【連載】オ客ハ読ムナ。/第38回

<毎週土曜日連載>
The denkibran/今日の1曲
さようならすべての愛する人たちよ。
こんにちは。南堀江knaveの倉坂です。
さよならは突然に訪れます。
どのような形になるか…は、わからないのですが
今回でこの「オ客ハ読ムナ。」に関しては最終回です。
さよなら、すべての愛する人たちよ。
今まで本当にありがとうございました。
昔からblogはよく書いていたのですが
それでも週に1回
なかば強制的にでも何かを書かせてもらえるスペースをいただけたことは
自分にとっても、すごくプラスになりました。
少ないながらも毎週楽しみにしてくれていた人もいてくれたみたいで
本当にありがとうございました。
最後の最後でまさかの自分語りで終わらせてください。
最終回「倉坂が倉坂の現状を語る」みたいな。
すまん。
これは蛇足です。
アニメやドラマの最終回に総集編と裏話を放送する…みたいなノリです。
だから、お客さんもバンドマンも別に読まなくてもなんら問題ない内容です。
「オ客モ別ニ、読ンデモ読マナクテモドッチデモイイヨ。」
▼自分の話▼
自分は、文章を書くこと自体はそんなに苦なタイプではありません。
…ただ
その書いたものに需要があるのか?
そもそも内容は有益なものなのか?
と言われるのと、それはまた別のお話。
いまネットで求められている読みやすい文章と、
自分が書くうえで得意な文章はぜんぜん違うものだという自覚もあります。
例えば
①短い文節でまとめる。
②改行を多めにして読みやすくする。
みたいなネット文章の基本。
正直、苦手です。
さらに言えば、毎週、僕が書いていたみたいな内容は
セミナー的というか、啓発文に近い内容だったと思うので
そういった内容の場合は
●「…と僕は思います。」ではなくて「…です。」と言い切らないと説得力がない
これもわかってはいるのですが、なかなかできませんでした。
なるべく言い切る形で書こうと心がけてはいたのですが。
言い切るというのは、つまり他を切り捨てる…ということなので、失敗すると敵も増える。
僕だって、わざわざ嫌われたくはないので。
そもそも、自分は「あやふや」だったり「グレーゾーン」だったり
「日本人的な空気を読む優しさ文化」が好きな人間です。
アメリカ式に「言い切る」というのはずっと苦手です。
だから、こういう文体で書くのは意外に向いてないんだなぁ…とうのも改めてわかりました。
例えば
先週、楽器の演奏について偉そうなことを書きました。
でも
「いやいや、楽器なんか下手くそでもかっこよければいいやん!」
っていう自分もいてます。
むしろ強くいます。
一般論的に「上手くなろうぜ!」みたいな話は若い子にもよくしますが
自分の本来の趣味的には
「え?上手いとかどうでもいいやん…」
という方の自分が完全にメインです。
自分のなかですでに矛盾してるわけです。
▼オワコン▼
あと悲しいかな、自分が「オワコン」になっていってる自覚もすごくあります。
(「オワコン」という言葉がすでに「オワコン」だ!という話はひとまず置いておいて)
そもそも自分が「コンテンツ」なんてモノになったつもりは、さらさらないのですが
幸運なことに周りに恵まれてました。
過去、外向きからは派手に見えていたかもしれない環境でずっとお仕事をさせてもらってたように思います。
そんな時もけっこう自分的には冷静で、「ブーム」とまでは言わないんですけど、
変な形で「コンテンツ化」してしまったら後がヤバイなぁ、やりにくくなるなぁ…なんて思ってました。
(余談になりますが、だから僕と仲良くしてくれているバンドを「倉坂チルドレン」みたいに言われるのがけっこう嫌でした)
ありがたいことに、なんとなく僕の仕事ぶりが外からは派手に見えてた時期があるのも自覚はしています。
ただ、一度、上がると必ず下がる。
ブームになれば、そのブームは必ず終わる。
だから自分で意図せずに「コンテンツ化」してしまったので、それが「オワコン」になったんです。
(本人的にはスタンスもやっていることも何も変わってないのですが…)
▼ライブハウスのお仕事▼
けっきょくライブハウスのお仕事なんてものは、周りのおかげで成り立っている。
そもそも出演してくれたり、僕と仲良くしてくれているバンドがいないと何もできないわけです。
元々、自分がすごいと思ったことは一度もない。
いや、自分の運だけはすごいな…とかは日々思ってはいますが。
編集長の倉田さんにも伝えたのですが、
