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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第66回

<毎週日曜日連載>




クオリティマウントをやっつけろ!!

【クオリティのマウンティングに勝つ】

おはようございます。ファイアーループの足立です。最近いろんなことを頑張っています。特に、ライブハウスの色々なクオリティを上げることに尽力しています。音のこと以外はどこを切り取ってもただの素人だし、素人なりに色々勉強したり工夫したりして手当り次第「何かしら面白いこと」をやろうとしているのですが、ちょっぴりヘソ曲がってきました。今からすごい性格悪い、というか卑屈なことを言います。お金を持ってる連中が無闇にクオリティマウントを取りすぎなんです今。腹立ってきた。

企業やお金を持っている人、技術を持っている人がスゴいことをやる。もっとスゴいことを目指して頑張る。良いことです。ていうか、僕とやってることは同じです。許された予算感の中で、できる限りスゴいこと、前よりもっとスゴいことをやろうとするのは当然だし、もうこれは本能レベルなのかもしれませんが、なんかちょっとやりすぎではないですかと言いたい。

ドローンのピクトグラムとか、面白そう!僕もやってみたい!でもやれないじゃないですか。見てるぶんには面白いですよ?でも絶対やれない。それくらいお金がかかっています。すごく腹が立ちます。もう無くなってしまいましたが、超デカいアクリル板をステージ前に斜めに立てて、真下からLEDディスプレイで映像を反射させて空中に映像が浮いているように見える、言わばウチのアミッドスクリーンの超高級バージョンである「VRシアター」っていうのがありました。そこですぐにブレンダーの開発者が超すごいCGライブをやりまくったもんだから他が尻込みして若い人たちが続かなかったのではないか、と僕なりに推察しています。

例えば最近ウチでも(例のクラウドファンディングのおかげで)前に使っていたカメラが2台余っているから、コレは立体映像できるんじゃないか!?って色々勉強したり試したり付けたり外したり、カメラの角度を変えたりレンズを変えたりカメラの設定を変えたり、撮った映像を色々編集したりしているのですが、世界的なやつオイ。ちょ。もう言っちゃう。エルトンジョンが2018年に作ったVR映像がマジで酷い。スゴ過ぎて酷い。もうね本当に素晴らしいんです。最高でヒドいです。あかんあかーん!!で、今後こんなクオリティのモノはなかなか出てこないんだろうなってくらい超すごい技術をこれでもかってくらい使い倒してお金も時間も死ぬほどかけててもう本当に凄いんです。僕レベルなら5回は死ぬと思います。それくらいスゴいやつを、You Tubeで無料で公開してしまう。ああ~^^ヤメチクリ!!だってさ、そんなの見たらみんな目が肥えちゃうじゃんか。で、エルトンジョンの例のヤツよりスゴいかスゴくないかって心の奥で思ってしまうでしょ。これちょっとエルトンやり過ぎです。アンタのせいで、世の中の「立体視のふつう」が一気に上がってしまったではないか。

なので、間違っても「エルトンジョン VR」とかで調べないでください!倉田さんも、You Tubeへのリンクとか貼らないでくださいね!笑!

上でも言いましたが、もうこれは仕方ないことですし止められないです。むしろ技術者たちとエルトンジョンにはもう惜しみない拍手と称賛を送りたい。僕はこれたぶん10回は見たと思う。間違いなく、世界一のVR映像だと思います。で、ちゃんとカッコイイ。ぐっとくる。ありがとうエルトンジョン。でも困ったやつだぜ!この!音楽史に乗る長者番付おじさん!やめて大人げない!!

僕はこういうのけっこう怖いと思っています。例えば特撮を考えてみてください。2000年くらいのマトリックスでCG映画は物凄いブレイクスルーがあったと勝手に思っていますが、その後のVFX映画はもうアイデア勝負じゃなくて札束で殴り合っているみたいな状態ではないですか。ほいで今、お金の無いヤツは特撮を取る資格すら与えられていないというのが現状だと思います。だって、みんな前のやつよりスゴいの見たくなるじゃないですか。件のマトリックスも2作目のリローデッドでバッキバキになったし、3作目のレボリューションズは実写版ドラゴンボールみたいなよくわかんない映画になってましたから、自分で自分の首を締めたと言っても過言ではないでしょう。名作「パシフィック・リム」も2作目は最悪でしたね!あ、いや忘れてください。

ゲームだって最近は制作にお金がかかりすぎるから安全を取ってナンバリングばっかりだし、なにかおもしろいゲームのアイデアがあっても「お金をかけられるか」「確実にお金が儲かるか」という高いハードルを超えたものしか僕たちの手元に届かない世の中になってしまったと考えるととても寂しいし、ちょっと怖い世の中だなと思っています。もしかしたらエルトンジョンはそういうこともぜんぶ分かっていて、あえて「世界レベルの金持ちが世界レベルのクリエイターをたくさん使って、たくさん時間もかけて、グーグルまで動かしちゃって、これ以上札束で殴り合っても仕方ないと思わせるレベル」の物をポーンと作っちゃって、それが彼の思う世界平和だったのかもしれません。

でも残念ながら、VRは2018年、2019年あたりからぜんぜん盛り上がってないし、やっぱスゴすぎるものを見るとみんな物怖じしてしまうのかもしれない。だからみんなチャレンジしないのかもしれない。

というわけで、なんだこりゃ。面白いのに。ライブハウスのバンドとかシンガーとかアイドルとか立体とかVRで見たらきっとめっちゃ楽しいのに「アレよりショボい」って言われるのが怖くてやれないんじゃないか?などと腹が立ってきたというわけです。僕らみたいなプアーな連中が、なんとか工夫ととんちで面白いものを提示して、これでドオダァー!!っていってばーんってやって、みんなが「こういうのでいいんだよ、こういうので」って言うやつを作って作りまくって立体視、3D、VRをちゃんと流行らせたい!そんな前向きなエネルギーになんとか変換して努力しておりますゆえ、どんなのができるか楽しみにしていてくださいね!

うーん宣伝でした!ほなまた!

【LIVE STORAGE】

https://fireloop.net/livestorage

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志




プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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