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【連載】白航・了の名盤紹介「見た目が良ければ中身もいい」/第8回

<隔週木曜日連載>

白航/今日の1曲

https://youtu.be/K2h6MRTaS7U




DEAD END – shambara (1988)

読者の皆様、こんにちは。白航の了です。
いかがお過ごしでしょうか。

最近になって、10代の頃からずっと聞いていたDEAD END熱が再燃。
というのも、2020年に亡くなってしまったこのバンドのギタリスト、足立祐二(YOU)の三回忌追悼ライブが先日行われ、筆者はその配信を観ていたから、という至極単純な理由である。

DEAD ENDというロックバンドについて語ろうとすると、どうにもタイピングするスピードが速くなってしまう。
このバンドが20年ぶりに復活を遂げる、というニュースが入ってきたのがまだ筆者が10代の頃。

80年代の、それもHR/HM系に分類される音楽など全く聞いたことのなかった筆者にとって、当時の最新作「METAMORPHOSIS」(2009)と、ほぼ同時にリマスターで再発された1st「DEAD LINE」(1986)を同時に聞いた、というか「喰らった」時の衝撃たるや、いまだに筆舌に尽くし難いところであるし、そのクオリティの高さと、後世に与えた影響力のようなものを、微力ながら1ファンの僕の筆でオモテに発表しなければならないというような、うっすらとした義務感を勝手に持っていたのもまた事実である。

前述のアルバム2枚に対して、というか全アルバムに対しての感想文のようなものなどひたすら書けてしまうので、今回は彼らの3rdアルバム「shambara」に絞って、想いをつらつらと綴っていくことにする。
何故ならば、このアルバムが80年代におけるこのバンドの一つの「到達点」のような気がしていて、曲調や音のバリエーション、曲順、果てはアー写に至るまで、筆者のバンドにおける「理想」を構成する大きな要素を強く感じさせる恐ろしい程の完成度を、リマスター版のCDを聞いた当時10代の筆者が感じたから、というのが理由である。まあこれを語り合える同年代の友達など一人もいなかったのだが・・・
(くれぐれも、このアルバムが1番だ、という話ではないことを付け加えておく)

DEAD ENDについて

1984年結成。結成当時はMORRIE(vo)、Cool-Joe(ba)を含む4人体制。
先述の1st「DEAD LINE」をレコーディング中に前任のギタリストが脱退、別のバンドに在籍していたYOUが、ギターのバッキングがほぼ完成されていたこのアルバムのギターソロを、ほぼ1回聞いただけでやってのける、という離れ技を披露し、めでたく(?)DEAD ENDへの加入が決定する。
1987年にメジャーデビュー(それに伴ってドラムのMINATOが加入。現在では奥田民生などのバックで演奏している湊雅史。彼のTHE FIRST TAKEなどでもその勇姿が確認できる )。その翌年に発表されたのがこの「shambara」である。

M1「Embryo Burning」の衝撃的なイントロから、当時の所謂「ヘビメタ」バンドとは既に一線を画しているのが感じられるはず。
「胎児が燃える」なんて言葉はそうそう使われなかっただろうし、それゆえ一見グロテスクなバンドのように思えるが、各メンバーの演奏力の高さから、スタイリッシュな印象すら持ってしまう。
プロデューサーの岡野ハジメ氏の手腕が発揮されたのもこのアルバムから。のちのL’Arc〜en〜Cielでの活躍は有名である。

他にも、ベースソロが炸裂するM3「NIGHT SONG」、ギターソロの美しさが群を抜いているM6「LUNA MADNESS」など、曲のバリエーション、曲順ともに完璧。ラストのM10「I can hear the rain」で壮大な終わりを迎えるまで、全く視聴者を飽きさせない構成は見事という他ない。

2009年に発売されたリマスターも非常に良好で、流麗なアルペジオや鋭いバスドラム、地を這うようなベースも全てがクリアに聞こえ、各プレイヤーのレベルの高さをヒシヒシと感じることができる。

ボーカル・MORRIEのカリスマ性、各メンバーの個性の強さ、ルーツの違い…向いている方向がバラバラだからこそ、いわゆる「バンド・マジック」が起こりうる(それ故か、バンド自体は1990年1月に活動を終えてしまった。)と言うことを、10代の頃からこのバンドに思い知らされ、それは僕の現在の活動の基盤となっている。

これ以上は言葉で語るのも無粋なので、ぜひ音源(とライブ映像)を爆音で聴いていただきたい。
いかにこのバンドが「先進的」であったか、その片鱗だけでも感じていただけると幸いである。

https://youtu.be/nInNBvuMuyE
https://youtu.be/uV76awtQloM

白航/了(Ba.)




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