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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第5回

<毎週日曜日連載>

良い音を出すために:その1

おはようございます。ファイアーループの足立です。

そろそろ僕の与太話にも飽きてきたころかと思うんですが、構わず続けますよ与太話。でもね、みなさん忙しいじゃないですか。僕だいたいこのコラムは2000字くらいを目安に書いてるんですが、読むのにどれくらいかかります?5分くらいですか?え、1分。すげえな!おれ自分の文でも読み返すのに10分かかるんだ。10分あったら何ができますか?軽く1曲できてしまいますね!それくらいの時間をみなさまから奪う以上は、少なくともソシャゲなんとなく10分やるよりいい時間であってほしいです。

みなさま僕のコラムをお読みになるときに何を期待して読むのでしょうか。

僕はPAをやっていて音のことはまあまあ詳しいです。あとコーナンのどこに何が置いているか店員さんの次くらいに知ってるって感じで、あとは大した事を知らないですね。人より特別ヘンテコな環境に身を置いた経験もないですし、いやあ何を期待されているのかと問えば、きっと音の話なんでしょう。

なので、今回からちょっと趣を変えて、音のマニアックなお話でもしていこうかと思っております。

「良い音」ってなんでしょうか?

いきなり攻めすぎですか?しかしながら僕は19年、もっと言えばライブハウスで働くずーっと前からそれについてはウンウン考えてながら生きてきた側の人なので、そんじょそこらの人より深いですよ?だから、今からすんごい当てずっぽうで物を書くんですがたぶん良いことを書きます。どんなコラムになるか僕も楽しみです。

僕が「良い音」を意識しだしたのはおそらく9歳でした。

ファミコンのディスクシステムで「ゼルダの伝説」が発売された年ですね。僕の家にはファミコンが無かったので友達の家でファミコンしてたんですが、彼が手に入れた「ディスクシステム」と同時発売の「元祖ゼルダの伝説」これが本当に凄かった。オープニングがまず凄かったんです。音が分厚い!!しかもなんかゆらゆらしてる?情緒に溢れている!?今でもリアルにあの質感を思い出します。よかったらYouTubeとかで「ゼルダの伝説 op」って調べてみてください。太くて揺れているでしょう?いま聴いてもいいですねぇ

後から知ったのですがディスクシステムにはFM音源というヤツが標準装備されていて、なんかそいつは「ノンディスクシステムの裸ファミコン」の音源である「PSG音源3音+1ノイズ」に1音加えてとにかく良い音が出せるんですよ。で、PSG音源では難しかったビブラートも簡単に使えるようになったのだとか。凄いですね!っていうか、言えば言うほど僕の知識の浅さをどんどん露呈していますね。いやいいんです。詳しいことはウィキペディアで調べたらなんぼでも出てくるんですから覚えてなくてもいいんです。このさき僕がFM音源使って凝った音楽を作ることもなさそうなので、記事としてはこれでいいんです。続けましょう。

そこでゲーム音楽の「音源スペック」というモノに触れた僕が次に求めたのは「打ち込み音源の音の良さ」でした。母親が音楽の先生で、ちょっとパソコン好き、みたいな感じで打ち込みをやっていたんです。それを触らせてもらって真っ先に思ったのが「ピアノって書いてるけどピアノの音に聞こえねえ~!バイオリンって書いてるけどぜんぜんバイオリンじゃねえ~~」でした。当時の音源モジュールはCM-32LというなんともOA機器なやつ。

(Google画像検索タイム:CM-32L

いいですねレトロで。これは「LA音源」っていう「音の出始めだけサンプリングを使って、そのあとはFM音源とかで伸ばして、リアルだけどデータは小さくしたかった」っていう当時センセーショナルな技術だったんですよ。でも、ズブの素人の僕(13)は「ピアノの音に聞こえねえ~」ってぼやいていたわけですな。「とんでもなく音の悪い機械」という認識だったわけです。怖いですね素人。なんにも知らないくせに目や耳だけはいっちょまえに肥えていやがる。

しかしながら、こいつを使ってパソコンゲームをするとまじですごい。本当にすごい音楽がこれから鳴るんですよ。ウルフチームの斬Ⅱ、マジで最高でした。ありがとうウルフチーム。なんで?CM-32Lこんなに音悪いのに?ぜんぜん「ピアノ」がピアノに聞こえないくらいアカンのに?めっちゃ良い音だ!!

