【ライブレポ(動画あり)】Lucia/圧倒的な歌唱力で魅せる圧巻のパフォーマンス

8月1日(土)に京都西院のライブハウス“GATTACA”にて開催された、限定集客+無料配信ライブ “ Lucia presents Unseen to The World Vol.9 ” 。今回は、このライブの主催者であり、トリを飾った男女混成4人組バンドLuciaのライブをレポートする。
徹底した新型コロナウイルス対策
“GATTACA”では、新型コロナウイルス感染拡大の対策として以下のような対策を実施している。

上記の他にもバンドの転換時間も長めに取り、待合室の窓も開けた状態で大型扇風機を使って換気を実施したり、入場者数の制限で20人に限定されていたりするなど、徹底している。
今回のイベントも、上記のガイドラインに則って開催された。
みんなでこの幸せな場所(ライブハウス)守っていこう

18時オープン、18時30分スタートだったライブのトリとして登場したライブ主催者Lucia。SEが流れる暗転の中セッティングが完了し、歪んだギターの音が響き渡り、ライブの開催を告げる。
そうして始まった1曲目、“ Starting Over ” 。
静かなAメロBメロで溜めた勢いをサビで解放するミディアムテンポのロックナンバーで、会場の空気を一気にLucia色に染めあげる。
1曲目が終わり、ボーカルギターの三野雅明が語り出す。
「Lucia presents Unseen to The World Vol.9、楽しんでますか?イベント、できてよかったっすね。なんか……1曲目歌い始めてすぐ泣きそうになった。」
「今かいな!(笑)」「早っ!(笑)」
というツッコミがメンバーから上がる中、
「いろいろあると思いますが、今日という日を楽しんで帰ってもらえたら嬉しいです!」
と続いて始まった2曲目 “ Sign Post ”は疾走感のあるロックチューンだ。

間髪入れずに3曲目 “ Sky high ” へと続く。
浮遊感のあるギターが気持ちよく、5弦ベースのグルーヴやドラムのビートが見事にマッチした1曲となっており、MCから続くこの2曲でバンド全体のテンションがどんどん登りつめていくのを全身で感じた。
ここでギターの伊藤紘幸から溢れる想いが紡がれる。
「いやー、会いたかったな。配信も見てもらってるんかな?ホントにありがとうございます!なんか、いろいろみんな大変でしょ?生きづらいというか苦しいというか。何やってもみんなが納得してくれない状況。正解がわからない中で進む状況。今日もすごい不安でした。正しいかどうか正直わからん。でもこうやってステージ立ててることっていうのは幸せに思えてるし、その気持ちに同意してくれたバンドマンがいてくれてることもすごく幸せに思うし、なにより、こうして来てくれたお客さん、ホントにありがとうございます!」
今回、“ Unseen to The World ” としては初のSold Outとなったことも重なって、喜びと感謝の気持ちが語られた。

「キャリアの中で何度かSold Outは経験してるんですが、改めて数じゃないなって思いました。気持ちだなって思いました。今日僕らが出るまでに、出てくれた4バンドみんなの気持ち、そして見てくれてる皆さんの気持ちをすごい受け取りました。そんな気持ちが僕らに元気や勇気を与えてくれてて、ホントに、ホントにありがとう。こうしてステージに立てたことは、ホントにみんなのおかげです。ありがとう。ってなんか、ありがとうばっかりやな(笑)。でもホントにありがとうございます。」
ここから
「今日やれてよかったと思います。憑き物が取れたというか、前回のライブから7ヶ月。コロナ鬱になって辞めるって言い出したボーカル三野雅明がいたり、僕も、こんなイベントやる意味ないわ!って言ったりしてたけど、今日やれてよかったです。ごめんな、実はそんなことになっててん(笑)」
そうやって苦しんだ時期を今、みんなで笑い飛ばせるのも、今日のこの日にステージに立ち、ファンが見守る前で演奏できている幸せな時間を共有できているからこそだろう。
「みなさんがいないとこんな幸せな時間になってません。わずかな時間ですが、最後まで楽しんでいきましょう!お願いします!」
この日のライブは、基本的には座っての観覧となっていたがここでボーカル三野からファンに向けて
「残り2曲は盛り上がっていきたいんでね、その場所から動いたらダメですけど、みなさん立ってみませんか?」
この提案により、ファンは全員スタンディングとなり、4曲目 “ Glory days ” へと続く。

爽やかなロックチューンで、サビにはファンも全員で拳を高く突き上げ、手拍子をするなど、会場の一体感を高めてラストソングに向けてボルテージを上げる。
そしてラストソング、“ Say goodbye Hello ”へと流れ込む。
ここまでの流れと勢いを集約し、全てをぶつけるように演奏される姿に触発され、会場にいた全員が身体を揺らす。
「今日は本当にありがとうございました!最高の一夜でした!コロナなんて早くなくなればいいのに!」
曲の最後にボーカル三野が叫んだこの言葉に全ての想いが込められているのだろう。演者として、そしてひとりの人間として溢れ出した想いに、胸が締め付けられるようだった。

1日も早くこれまでのような日常が戻ることを願って止まない。そんな気持ちを共有して、Luciaはステージを後にする。
鳴り止まぬアンコールに応えて再登場するLucia。
予定調和的なアンコールは想定していなかったため、ステージに上がってから演奏曲を決めるメンバーの横で、ギター伊藤から「言い忘れてた!」ということで伝えられた言葉は、バンドマンとしてライブハウスを守りたい。そんな強い想いを感じさせてくれるものだった。
「ライブハウス、バンドマン、来てくれてるみんなもそうやと思うけど、一生懸命考えてやってるし、僕はバンドマンとしてこうしてステージに立ってる。だからバンドマンの立場として気持ちを言わせてもらう。みんなその中でもがいて一生懸命やってるから、いろんな状況あると思う。今日も状況が難しくて来れへんかった人もいる。それはしょうがない。誰も間違ってない。でもくだらん迫害とかやめてくれ。それはもう、マジで思うから。応援して、みんなでこの幸せな場所(ライブハウス)守っていこうよ。またどっかで会えたら、笑顔でこの場所(ライブハウス)、あってよかったなって笑い合えて、あのときはこうやったねって。フェイスシールドして、2m離れて、ソーシャルディスタンスして、一生懸命やったよなって、そんな思い出話に花咲かせようよ。」
こうした想いを受けて演奏されたアンコール曲は、2曲目にやった “ Sign Post ” の再演となった。
勢いがあり、次への繋がりを感じさせてくれる1曲でLucia主催のライブ “ Lucia presents Unseen to The World Vol.9 ” は幕を下ろした。

圧倒的な歌唱力とキャッチーで疾走感のある楽曲、そして熱い想いを届けてくれるMCで観客を魅了するLucia。背伸びせず、どこか等身大で寄り添ってくれるようなメンバーの雰囲気は親しみやすく、そうした魅力が多くのファンを惹きつけるのだろう。新型コロナウイルスの影響でコンスタントにライブができる状況ではないにせよ、今後も勢力的に活動していってくれることを心から祈っている。
SET LIST
<2020年8月1 日/限定集客+無料配信ライブ>
- Starting Over(MV:https://youtu.be/n_a7PCkdw_U)
- Sign Post(MV:https://youtu.be/GiI3MYf6Xfw)
- Sky high
- Glory days
- Say goodbye Hello
ーencoreー
・Sign Post(MV:https://youtu.be/GiI3MYf6Xfw)
コメント動画
LIVE動画(アーカイブ)
Luciaの出演シーンは、3:03:18〜。
アーティスト情報
(Photo & Text by 倉田航仁郎)