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【ライブレポ】夕刊とキャラメル/溢れ出る感情で会場を飲み込む劇薬のような世界観

10月13日(火)に京都のライブハウス“京都MOJO”にて開催された、限定集客+配信ライブ「ザ・ひとめぼれ」ステエションズ編。関西を拠点に活動するバンド、ラッパーなど音楽性もジャンルも超えた多種多様なアーティストが結集した。今回は、そのライブに出演したバンド夕刊とキャラメルのライブをレポートする。

https://twitter.com/KYOTOMOJO

京都MOJOの新型コロナ対策

京都MOJOのエントランスに掲示されている、新型コロナウイルス感染対策

検温、消毒、転換時の換気はもとより、ステージ前2メートルは立ち入り禁止とするなど、徹底した対策が取られている。

詳しい対策については、京都MOJOの公式サイトに掲載されているのご確認いただければと思う。

物販コーナーには夕刊グッズが並ぶ

夕刊とキャラメルの物販コーナー:購入はこちら

音源はもちろん、缶バッジや歌詞がプリントされたライター、Tシャツなど、デザイナー芳乃あつ@atsuatsuyoshino )が手がけたものを中心とした夕刊とキャラメルグッズが充実している。

グッズはこちらからも購入可能だ。

ライブ前のコメント動画(@京都MOJO)

京都MOJOでは出演前にコメント動画が撮影されてTwitterで公開されるため、夕刊とキャラメルの動画をご紹介。

憂鬱は一番の原動力である

夕刊とキャラメル

緞帳が上がり、歪んだギターサウンドに乗せてゆったりと語るVo./Gt.わたぬきによる弾き語り“ クリシス ” で夕刊とキャラメルのライブがスタート。

朗々と歌い上げるのではなく、語りかけるようなフレーズとギターの音が見事にマッチし、会場の空気を夕刊色に染めていく。この曲は、1st.mini album『シャンデリアがゆれたとき』の1曲目にも収録されている。

そのまま2曲目 “ 吹き溜まり ” へと流れ込む。1曲目の流れを汲んだギターとボーカルのみのゆったりした雰囲気で始まり、途中からバンドが合流することで勢いを増すロックチューンだ。曲が終わり、

「大阪、夕刊とキャラメルです。今日はよろしくお願いします。」

という短い挨拶で拍手が起こる中、3曲目 “ あってない日々 ” へと続く。Vo./Gt.わたぬきインタビューでも「もっとも思い入れのある曲」と語っていた1曲だ。スローテンポからミディアムテンポへ、そして最後に激しく展開しつつも震えるように歌い上げる、力強くも切ない楽曲でオーディエンスの心を鷲掴みにしていく様子を肌で感じた。

優斗(Ba.)

ここでわたぬきが語り出す。

「改めまして、大阪から来ました夕刊とキャラメルです。今日はよろしくお願いします、と、ありがとうございます。ここにいる方は、多分みんな初めて夕刊とキャラメルを見ていただいていると思うんですが、明るい曲は基本的にやらないバンドです。憂鬱な気持ちにさせちゃってたらすいません(笑)。」

客席から笑いが起こる中、彼女の曲作りや原動力について言及していく。

「誰にでも嫌なことってあるじゃないですか。わたしの中でも今まで嫌なことっていっぱいあって。嫌なことがあったその季節のことが忘れれなくなって、来年のその季節がきたら思い出すというか、頭の中にずっとつきまとうんです。それで憂鬱な気持ちになったりするんですけど、わたしにとってそれは原動力で、一番の原動力が “ 憂鬱 ” だから、そんな曲ばっかり作ってます。だから好きじゃない人もいっぱいいると思うんですけど、その中でも好きになってくれる人がいたら嬉しいです。あと、残り3曲ですが最後までよろしくお願いします。」

ささやくようなMCで思いの丈を語り、それを聞き入る客席から拍手が起こる。

わたぬき(Vo./Gt.)

そして4曲目 “ シャングリラ ” が始まる。1st.mini album『シャンデリアがゆれたとき』の2曲目に収録されている楽曲で、疾走感と力強さが同居するロックチューンだ。アルバムタイトルにもなっている「シャンデリアがゆれたとき」というサビのフレーズが印象的な1曲となっている。

続く5曲目 “ 生活 ” 。「わたしらしく生きるなんて絶対無理だ」「それでも変わらず笑っている」という辛辣な歌詞が並ぶミディアムナンバーで、軽く歪んだギターの音色が心地よくもこうした歌詞と重なってその世界を可視化してくれているようだった。この歌詞を表現するためにこの音色を使っている、といったこだわりを感じることができ、その表現力の高さはさすがと言える。

やなぎ(Dr.sprt.)

「次で最後の曲です。今日はありがとうございました。」

という言葉の後、ラストソング “ 午前3時 ” がスタート。

https://youtu.be/pJLyF-Jl3Zw

ミュージックビデオにもなっている楽曲だが、やはりライブになるとその勢いやパワーが桁違いに上がる。ライブハウスの空気を揺らし、生音に乗せた想いを直接感じることができるからだ。切ない女心を歌いながらも、力強く繰り返される「きれいな昨日はどこ」というフレーズが胸の深くに突き刺さる。この曲はミュージックビデオの素晴らしさもさることながら、ぜひライブハウスで体感してほしいと思う。

こうして30分のステージは幕を下ろした。

一辺倒に駆け抜けるのではなく、さまざまなテンポや展開で聴くものの心を揺さぶりながら、わたぬきから溢れ出す劇薬にも似た痛烈な感情を無理強いすることなく観客に届けてくれる、まさに夕刊とキャラメルだからこそできるパフォーマンスは圧巻だった。MCで多くを語るのではなく、そうした楽曲で想いを伝え、心を掴み、共感を得るスタイルはこれからも多くの人に届くことだろう。

サポートメンバーを有したスリーピースバンドとはいえそのアンサンブルは見事なもので、今後の活躍に期待したいと思えるバンドである。

SET LIST

<2020年10月13日/限定集客+配信ライブ>

  1. クリシス
  2. 吹き溜まり
  3. あってない日々(LIVE:https://youtu.be/qd7sSmirIDw
  4. シャングリラ(LIVE:https://youtu.be/BUBSy-FMLsg
  5. 生活
  6. 午前3時(MV:https://youtu.be/pJLyF-Jl3Zw

アーティスト情報

(Text & Photo by 倉田 航仁郎

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