満足することなく進化を続けるかゑる

音源やミュージックビデオのクオリティの高さは言うまでもないが、ライブになるとその上を易々と超えていくようなパフォーマンスで見るものを魅了する。

独特の世界観をステージごとに構築して会場を包み込む様を体感した人は、彼らの今後のさらなる活躍に期待せずにはいられないだろう。

京都を代表するライブバンドとして、数々のステージを踏み、大きく成長していくことを願ってやまない。

SET LIST

〈2020年10月16日/弥生時代の末裔 レコ発 “ 今日のご飯はハンバーグ ” 〉

  1. ノイズレス
  2. dystopia
  3. 月の言葉
  4. stellar(MV:https://youtu.be/0aoaAXKanVY
  5. 海鳴りの果て

アーティスト情報

(Photo & Text by 倉田航仁郎

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