【ライブレポ】bootleg verrolls/静と動のコントラストが秀逸な鬼気迫るパフォーマンス

全国5ヶ所のライブハウスを同時中継するマルチストリーミングライブ「GOOD PLACE」が9/5(土)に開催された。
今回会場となるライブハウスは、北海道の苫小牧、新宿LOFT、大阪Pangea、ELLECUBE、愛媛の松山サロンキティ、沖縄の桜坂セントラル。
今回はその中から愛媛のライブハウス、松山サロンキティから参戦したbootleg verrollsのライブをレポートする。
情動的な轟音に乗せた心の闇を暴き出す

Dr.溝渕 智子のタイトなドラムビートに融合するようにベースが共鳴し、bootleg verrollsのステージが幕を開ける。
「愛媛県松山市からきましたbootleg verrollsです、よろしくお願いします」
そうして始まった1曲目“ラジオ”。
歪んだギターに、コード弾きやハイトーンを多用したベースが印象的な楽曲で、静かに火力を増していく。
続く2曲目は、ミディアムテンポでありながら迫るような熱量を感じる“拝聴願い”。
ベースラインがとても魅力的だ。

間髪入れずにベースの和音とドラムのシンバル回しが奏でる間奏へと流れ込み、ギターがインして始まった3曲目“泥亀”。
突然見舞われた機材トラブルにも焦ることなくその事象すらも飲み込んでしまうあたり、経験値の高さを感じさせる。静かな入りからサビや間奏で燃え上がる、光と闇の対比が印象的な1曲だ。
流れ込むように、ブルージーな雰囲気をまとった4曲目“暮らしの果て”につなぐ。

サビの盛り上がりでは鳥肌が立つほどのロックを感じる。ところどころカメラの向こうにいる大勢のファンへのパフォーマンスを入れつつも、一切のMCを挟まずに演奏に徹する姿は実に惚れ惚れする演出である。
暗転の中、Ba.曽我美 拓海が奏でるコード弾きのフレーズが響き、ギターのアルペジオが合流し、Vo./Gt.佐々木 優大からの
「愛媛県松山市、bootleg verrollsでした、ありがとうございました」
という一言とともにラストソング“確信”へと続く。

MVにもなっているこの曲で、5曲という短い時間の中で積み上げたボルテージを一気に解放するように叫び、アウトロではVo./Gt.佐々木 優大がギターを弾きながらステージに倒れこみながら終演となった。
バンドを引っ張る推進力としての存在感を発揮する重厚なギターボーカルに、自由でいてしっかりとボトムの役割を担う奔放なベース、この2人を寡黙かつパワフルに支える安定感抜群でパンチのあるドラム。

それぞれの立ち位置と個性を余すことなく発揮しながら融合している姿は、スリーピースであることのメリットを最大限に生かしているように感じた。この3人だからこそできる、この3人でなければできないカタチ。それがbootleg verrollsというバンドなのだろう。

今回は配信ライブということでMCを極力排除したセットリストだったため、生で見たときのライブ感やMCなどを体感したいと感じる余白のような、彼らの持つミステリアスな部分を前面に感じさせてくれたbootleg verrolls。
「普段のライブはどんな雰囲気なのだろう」
「もっといろいろな曲をライブで見てみたい」
こうした好奇心を煽られたのは、筆者だけではないはずだ。
今回の配信ライブで、日本全国のコアな音楽ファンが彼らの音楽に触れることができたことだろう。こうしてbootleg verrollsの新たな世界が広がり、活動圏を愛媛県を中心として日本全国に広がって行ってくれることを切に願う。
メンバーからのコメント
Gt./Vo.佐々木優大
思い通りにいかないことばかりの人生です。 それでも足掻くことに意味があるはず、とここまで頑張って来ました。 配信ライブは新たな挑戦。精一杯足掻いたブートレッグベロルズの姿に、何かを感じて頂けますと幸いです。
Ba.曽我美拓海
ライブハウスはバンドマンが間違いなく一番輝ける場所。どんな形であろうとステージにまた戻って来れたのが嬉しくてたまらない。この喜びが絶えることがないように、そして画面越しで見ていただいた皆様にまた会えますように。
Dr./Cho.溝渕智子
GOOD PLACE、ありがとうございました。 配信ライブ、楽しかったです。緊張感と焦燥感満載でお届け出来たかと。また機会があればよろしくお願いします。
SET LIST
<2020年9月5日/配信ライブ>
- ラジオ
- 拝聴願い
- 泥亀(Live:https://youtu.be/VEU5VN7OobM)
- 暮らしの果て
- 確信(MV:https://youtu.be/TVSzZXxAB34)
アーティスト情報
bootleg verrollsの概要やオフィシャルサイト、ディスコグラフィーなどの情報は、以下の記事で解説している。
(Photo & Text by 倉田航仁郎)