【ライブレポ】Glaspain/音と光で魅せるふたりだけの新世界

11月4日(水)に大阪のライブハウス“club vijon”にて開催された、限定集客+配信ライブ「Please More DRINK!!!」。大阪を拠点に活動するバンドAxith主催で、大阪、奈良などから個性豊かなバンド結集した。今回は、そのライブに出演したバンドGlaspainのライブをレポートする。

club vijonの新型コロナ対策

入場時の検温、消毒、コロナ追跡システムへの登録、そしてホールに設置された足形によるソーシャルディスタンスの確保など、徹底した対策が取られている。
ツーピースという特異点で描く無二の情景

セッティングが完了し、暗転に青い照明の中でギターの音色とともにGlaspainのライブがスタート。
ゆったりとしたテンポで語りかけるAメロからサビのハイトーンが冴える1曲目 “ 此処で ” で会場を包み込む。1st singleとして配信されているこの曲は、Glaspainとしても肝入りの1曲となっている。

そのまま2曲目 “ fragment ” へと続く。ジャキジャキとしたギターサウンドに切れ味のいいドラムが見事にマッチした、ミディアムロックチューンだ。鬼気迫る展開でボルテージを上げ、3曲目 “ 白日 ” へと流れ込む。
疾走感のあるナンバーで、うねるようなベースラインが脳内で再生される感覚をイメージさせられるようなグルーヴでまくし立て、スモークに反射した煌びやかで幻想的な照明と緩急のある楽曲展開でオーディエンスを魅了する。筆者個人的にフェイバリットソングとなった。

「改めまして、Glaspainと言います。今日はありがとうございます、呼んでくれたvijon、Axith、ありがとうございました。僕らあと1曲、“ 夕暮れの街 ” をやって帰ります。今日はありがとうございました。」
という短いMCで拍手が起こる中、4曲目 “ 夕暮れの街 ” へと続く。楽曲のイメージ通り夕日を彷彿とさせる暖色系と夜をイメージさせる青い照明の中で奏でられるゆったりとしたバラードだ。梅山和幸の持ち味でもあるハイトーンボイスをグッと抑え、優しく語りかけるような、寄り添ってくれるように歌い上げる姿が印象的だった。

「夕暮れの街でふたり」というフレーズが耳に残る叙情的な楽曲で30分のステージを締めくくり
「ありがとうございました、Glaspainでした。」
という言葉とともにステージをあとにするGlaspain。

ギター1本をギターアンプとベースアンプに接続して低音をカバーし、打ち込みや同期といった他の音を一切使わないスタイルながら、ステージにいないはずのベースの存在が見えてくるようだった。
現在、Vo./Gt.の梅山和幸のみが正規メンバーで、ドラムはサポートとなっているもののふたりのアンサンブルは独自のグルーヴを生み出しており、このふたりだからこそ描き出せる特異点とも呼べる情景を見せてくれる。
スリーピースがバンドの最小単位と言われる中、さらに少ないツーピースという他に類を見ない編成をマイノリティとして確立している姿は、逆に自由に音楽を楽しんでいるように思えてならない。
MCを極力挟まず、曲間のインターバルも短くすることで曲とパフォーマンスに集中し、歌と音で観客に思いの丈を届けてくれる彼ら。
今後も新たな挑戦を続けながら、ツーピースという独自のスタイルを昇華させていくことを期待させてくれるバンドだ。
Vo./Gt.梅山和幸からのコメント

この日のバンドの中では少し浮いてたかもしれなかったですが、いつも通り全力で楽しめたなと思います。
こーいう思いがあって伝えたい!っていうバンドでは無いですが、曲のカッコ良さや、ツーピースのカッコ良さを伝えれたらなと思っていつもライブをしています。
まだ日程は未定ですが、3月中旬に企画をやる予定ですので興味がでたら是非遊びにきてみてください。
Glaspain/梅山和幸
SET LIST
<2020年11月4日/Please More DRINK!!!>
- 此処で
- fragment
- 白日(LIVE:https://youtu.be/YcMW-0wMl7Y)
- 夕暮れの街
アーティスト情報
(Text & Photo by 倉田 航仁郎)