【連載】新田概論(仮)/第9回
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<毎週木曜日連載>
ホンマは本間じゃないよ
新田概論第9回です。
もうすぐ10回を迎える訳ですが、文章を書くことってすごく難しいなぁと思いました。
長い文章になればなる程、伝えたいことが湾曲して捉えられることもあるし、短ければ言葉足らずになることもある。
当たり前のことなんですけど、言葉を操る生き物に生まれて、うまく使いこなすことができる人達は本当に尊敬します。
今回はそんな言葉のお話なんですけど、ちゃんとした日本語使うのが正解なのかどうかって話をしていきたいと思います。
僕はマンガがとても好きなのですが、元々は小説を読むのもすごく好きです。
夏目漱石のこころを読んだことで小説にめちゃくちゃハマったこともあって、近代日本文学がとても好きです。(新しく始まったネコレクション愁人くんの連載でも、芥川龍之介が好きとおっしゃってましたね)
好きな理由はいろいろあるのですが、そのひとつに日本語表現の仕方というものがあります。
例えば現代では、タバコは『吸う』と表現するのが一般的ですが、大正くらいまでは『呑む』というのが一般的だったみたいです。
タバコを呑む。
カッコよくないですか??
タバコを嗜むってのも趣きがあって良いですが、呑むの方がカッコよくないですか??
なんかね、こう、大人な響きというか。
色気があるというか。
ちなみに『飲む』と『呑む』の違いなんですが、諸説あるようで
飲むは液体に使う言葉で
呑むの方は固体だとか、条件を呑む、涙を呑むに使う言葉だそうです。
だから僕らの世代が大学生の頃、SNSで使われていた『今日はいつメンと呑み〜♪』みたいなのは間違ってる訳ですね。
そういえば、いつメンとかも今や余裕で死語らしいです。そうして人はおじさんになっていく訳ですよ。
話を戻しますが、大正時代であるおおよそ100年前はタバコは呑むものだった訳ですが、いつの間にか吸うが一般的になっています。
こんな言葉たちが、今、実はたくさんあります。
例えば『重複』
なんて読みますか?
続いて『早急』
こちらは?
これはそれぞれ、『ちょうふく』『さっきゅう』が正しい読み方です。
『じゅうふく』『そうきゅう』と読んでた方いらっしゃいませんか?
何年か前までは、僕は日本語をちゃんと使おう!!っていうタイプの人間だったんですが、今はなんと広辞苑に『じゅうふく』と『そうきゅう』も読み方に書いてあるんですよ!!
それを聞いた時に何故か悔しくなったんですが、言葉のもつ特性を考えれば、何もおかしい話ではないなと最近は思っています。
言葉は、その言葉を使う者同士が、正しく意味を理解して、意図を伝えることが出来れば問題ないですよね?
だからタバコを呑むと書こうが、吸うと書こうが、喫煙しているという意味が分かれば問題無いし、
『ちょうふく』だろうが『じゅうふく』だろうが、これとこれが被ってるよって意味が分かれば問題無いし、
『さっきゅう』だろうが『そうきゅう』だろうが、急ぐって分かれば問題ない訳です。
やっぱり悔しかったり、寂しかったりする気持ちはどこかにありますが、元を正せば漢字だけだったものに片仮名や、平仮名が生まれていますし
機械の発達が目まぐるしく、昔の人々が夢見たSFのような技術が次々に生まれてくる現代も、言葉は使う人によって変わっていくんだと思うと、
昔から繰り返してきた人々の営みを感じれる気がして、少し感慨深くもあります。
いつの時代も、若者が文化を作ってるということですね。
僕も時代を作る若者であり続けようと思います。
ここからは番外編ですが、Twitterで見かけた間違えた日本語をいくつか紹介します。
①延々と→永遠と
延々とは『非常に長いありさま』ですが、永遠となると話変わりますね。
終わらないですからね。
延々と作業するのは出来ても、永遠と作業してたら死にますからね。
賽の河原かよ。
②汚名挽回
これはありがちですよね。
名誉挽回と汚名返上って言葉がね。
合体しちゃったね。
挽回には元の状態に戻すという意味がありますので、汚名を取り戻すってことになります。
元ヤンが更生したのに、また悪いことしたりしたときは使えるかもしれません。
③演奏しづらい→演奏しずらい
動詞+辛いで、『〜するのが難しい』って意味です。
辛いは『つらい』ですので、『ずらい』は間違い。
この間違い多いですよね。すらい。
Sly & The Family Stone。
言葉は時代と共に変わっていきますが、正しい日本語を使うことも大切なことなので、良かったら小説などの活字を読んでみるのもオススメです。
あとタイトルにしてる『ホンマは本間じゃないよ』なんですけど、関西弁の『本当に』を意味する『ホンマ』のことです。
漢字に直すと『本真』が正解らしいですね。
今回のお話いかがでしたか?
100年後、日本人はどんな言葉を使うようになるのか、楽しみですね。
素晴らしいとか、カッコいいを『ヤバい』って表現するとは100年前は、誰も思わなかったでしょうしね。
ほんの小さなことですが、未来を楽しみにして生きれてるので、僕はマジでヤバいくらい幸せです。
Dr.FOOL/新田