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【連載】パーティ日和/第9回

<毎週土曜日連載>

替えの効かないグルメ編集委員会

読者の皆様、今お腹は空いていないだろうか。空いているのだとしたら、空いているのに何らかの理由ですぐには食べられない状況にあるのだとしたら、今回のコラムは読まないほうがいいかもしれない。

なんたって今日は食の話なのだ。

人は食べることが好きである。体重や体調、懐具合などとのバランスに苦しみながらも食べる楽しみは人生の要といっても良い。今日も街には良い匂いが溢れ、夕方になるとローカル局が新店オープンの飲食店を紹介している。
タピオカとかからあげとかメロンパンだ生食パンだと食のトレンドに合わせワーっと新しい店が出来ては淘汰されていく。僕は手作りプリンの店をいくつ見てきただろうか。もうお腹いっぱいである。

ところが、そんな慌ただしい飲食店事情をものともしない店がある。僕が学生の頃から、場合によっては僕の両親が若い頃から美味しいものを提供し続けてくれている老舗食堂たち。その中でも選りすぐりの味と居心地と特徴を備えた店を指して、僕は(僕達は)「替えがきかん店」と呼んで勝手に応援している。いくつか紹介しよう。 

1.野咲

エビコロッケ
カツスパ

おわかりだろうか。エビコロッケはカニコロッケ的なクリームコロッケだがしっかりと練られた硬めの本体が濃い味付けで飯が進む。中毒的な味だ。カツスパの色を見よ。圧倒的ケチャップである。気取らない茶一色の逸品、古来より茶色は美味しい色なのである。
ここには野咲ランチという一日中やっているランチがある(?)。トンカツ、ミニエビコロッケ、ライスにサラダで500円。本気で潰れてしまわないか心配になるお値段である。2代目シェフが居るので、今後も安泰と思われる。

2.くいしんぼ(喰心坊)

ハムエッグ
オムライス

僕の家からすぐ近くにある定食屋。何を食っても安くて美味い。昼から4人で集まってかなり暴飲暴食をしたのに1人2000円くらいで済んでしまった。恐ろしい限りだ。夫婦できりもりしていてお母さんが調理担当だが、よく喧嘩している。USENなど音の無い店内なので初めは面食らうが、慣れると心地よいBGM代わりとなる。

3.ハンター

カツライス
ヤキメシ

今治市にある洋食屋、ハンター。ここのカツライスは絶品。なぜか煙臭いデミグラスソースに最初は戸惑うが、一度慣れてしまうと他のデミグラスソースでは物足りない身体になってしまう。やはり茶系統一色の飾らない盛り付けに食欲が止まらない。

いかがだっただろうか。華美な装飾もなければわざわざ「手作り」などと当たり前のことを大げさに書かない、虚勢を張っていない等身大の、見たことのある料理の数々。インスタでは映えないだろう。なんなら栄養バランスもイマイチだろう。飲食店コンサルタントの方が見たら卒倒するかもしれない。しかし沢山の人々の暮らしの中で、この店達は確かに輝いているのである。

我々は現在「愛媛替えの効かないグルメ編集委員会」という団体を立ち上げ、同人誌として頒布すべく少しずつ情報を集めている。読者の皆様におかれましては全国津々浦々さまざまな土地の替えがきかん店情報を是非、僕の方まで送って欲しい。
ゆくゆくは全国的な規模で替えがきかん店を応援できたら、僕らの暮らしはもっと豊かになるはずだ。確かな価値を求めて、今日も僕の胃袋は音を鳴らしているのだった。

ライブハウス『松山サロンキティ』店長/武花 正太

プロフィール

武花 正太

愛媛県松山市のライブハウス

松山サロンキティ』店長

Twitter:@take87syouta

音楽、アニメ、旅、鉄道、廃墟、階段など、引っ掛かりを覚えた物を節操なく取り込んだボーダーレスなライフスタイルは国内外を問わず広く呆れられている。

自身のバンド「MILDS」では作詞作曲、歌、ギター、ピアノを雰囲気でこなし、さまざまな現場でベースを弾く。

DJとしても活動しており、主な得物はなんとアニソンである。

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