ここでガキの僕が思ったことを書くと、「これに入ってる良い音だけ選んで作ってるんだろうな」「あー、ミュー次郎(当時のシーケンスソフト)では使えない音も入ってるもんな」「なんか裏技とかあるんやろか」とかそんな程度でした。やはりガキは浅知恵。浅知恵というほかない。

で、この「少年にとってとんでもなく音が悪い」から「PCM音源じゃないからだァ!ニセモノのPCM音源に死を!!」みたいになって、高校生になってようやく手に入れたのがこれ。SC-55mk2です。うおおおおーーっ憧れのPCM音源!!!!!

(Google画像検索タイム:SC-55mk2

うう~ん、かっこいいですね!これさえあればなんでもできそうな、世界を音楽で救えそうな、たいへん頼もしい見た目です。

音色もCM-32Lよりはるかにたくさん入ってるし、パラメーターもハードウェア側からいじれるし、なによりちゃんとしたサンプリング音源ですよ!PCMですよP・C・M!本物の音をサンプリングした、PCM音源様ですよお!!それが同時に16パート、同時発音数28音ですよあなた!スーパーファミコンはPCM同時発音8音ですからね!?これはとんでもない良い音が出るに決まってます。スーパーファミコンよりいい音が出るってことは、え、アクトレイザーよりスゴイ音が簡単に出せるってことだよね!?ウッヒョーー!!!まじで、夢のアイテムきたこれ

はい。お察しの通りかもしれませんが全然ダメでした。

いや、これは全く、1ミリたりともSC-55mk2をディスってる話ではないですよ?

「良い音ってなんぞや」のお話です。

音源モジュールをSC-55mk2に差し替えたらどんなに素晴らしい音で聴けるのかとワクワクしながら作ったCM-32Lでの音楽、どいつもこいつもスッカスカのペランペラン、うん確かにピアノの音はすごくリアルにピアノの音だ。ペランペラン?(笑)ツルッツルの淀みなき音、何の魅力もない音。え、どうなってんのこれ?壊れてんの?もしかして不良品?おかしくない??なんでなんで、あれ、これは涙か。ちょっと泣きそう、こんなに楽しみにしてたのに。今思い出してもちょっと泣きそうです。OK、「良い音」ってつまりそういうことじゃないんだよ。と、高1の自分に教えてあげたいですね。

この現象はカセットのアナログMTR(つまり録音機)からハードディスクのデジタルMTRに買い替えた時にもありました。カセットってね、めちゃめちゃ音が曇るんですよ。若い人は知らないでしょうが、カセットは本当に音が悪い。で、突然そこに「PCMでデジタル録音できて、巻き戻しも一瞬、エフェクトも色々かけられるぞ!コンプもな!しかもだ、8トラック録音できるんだぞ!でやあ!!」なものっっすごいやつが発売されたんですよ。これは買うしかない!!!!!

(Google画像検索タイム:VS880

毎度おなじみ、VS880だあーっ!!

大フィーバー!!超ヒット商品!!デジタルMTR時代の、幕開けですよ!ま・く・あ・け!!!!!

はい。もう想像つきますね。ぜんぜんダメでした。

いやいや違うんですよ。違う。ぜんぜんダメなのは当時の僕です。

なんで機械が良くなったら音楽が良くなるって勘違いしてしまうんだろう?8トラックから16トラックになっては歓喜し、同時発音数が64音になっては歓喜し、アナログモデリングで歓喜し、気付いたら音楽はそっちのけで部屋はシンセやらなんやらの「音の出る機械」だらけ、ぜんぜん曲を作る気にもならないのにずーっと音ばっかりいじっている「よくわからない人」として調子に乗っていたのが22、3歳。これはまずいですね。

良い音ってなんでしょうか?

ここまでぐだぐだやってきたうえで、一言で答えましょう。それは

「音楽的な総合力」

です。

全てが全てに関係しあって初めて「良い音だな」と思える音を聴かせることができるんです。

音色だけ頑張ってもダメだぞ?残念でした!

うまくないと良い音は出ない!!

思わず3000字超えてしまったのでひとまずはおしまいです。

また掘っていきますのでお楽しみに!ではでは。

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志

プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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