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【連載】パーティ日和/第19回

<毎週土曜日連載>




ぼくなりのライブレポート

GoToも中止にしろなんて声が飛び交っているこのご時世に、四国内3軒のライブハウスが合同で持ち回りツアーをするイベント[高松MONSTER×高知CARAVAN SARY×松山SALONKITTY「LIVERS HIGH」]が開催された。

それぞれのライブハウスひいきのアーティストが各々地元のライブ集客を担い、各県のアーティストを招いて開催するライブが各地で行われたのである。つまり僕目線で言うと
『高松MONSTERと高知CARAVAN SARYのバンドさん1つずつ僕のところ(松山SALONKITTY)に呼んでお客さんいっぱい入れるから、ウチんとこの一押しバンドそっちでもやらしてあげてください〜!』
ということである。動員やクオリティあたりが一致すればWIN WIN WINの三方良し、というこのムーブは我々地方ライブハウス業界において昔から鉄板なのであった。

ようやっと地元のライブハウスから「まあまあ上手くなったし曲もライブもええかんじや」というお墨付きをもらい、県外のライブハウスに紹介してもらい他県に活動を広げ始めたあたりのバンドにとって、県外での集客というのは恐ろしくハードルが高いもんなんである。

左から、高知CARAVAN SARY 大野氏、高松MONSTER 海堀氏、松山SALONKITTY ぼく

で、ここからが本題なんだけども、いつも受付やらドリンクカウンターやら照明やらに駆り出されじっくり腰を据えてライブを見る、ということになかなか縁の無い僕は店のスタッフの協力により最終日高松MONSTERのイベントに足を運ぶことができた。せっかくなので思うところを書いておきたい。

2020年12月13日(日)
高松MONSTER×高知CARAVAN SARY×松山SALONKITTY「LIVERS HIGH」
@高松MONSTER(http://www.monster.cx/archives/12392

・高松MONSTER
まず会場である高松MONSTERだが、海堀くんというイカス先輩が店長を務める良いハコだ。横長のフロアはどこからでもステージが見やすくて好きだがコロナ対策でステージのツラから2メートルを柵で潰す際アダとなっていた。
スタッフさんも気さくで企画制作まわりの思い切りも良く、いい意味で柔軟で面白い。だいぶ前になるがDJとして呼ばれていったときは「テキーラそうめん」(めんつゆの代わりにテキーラが入ってる)を振舞っていた。いい加減にしたほうが良いんじゃないかと思った。
音も上々、バンドに対する思いの熱さが側で見てても伝わってくるからバンドも客も付いてくる、そんなライブハウスである。

顔合わせの時にうどんが出てきた。地元に誇り持っているのだ。食ってるのは松山のS-TALK。

・NULL(高松)

地元の3ピースバンドからスタートした。流暢なギター(という感想が出てきたのだが伝わるだろうか)、堅実なドラム、ベースに、驚くほどラフに乗せた歌がマッチして良い崩しになっていた。派手なサウンドでは無いのにすごくアグレッシブに聞こえるのはGt.&voのさなだ君の音楽感に鍵があると見た。今度改めてじっくり解析したい。
ステージに立つといろんなことを思い出す、と言っていた。わかる。良いことばかり思い出せるようになったらいいね。

・Puppet Rabbit(高松)

このバンドはこれまでも何度か見ているのだけど、何度見てもギタリストのえでぃさんばかり見てしまう。全く淀みのないピッキングで女性ボーカルを立てる職人的な音作りとフレージング、だけどひとたびソロを取ればちゃんとフロアを根こそぎ持っていく。ぼくはこういう質実剛健なギターヒーローが好きなのだ。
メインvoのRUMiちゃん、持ち前のキレのいい歌声はそのままに衣装チェンジとかちょっとした楽しみも演出してるしライブ中しっかりお客さん見てて、とても成長を感じた。

・Chimothy→(高知)

この日ぼく的に一番ぶっ飛んだバンドだった。いや何てこたないスリーピースガールズバンド、されどスリーピースガールズバンド。音楽を奏でる人からは何というか音楽に対する「喜びのオーラ」みたいなのが放出されてて、色も形も波長も人それぞれ全部違う、と思ってるんだけどこのバンドのvoあかりさんは目まぐるしく色を変えて届いた気がした。まるで歌と直結してるみたいな。うまく言えんけど、呼応してしっかり寄り添う2人がそれを等身大の良いグルーヴに仕上げていた、あれは俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

・S-TALK(松山)

最近立ち上がった松山のバンド。こいつらはアレだよね。良いアホ。悲しい曲だろうがムズい曲だろうが演ってて楽しいんだから笑ってりゃいいだろ!俺あたま悪いから難しいことわかんねえ!とりあえずライブやろうぜ!みたいな猪突猛進型のアホ。本当は頭いいのかどうか知らんけど。
高松でもちゃんと自分たちの魅力を発揮できてたんじゃないかと思いました。
このバンドは割と個々がうまいからこれからあっという間に伸びるよ。今はいっぱい曲作って撮ってライブして、やりたいことどんどんやるべきだね。お楽しみに。

・ナルコピクシーー(高松)

とりあえずvoのキャロさんが他のバンドのライブ中も客席で超踊ってて、オープンマインドなアーティスト好きだぜーと思った。曲もかなりこねくり回されててまさにオルタナティブ、って感じなんだけどGt.アキさんのプレイがすげーぶっ飛んでて笑った!最高。本当にギターなのかそれ、みたいな音色もCOOL。
と思ったらリズム隊がマジで上手い。まちがいない僕は詳しいんだ、あなたたち一体何者ですか。

とまあ控えめに言ってめちゃくちゃ楽しめる夜だったわけである。
久しぶりのガッツリ対バンイベントー!ってこともあったかも知れんけど、改めてライブハウスは必要だと感じたよね。

ナルコピクシーーがMCで「物質的な豊かさは影を潜めてこれからみんなは精神的な豊かさを求めるようになる」的なことを言っててスピリチュアルですなあと思ったんだけど、そうなるとライブハウスなんか絶対なくしちゃいかんよね。精神的な豊かさ、なんて求めようものならそれこそ音楽の本領発揮って感じだ。
転換中のPAさんの背中に「LIVEHOUSE IS NOT DEAD」と書かれていた。そうだぞ、と思った。

ライブハウス『松山サロンキティ』店長/武花 正太

プロフィール

武花 正太

愛媛県松山市のライブハウス

松山サロンキティ』店長

Twitter:@take87syouta

音楽、アニメ、旅、鉄道、廃墟、階段など、引っ掛かりを覚えた物を節操なく取り込んだボーダーレスなライフスタイルは国内外を問わず広く呆れられている。

自身のバンド「MILDS」では作詞作曲、歌、ギター、ピアノを雰囲気でこなし、さまざまな現場でベースを弾く。

DJとしても活動しており、主な得物はなんとアニソンである。

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