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【連載】パーティ日和/第18回

<毎週土曜日連載>

バーチャルDJパーティ「おどるんだ島」

パリ日連載16回、「ライブハウスを待つ新しい時代について」がツイッターで反響をいただけている。読んでもらえてうれしいです。

なんとなく配信とライブハウスって括りで書き過ぎてて独創性に乏しいなあと読み直して思ったので、今回は配信の楽しかったことを個人的に書いていきたい。コロナ禍で「家にいよう」と口々に叫ばれていた仲間と集まれない日々、僕たちはどうやって音楽で遊んでいたのか。

僕にはバンドマン、ライブハウス店長としての顔の他にDJ FITTとしての顔も持っている。DJは楽しい。音楽好きな仲間と集まって音楽で遊ぶ。酒がとてもうまい!なんだけど当然集まっちゃダメなわけでパーティなんて全く開けなかった。チャラチャラ集合して乾杯!なんてとてもできる状況じゃなかった。
店のスケジュールは全てキャンセルとなり、ヤケになって店先でたこ焼きとか焼いてた僕は考えた。どうやったらみんなとパーティができるだろう?そこでインターネット空間であろうと行動を開始したわけです。

DJ配信、というのはわりと早い段階で始めていたんだけどそれはあくまでDJ配信であって、CLUBに出かける、という経験までは満たせなかった。あれはDJそのものが楽しいというよりは音が鳴ってて色んな人が楽しんでる空間そのものがアミューズなわけで、ただDJを配信してもあんまり面白くないわけだ。そこでインターネット空間に集まることができれば、それはすなわちパーティになるんじゃないかと考えた。
しかしいくら現代っ子な我々でもいきなりバーチャル空間構築してオリジナルアバターで集合してパーティ、という技術は少し難しい……大層な技術を持ってない我々普通の現代っ子は考えた。あるじゃん、気軽に交流できるバーチャル空間。
当時大流行していた(今も大人気)Nintendo Switch『あつまれ どうぶつの森』だ。僕がプレイする島「しかく島」内にCLUBを建設しそこにあつまってもらうことにしたのだ。
結果から言うと、超小規模ながらしっかりミュージックパーティを感じることができたのであった。

『おどるんだ島』フライヤー


配信プラットホームはゲーム実況なんかを主とするTwitch(https://www.twitch.tv)を使用した。音声はDJの音声を、映像は僕のNintendo Switchよりどうぶつの森の映像を配信。
あつまれどうぶつの森に実装されているマルチプレイ機能を使い、来場者は僕の島「しかく島」にあるCLUB「大漁」へ来て一緒に遊ぶ。どうぶつの森持ってなかったり持ってるけど人数制限で入れない人も配信で視聴、コメントできる、という算段だ。

これがすごく楽しかった。たった8名という来場制限はあるけど入れ替わり沢山の友達がやって来てくれて、クラッカーとか光る棒とかゲーム内でできるアクションやゲーム内チャットで盛り上がってくれた。それはまごうことなきパーティだった。

バーチャルパーティの模様

実際に会って騒いでるわけではないのにびっくりするほど自然にパーティだったのだ。DJなんかやっていると自分のプレイに納得いかなかったり少しずつマンネリになってしまったりして、だんだん視野が狭くなって大切なことを見失ったりするものだ。
しかしこの「おどるんだ島」をやってみることで、実際に集まって騒ぐことができない不自由を経験することで僕たちが好きで好きで仕方ない「ミュージックパーティ」という物の本質に少しだけ触れた気がした。
なにせパーティが終わり、来場者やDJさん達が帰ったあとの自分の島に、祭りのあとのような静けさと寂しさを感じたのだ。

集まっちゃダメならパーティなんてできないでしょ、と拗ねて引きこもるのは簡単だ。
そんな中、手探りでも出来ることを目一杯楽しむことで見えてくるものが多くあった。そこには不自由な毎日の中でも前向きに楽しもうという人たちが集まり、ごく少数なのに大規模パーティにも負けない熱を感じることができた。みんなが帰ってしまった後もその熱は残り、一人大漁旗を眺めながら酒を飲む僕なのであった。

終演後の記念写真

ライブハウス『松山サロンキティ』店長/武花 正太

プロフィール

武花 正太

愛媛県松山市のライブハウス

松山サロンキティ』店長

Twitter:@take87syouta

音楽、アニメ、旅、鉄道、廃墟、階段など、引っ掛かりを覚えた物を節操なく取り込んだボーダーレスなライフスタイルは国内外を問わず広く呆れられている。

自身のバンド「MILDS」では作詞作曲、歌、ギター、ピアノを雰囲気でこなし、さまざまな現場でベースを弾く。

DJとしても活動しており、主な得物はなんとアニソンである。

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