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【連載】パーティ日和/第4回

<毎週土曜日連載>

パーティ入門

新型コロナウイルスもまだまだ猛威を振るう中、僕はDJパーティを再開した。

ライブハウスの店長、バンドマンとしてだけでなくDJとしても活動する僕はこの「DJパーティ」というやつがとても好きだ。

まず基本的にずっと音が鳴っているから退屈しないし、薄暗いから余計なものを見なくて済むし、多少酩酊しても浮かないし、無理に人と喋らなくて良いので他所の土地で知らん店に1人で行っても気が楽なのである。

地元のパーティなんかだといっつも居るお客さんやDJさん達と仲良くなったりしてそれだけで楽しみの幅が広がるし、そのパーティの「いつもの流れ」を知るとゲストのプレイが新鮮に感じられたりいい意味での予定調和なんかに混ざれたりしてすごく酒がうまい。

気になる異性が来るパーティなんかに行くなら服の一着も新調してビシッとキメて行こう。

新しい服は気持ちを持ち上げてくれるし日常からの脱却に一役買ってくれる。

新しい自分、てやつだ。

パーティによっては簡単なドレスコードがあったりジャンル固有のファッションてもんがあったりする。

ライブキッズ達がラババン大量に巻いてたり好きなバンドT着てたりタオルを首に巻いてたりするのと同じだ。

おしゃれするならそのあたりもしっかり吟味しよう。

クラブのスケジュール見ると、日ごとにジャンルが書いてあったりして実は一見さんにも広く扉が開かれているのがわかると思う。

僕が関わったクラブでのイベント。

「ALL MIX/FREE STYLE」のところが「HOUSE」だったり「TECHNO」「DUB/REGGAE」だったりするよ

こういう話をクラブ行ったことない人に伝えるとよく「DJって見てても何がすごいのかわかんない」という人に出くわすんだけど、見なくて良いのだ。

色々オーディエンスに向けてパフォーマンスしてくれるDJさんも居るけど彼らの仕事は選曲。

鳴ってる音を聴いて好きに楽しめば良い。

僕だってマニアでもないし音楽評論家でも研究家でもないので知識なんか無いし、かかってる曲のことすらほとんど知らんし、お酒飲めなくても良いし、無理にパリピみたいなことしなくて良いし、何時に来て何時に帰っても良いし、ダサい服着てても誰もバカにしないし(清潔感は大事)、1人で居ても仲間と居ても良い。

とてもオープンマインドなのがクラブの良いところだ。

「好きに楽しんで良いよ」って言われても何したら良いのかわからんし楽しくないって人は、まず音楽に身を任せてみたらどうかな。

たとえば「House」とか書いてあるパーティに行ってみて、キックに合わせて体揺らしながら間で鳴ってるいろんな音を感じてるとリズムが体に染み込んでくるよ。

譜割りを意識してみて…キックとハイハットだけだったものに少しずつ他の音が増えて、減って、どんどん景色が変化していくとやがてふわーっと空気が持ち上がって放り投げられて、そのあとにドロップ(サビみたいなもん)がやってくる。

視界が急激に広がって、フロアに歓声が上がる。気がつくとグラスが空になっている。

すごいなあ音楽は。

人間の本能なんだよね。だから何も難しくなんかない。

ずーっと踊り続ける体力なんてないから疲れたらバーカウンターに下がってお酒をもう一杯注文して、隣にいるお兄ちゃんやお姉ちゃんと目があったらニコッと笑おう。そのときクラブが居心地のいい場所だと感じられたら、君はもう立派なミュージックラバーだ。

とまあ長々と書いてきたけど、僕が自分の店でやっているのはもっともっとイージーでミーハーなやつである。

自分が店のブッカーに就任したときには、もう土地にしっかりとクラブシーンが根付いていた。

脈々と紡がれてきた歴史に新人が軽々と首を突っ込むもんではないので、違う何かを探した。

アニソンである。

僕の主催するパーティのひとつ「Enough!!」

幸いなことに僕は中学生以来かなりのアニメ好きであったので、ライバルの少ないアニソンクラブイベントはすぐに着手できた。

これはもうアレである、クラブイベントという形だけを拝借したオタクパーティだ。

アニソンDJなんてほとんど居なかったのでまずは先輩にご挨拶をして協力を仰ぎ、自分がそのアニソンDJとなり、仲の良い奴にも声をかけて無理やりDJに仕立て上げ、とにかくやるぞ俺はパーティをお前達と!と息巻いて準備もそこそこに始めてしまった。

するとかかっている曲が割とディープなアニソンでDJもお客もアニメ好き、中にはわかりやすくオタクな人も混じっていてこれは…といった絵面ではあったがそれはそれで立派なパーティとなった。

当日に合わせてコスプレ準備したり、友達誘ったり、ちょっと最近のヒットしたアニソン掘っておいたりして当日はビシッとキメて会場で思い思いに楽しむ、って前述したパーティの楽しみ方そのものであったからだ。

ジャンルが変わっても人が集まって同じ時間を過ごす、ということはとても楽しいのである。

これからもぼくはDJとして、オーガナイザーとしてパーティを続けていくだろう。

はやく感染症が収束して、元どおり人が集まれる日が来る事を願っている。

ライブハウス『松山サロンキティ』店長/武花 正太

プロフィール

武花 正太

愛媛県松山市のライブハウス

松山サロンキティ』店長

Twitter:@take87syouta

音楽、アニメ、旅、鉄道、廃墟、階段など、引っ掛かりを覚えた物を節操なく取り込んだボーダーレスなライフスタイルは国内外を問わず広く呆れられている。

自身のバンド「MILDS」では作詞作曲、歌、ギター、ピアノを雰囲気でこなし、さまざまな現場でベースを弾く。

DJとしても活動しており、主な得物はなんとアニソンである。

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