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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第63回

<毎週日曜日連載>




カメラの設置とか3Dとか音のこととか、いっぱいやってる

あけましておめでとうございます。ファイアーループの足立です。コラム滞りまくりで申し訳ないです。12月みたいな「年間でいちばん忙しいとき」に終了するクラファンを開催するという計画性の無さ、このせいでヒーヒー言ってました。現場にもあんまり顔を出せなくて申し訳ない!配信は、事務所で見てます!!

さて、こちらのコラムは例のクラウドファンディング支援者の方々への進捗報告も兼ねておりますので、まずは「いま、どんな感じになってんのか」をお知らせしたいと思います。いつにも増して技術的な(オタク的な)お話になっているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

① カメラが凄いのになったので、設置・調整していました

PanasonicのBS1Hという、もりもりプロユースなやつを2台購入しました。

やっぱ凄いですね!こういったプロカメラにはLog撮影という「カメラのダイナミックレンジを全部もりこんだ絵」を収録して、後でLUT(ラット)という「どの色はどんな色にするか」っていうデータを適応させて映画っぽくしたり、テレビっぽくしたりなんやかんやするんですが、ウチのライブ収録は別に映画っぽくしたりエモくしたりするんじゃなくて「目で見てるみたい!」にとことん拘りたいのですごく標準なRec.709というやつを使っています。普通のやつです。でもこれがすごい!マジでちゃんと赤い!青い!人間の肌が人間の肌の色でちゃんと再現しています。ライブハウスの照明の色は自然界から見たらデタラメもいいとこなんですが、そのデタラメな色をちゃんと再現しているのはスゴいですね!

で、もうひとつ画質としてわかりやすく「良くなった」のは白飛び・黒つぶれが本当に減ったことです。これはLog撮影の恩恵でもあるのですが、ここらへんのクラスのカメラに最近ついている「ハイライト重点測光」という機能によるもので、カメラが白飛びしている部分を検知して「おっ、明るすぎるな!?じゃあちょっと暗くしといたろ」って勝手にやってくれるんです。これがマジでちゃんと動く!もう「ピンスポでのっぺらぼう現象」からはおさらばです。

レンズも凄くいいやつを買ったのでめちゃめちゃ高詳細なんですが、ここで問題がひとつ。やっぱフルサイズ用のレンズって絵の形がちょっと変です。演者が前後に動くと頭身が変わる。7等身になったり8頭身になったりしますがこれはマジでしんどい。マイクロフォーサーズとかの小型・シンプルなレンズに比べてフルサイズ用のレンズは悪く言えば「つじつま合わせ」をしている部分が多いからか、3次元的な歪みが出てくるんです。特に「俯瞰の絵、特に斜め上からの絵がひん曲がる」でしたので、できる限りカメラを低いところに設置し、でもお客さんには当たらない安全な場所で、万一当たっても大丈夫、という設置にたいへん苦労しました。低い位置に置いたら問題は解消したので、頑張ってよかったです。

で、もう一つ問題なのが(これは以前からあった問題ですが)メンバー構成によってはドラマーが全く見えないという可能性があること。こればっかりはカメラを動かすしかないので、動かすためのレールを購入しました。電動でも手動でも動くやつなんですが、最近のレールはよくできていて「常に中心を狙い続ける」みたいに調整できる機能が付いてるんです。レールの左端まで移動するとカメラは右を向くし、右端まで移動するとカメラが左を向く。逆もできます。しかも調整がすごく簡単で最高です。仕組みは超シンプルかつ感動するレベル。もっとはやく買っとけばよかった。これで25000円。ハッキリ言って激安です。いい時代になったもんです。設置には1日かかりました。調整というより、設置と防御が大変でした。1月3日にやりました。まだまだお正月でしたが、趣味も兼ねているのでいいんです。

①で既に語りすぎ、みたいに見えますがカメラの話は一冊本が書けるくらいあるのでまたどこかで書きます。12時間生配信した時も、たぶん5時間くらいはカメラの話をしていたような気がします。

