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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第20回

<毎週日曜日連載>




あなたの音楽が売れる方法を教えます!

おはようございます。ファイアーループの足立です。

今回は、ライブハウスオーナー歴20年の僕が「売れる方法」を教えようと思います。最もバンドと近い距離から「売れたバンド」の歴史をいくつも見ているので、必ずためになります。手短かつ非常に内容の濃い話になりますので、「売れたい!」と思っているミュージシャンはぜひ読んでくださいね!

答えを最初に言うと、それはずばり「自信を持つこと」です。自分の音楽に対して、絶大なる自信を持っていれば必ず売れます。それが最強の販促アイテムです。それ以外の販売戦略は全てそこから派生する小手先の方法論です。

まずは「物を売る」という行為を考えてみましょう。車を売るでもいいですし、テレビを売るでもいいし、ケーキを作って売るでもなんでもいいです。それを売ってる人はその商品のことを何と言って売るでしょうか?そう、「この商品は最高ですよ」と言います。絶対に言います。間違っても「あんまりよくないけど、買ってくれませんか?」なんて言いませんよね。ラーメン屋のオヤジが「隣のチェーン店の方がオイシイんですけど、ウチに来てくれてありがとうございます」なんて言うでしょうか。えっ食べた後にそんなこと言われたらえっ。損したかもってなりますよね。ラーメン屋のオヤジは商売でラーメン屋をやってますから、「ウチのラーメン最高やろ!日本一やろ!そのラーメンをウマイっていうお客さん、あんたわかってるねえ通だね」なんて言ってくれるんじゃないですか?嬉しいですね。そぉ俺ラーメン通なの。また来ます!

薄々僕の言いたいことが分かってきたでしょうか。物を売る人たちの中で唯一「だめでした」「まだまだです」「がんばります」なんて言うのは売れないアマチュアアーティストだけなんです。

アーティスト、特にバンドマンは「良かった」と言われると「いや、ぜんぜんでした」ってすぐ言います。「でしょ!最高だったでしょ!」ってなかなか言ってくれません。気持ちはよくわかります。自分で納得いってないのに、サイテーのライブだったと思ってるのに「最高でしょ」なんて口が裂けても言いたくない。それは嘘だからです。それはアーティストとして美しいと思います。しかし商売人としては最悪。誰が「まだまだぜんぜん良くないけど買ってください」って申し訳ない顔をする人から物を買うんでしょうか。

だから、もっと恐れず嘘ついてください。嘘をつくことで「良かった」と言ってくれる人をまずは肯定しましょう。むしろ褒めましょう。ライブ中でも嘘ついていいです。「最高だろ安心して付いてこい」と。で、帰ってから泣いてください。今日もまた嘘をついてしまった自分を責めるでもいいです。そのかわり、その「良かった」と言ってくれる人に恩返しをするんです。努力して上手くなって、誰もが認める高名になれば、あのとき「良かった」と言ってくれた人の鼻も高い。つまりファンの「ライブファンとしての」ブランドを上げることになる。そうやって恩返しをしていけば、そのときついた嘘はチャラになります。誰もあのときついた嘘を責めたりしません。上のラーメン屋のオヤジもきっと「こんなマズいラーメン食えるか、ちくしょう」って泣いて頑張ってるんじゃないかな。

ちょっと逆を掘ります。「良かった!いいライブだった!」と言われたとき、「いや、ぜんぜん良くなかったです」と言うのはどういうことか考えてみてください。まず、それは「良かった」という意見を否定しています。もっと言えば「この程度のライブを良かったなんて言うあなた(お客さん)の目は曇っている」と言っています。もちろんそんなつもりは無いでしょうが、実際お客さんはちょっとがっかりしますね。「昨日のライブは最高だった!こんど一緒に見に行こう!」なんて友だちに言ってくれません。

バンド側、本人の心理としてはどうでしょうか。もっと高みを見ている。もっと良いときがある。ミスや反省点が多い。それはもちろん大いに感じてください。素晴らしい!しかしそれを人に言うのはただの「見栄っぱり」です。「もっとできるんだけどね」と言い訳しているに過ぎません。もしくは、この程度でスゴいと思う浅い奴だと思われたくないだけです。本当に今日のライブが自分の見せたいもの、見せられるものとかけ離れているものが出てしまって申し訳ないなら、次はお金を払ってでも来てもらいたいはずです。推奨しませんが。

「ダメだったね」って言う人がいたら一緒に課題を探しましょう。一方的に言う人は放っときましょう。さよならです。自分たちだけでは思い当たらなかった「どうやったら良くなるか、どうやったらもっと良くなるか」について興味を持って、課題をひとつずつクリアしていけば必ずクオリティは上がっていきます。しかしこれは売れたあとの恩返しフェーズ。つまり「売れるためにクオリティを上げる」は少し順番が違うということです。売れるためには自信を持つことが「まず最初に」大事だということです。

売れる方法は以上です。最後にタネを明かすと、今回のブログはなんか自信満々で書いています。いつもなら「PAしかやってないし、売れたこともないので私見ですが」とか「良かったら参考にしてください」なんて僕は前置きしてしまう。それは僕も見栄っ張りだからです。どこかで突っ込まれたり否定されるのが怖くて、まずは防衛線を引いてしまうのは僕も同じです。だから今回は頑張って断定的に書いてみましたがいかがだったでしょうか。

真剣に音楽に取り組んでいる人たちがハッピーになることを切に望んでいます。ではまた来週!

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志

プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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