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【連載】白航・了の名盤紹介「見た目が良ければ中身もいい」/第7回

<隔週木曜日連載>

白航/今日の1曲

https://youtu.be/6BmCulum9K8




白季千加子 – P.M.6:35 AUTUMN (1980)

読者の皆様、こんにちは。白航の了です。
いかがお過ごしでしょうか。

我々白航は新ギタリスト卓生(たくみ)を迎え、より一層活動に邁進してまいります。
新曲やMVも製作中ですので、楽しみにしていてくださいね。

さて、新メンバー加入記念として、今回は自分が特に気に入っている一枚を紹介したいと思います。
こういう必殺の一枚はここぞの時に出さないと、ネタの枯渇を招いてしまう(笑)ので、ほどほどに行きたいですね。

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ご紹介するのは、青森県出身の歌手、白季千加子(しらきちかこ)。
1977年11月にポリドールからデビューした彼女は、1980年11月までに5枚のアルバムをリリースした後、青森に帰ってしまう。
今回取り上げる作品は、まさにその最後のもの。

ジャケット写真にうつる彼女と、背景には夕暮れの港町がどことなく哀愁を感じさせる部分があるが、引退作と考えると妙に合点がいってしまう。
というのも、1st-2ndはデビュー作にもかかわらず本人の意向により顔出し無し(それはそれで味があって好きなのだが)。
レコード会社移籍後の3rd以降は本人の姿が映っているが、それらに写るのはどちらかというと温かみを感じる、素朴な少女という印象。

要は、ディスコグラフィを並べたときに、写真の色使い含め、このアルバムだけが妙に大人びているのである。

筆者の感想として、これは一作品のジャケット写真として完璧。収録されている楽曲群と、ジャケット写真のイメージがここまで合致しているアルバムは、正直、記憶の限りではなかなか見つからない。
(カメラマンは武藤義(むとうただし)。西城秀樹など、多くのスターを撮影。2014年逝去)

その肝心の収録曲も、佳作ぞろい。全編通してミドル〜スロウなバラードが多めだが、シンプルなバンド編成の音使いのおかげで全く飽きがこないどころか、聞くたびに発見がある。

歌謡曲にしては洗練されているし、ロックにしては優しく、完成度が高い。どうにも適切な表現が見つからないが、一部サイトでニューミュージックと分類されており、便宜的にそう扱ったほうがいいのだろう。

そして白季千加子の歌唱は本当に素晴らしい。のびのびと歌っている印象なのに、とても胸にグッとくるものがある。

楽しんでいるような、悲しんでいるような・・・
大人でいるような、子供のままのような・・・

バンドマン諸氏にも何か感じるところがあるのでは?一聴の価値ありです。

詞、曲を担当した作家にも注目したい。説明不要の鈴木キサブローや若草恵が名を揃える。
デビュー当初は全曲の作詞・作曲をしていた白季千加子だが、3rd以降は共作か、詞のみ、曲のみという参加の形が目立つ。
本人の意向なのか定かではないが、まるで化学反応が起きたかのように楽曲のレパートリーに富んでいる。

初期の作品はどこかフォーク的というのか、女の悲哀をテーマにしたものが多く、少し背伸びした印象を受けるものが多かった(それを二十歳前後で歌えてしまう歌唱力が凄いのだが)。

今作はもう少し視野を広げ、失恋した友へ贈る書簡形式の「ケイへの手紙(A1)」、私と「あいつ」が乗るバスの風景を歌った「あてのない旅(A2)」など、いい意味で肩の力が抜けた描写が多いように感じる。
その中に、カップルの日常を歌った「ロッキング・タイム(B2)」が入って来るセンスには脱帽するしかないし、詞曲ともに彼女自身(厳密には詞は共作)を感じさせるのは流石の一言。

・・・ここまで長々と書いてしまったが、レコードに封入されている歌詞カードにある、音楽評論家・三橋一夫氏による解説が、筆者のなんかよりこのアルバムの真の魅力を伝えられているので、機会があればそちらもぜひ参照いただきたい。

「白季千加子の歌を聞くには汽車の中がいい、と、自分では決めている。」

https://youtu.be/19aOSx0hQIk

執筆前に3度目のワクチンを打ち、少し熱が上がってきたのでこの辺で。
4/18には大阪・北堀江club vijonにて、
5/11には大阪・ESAKA MUSEにて、
白航のライブがございます。

ぜひおいでください。

追伸・白季千加子のファンの方、もしいらっしゃったらメッセージ、お待ちしています。誰かと話したい。(笑)

白航/了(Ba.)




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