② マイクプリアンプがいいやつになりました

最初、配信を始めたときは気にもしていなかった「マイクプリアンプ」部です。収録用のコンデンサーマイクに電源を送ったり、マイクから送られてくる音声信号を増幅する「だけ」の物なのでぶっちゃけ安いコンパクトミキサーでもいけるのですが、ここキモでした。それに気付いたのが半年くらい前です。それまではウチの隣に併設しているミキサーの、1個チャンネルがダメになったやつが余っていたのでそれを使っていました。安いとは言えすごく高音質で、こいつのお陰でぜんぜんノイズは無いしハウりません。だから問題ないって思っていたんですが、ある時に思いついてそのミキサーのイコライザーやフェーダー、諸々の(不要な)回路を通らない使い方に変えてみたんです。具体的に言えばインサート端子から出す、という技。これでミキサーに内蔵されているマイクプリアンプ部「だけ」を使うことになるのですが、これでめちゃめちゃ音質が上がってしまいました。つまり安物の音声回路がいかに音楽をダメにするかということに恥ずかしながら、今さら気付いたというわけです。ひとつ言い訳をすると、PAは導入したPAミキサーに付いているマイクプリアンプの音しか選択肢が無いです。「PAミキサーを何台も並べて音の聴き比べをとことんやりました」なんて人、音響機材のレンタル屋さんくらいなもんでしょう。つまり、PAにとって「この機材の(マイクプリアンプ部の)音がいいか、悪いか」なんてぶっちゃけ考えるだけ無駄なのです。与えられたカードで勝負するしか無い、それが現場PAの現実です。そんな日々を20年過ごしたお陰で大事なことを忘れていました。「高い機材は音がいい」

で、レコーディングエンジニアの友人からマイクプリアンプを何台も借りて検証した結果、「これだあ!!これしかない!!」ってなったのがRMEのQuadMic IIというマイクプリアンプでした。まじで「なんにもしない!」これが本当に素敵。ツマミは音量だけです。あとはファンタムとローカットとフェイズのスイッチがあるだけ。これが4チャンネルで、なんとお値段10万円!!以前の僕では意味わかんなかったです。だってマイクプリアンプは2万円の4チャンネルミキサーにも「問題ないやつ」が4つ入ってるんですよ?一点豪華主義すぎるだろ、って思いますよね?ノンノンノン。ここが変わるとぜんぜん違います。でも語れることがカメラみたいに無い。どこまでいっても「ノイズが無い」とか「立体的」「解像度が高い」「暖かみがある」とかよくわかんないこと言うしかないのが音関連機材の宿命なのです。何を言ったってピンときませんが、僕が「音がイイ」と言ってるんだから間違いない、と信じてください。

③ 音声用のプラグインを有料のいいやつにしました

実はウチの配信の音はめちゃめちゃ凝っていて、すでに何個もプラグインを挟んでいるしそれのどれもが重要な役割を担っています。しかしながらトライ&エラーの繰り返しなので無闇に予算をかけられるわけでもなく、仕方がないからぜんぶ無料のプラグインでやってました。何個かの帯域に分けて、それぞれに別の処理をやって、ステレオ感・広がり間をシミュレートかつデフォルメし、小さく聞いてもショボくならないようダイナミクスエフェクトを調整し、アイホンで聞いてもデカイスピーカーで聞いてもイヤホンで聴いてもヘンなことにならないようにリアルタイムでマスタリングもしています。が、たくさんかけると「無料ならではのアレ」が目立ってくるし、無茶をしているせいかトラブルも多かったです。そこでizotopeの「OZONE 9」というプラグインを導入しました。今まで取捨選択してきた厳選エフェクトの類が全てが一発でかけられる安心感!まずはここです。OBSと無料のプラグインでムリヤリ帯域を分けたりする必要が無くなったので帯域感の位相なんかもバッチリ、などの狙いもあったのですがこれがもうすこぶる良い結果を出しまして、本当に「いい音だよ!!」って胸を張って言えるクオリティになったと思います。