僕がこの連載で書かせてもらっていた事というのは、一般論として有効ではあるかもしれませんが、
「いやいや、オワコンの自分が偉そうなことを書いててもあんまり説得力ないよなぁ…」
なんて葛藤も実はありました。
しかもちょっと情報が古いんですよね。
自分の経験則で書いていることなので、
例えるなら10年前のビジネス本に書いていたような内容ばかりになっていってるな…と。
基本的な考え方は間違っているとは思っていません。
ただ、今の状況でこれはどの程度、有効なのだろうか?とは少しだけ思っていました。
要は自分がアップグレードできていない状態で
「上から目線にもとれそうなスタンスで偉そうな話を書き続けること」
に自分で違和感を持ってしまった…というのが正直なところです。
アップグレードできてないくせに、歳だけはとっていくので感性は確実に鈍っている。
これ、いわゆる「老害の出来上がり」ですやん。と。
だから、わざわざ連載週一で、老害感をまき散らす必要もないよな?と
勝手ながら、今回で終了させていただこうと思いました。
あと、コロナ禍前ぐらいのタイミングなんですが
一度、いままでの自分の仕事的なとこのノウハウをnoteにまとめようと思っていた時期がありました。
実際、noteを書き出してみたら評判は良かったです。
( ↓例えばこんなのとか
https://note.com/thedenkibran/n/na15666a88ebe )
これを興味のある人だけを対象にして
上手くクローズドな環境に落とし込んでいけないかな?と思っていました。
(そんなつもりはなかったけど、改めて考えるとオンラインサロンみたいなことをやりたかったのですかね…?)
ただ内容自体は自分でもけっこうおもしろい事を書いてるよな?と思ってたのですが、
このあとすぐにコロナ禍、襲来。
さまざまな自粛。
発信しようとしていたノウハウが、あまり意味をなさないモノになってしまいました。
コロナ禍の状況下で、そんなこと言われても、そんなやり方や考え方、使えねーよ!?
みたいな。
これは例えばなんですが
今「毎回、客を死ぬ気で呼べよ!」と言われても
がんばる気はあっても困るバンドさんが多いと思うんです。
僕が発信しようとしていた内容は、コロナ禍前の考え方なので
「お客さんに遊びに来て!」と声を強くあげにくい状況でどういう風に集客していこうか?という悩みに対しての答えには何もなっていないんですよ。
だから、今のご時世にこれを発信することに意味があるのか?…っていう、そんな話です。
きちんと発信しようと準備していた内容が、コロナ禍で一瞬にして、ただの「過去のたわ言」になってしまったわけです。
実は1年ぐらいかけて裏でこっそり色々と準備して計画もたてていたので悔しかったんですけど。
なので、そのnoteに書こうと思っていたまま、なんとなく宙ぶらりんになっていた話もありました。
そんな話を書く機会をいただけたのは本当にありがたいことでした。
改めてミュージックラビッツ、もとい倉田さん、ありがとうございました。
週一連載ということで、日々に追われながら執筆ではありました。
自分で読み返しても正直「内容が薄い週」と「内容が濃い週」の落差が激しかったようにも思います。
コロナ禍の状況下でどこまで有効かはわかりませんが
noteの方でまた、こっそりと何か啓発的な文章は改めて書いていけたらな…とは思っています。
そんなこんなで最後はまさかの自分語りで終わってしまいました。
短い期間ではありましたが、ご愛読ありがとうございました。
今、僕と関わってくれているバンドさんたちと、
変わらず、これからもがんばってはいくつもりなので
ライブハウス、SNSで見かけた際は少しだけでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
では、また会う日まで。
…と書き終えたところで
もう少しだけ月1連載で続けさせてもらうことになりました。
ここまで書いた話はどないやねん!?っていう…(笑)。
ただ通常の「オ客ハ読ムナ。」に関しては今週で最終回です。
それは変わりありません。
この先は
ただライブハウスの人として純粋に
「先月の自分の担当イベントを振り返って、出演してくれたバンドさんの感想を書く」
っていう、なるべく偉そうにならない内容になる予定です。
もうしばらくお付き合いください。
ではでは。
The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