OZONE 9はいわゆるマスタリング用プラグインなのですが、コレにはちょっと面白い「AIマスタリング」って機能があります。老害的な僕からすると「ナニがAIやねん」って危うく捨て置きそうになるのですが、試しにやってもらうと一瞬で僕がやったのと同じようなことしてきたので侮れないです。それどころか「え!?そうくるか!?」ってのも提案してくるので乗っかってみたらすんごいモダンな音に。こういう質感に現代人の耳は慣れてるわけだから、もうコイツの提案から微調整するくらいのスタンスでいいんではなかろうかと思うほどです。まだぜんぜん説明書を読んでないので「謎のパラメータ」も沢山ありますが、そういう所もAIは平気でいじってくるのでまたちょこちょこ勉強しようと思います。

④ 3D配信もできるようにしました

前に使っていたGH4というカメラと単焦点レンズがそのまま余ったので、これは3Dやるしか!です。で、これも正月に設置していました。れまじで見てほしいです。「こうゆうのでいいんだよ!」ってなります。自信あり。

僕らが買えるような3Dの2眼カメラとかVRカメラとかは「カメラの性能としては」決して良いものではないので、特に暗いときとかダメダメです。60p(ヌルヌル動く)とかぜんぜん出来ない。あと、熱暴走とか平気でするので業務に使うのは怖い、イケるやつは100万円とかする、できたとしても見るのに専用のプラットフォームがいる、リアルタイム配信できるプラットフォームが限られている、通信量が半端ない、キョロキョロするのが面倒くさい、見回したときに首の動きとの遅延がまだまだ気になる、見回したときのフレームレートは60pでは足りない、などなどコレぜんぶ「既存のVR」のネガキャンで申し訳ないですが、いいんです。我々みたいな弱小は超巨大企業に対するネガキャンくらいしていいんです。そう、GAFAを始めとする超巨大企業が大金をかけて開発しているVRに対して「こういうのでいいんだよ」っていうのをカウンターとして提案する、それが「定点の、高解像度の、高フレームレートの、シンプルな二眼3D映像」

これもけっこうなチカラワザなのでまだまだ検証・研究の余地ありありですが、今の時点でかなり好感触です。GH4はずいぶん昔の機種ですが、世のVRカメラとは比べ物にならないくらい高画質ですから驚きの見応え。先日のAxithの新春ワンマンライブで試させてもらったので、VRゴーグルをお持ちの方、興味のある方はぜひ見てみてください。頑張れば「寄り目」でも見えます。僕は見えます。

https://youtu.be/dFOg0_e2oOI

ダイソーで500円で売っているやつ(300円とか連呼してましたが勘違いでした。スミマセン)でも十分見れますので、この機会にぜひ「スマホで簡単にやれるVRゴーグル」シャレのつもりで買ってみてほしいです。ちなみにビックカメラでエレコムの2500円のやつも買ってみたのですが、これはスマホをゴム製のマジックテープでくっつける仕組みなので脱着しやすいし、偽色も出ないのでよかったです。ただ、ダイソーのやつは謎にド近眼の裸眼でもいけるんですがエレコムのやつはメガネとかコンタクトレンズを付けていないとだめ。残念といえば残念です。

で、そこからまた飛躍的にクオリティアップしたので今後にも期待してほしいですし、ツイキャスプレミアやLIVE STORAGEにも対応できるのですごく楽しみ。視差とかアングルとかめちゃめちゃ調整して「前から2列目にいる身長2mの人」が見ている絵とそっくりなやつできました。35mm換算34mmレンズならではの「ドラマーがボーカルより小さい人に見える問題」は多少あるのですが、ぎりぎり許容範囲といった所。本当なら換算46mmのレンズが(圧縮具合も画角的にも)理想なので、そのうち買うと思います。つまりまだ良くなります。これは本当に楽しみにしていてほしいです。

特に3Dに関してはまだまだ語り尽くせないくらいあるので、また書きます。え、もういいって?いや興味持ってくださいよ!最高に面白いので!突然ですが今週のところはこれくらいにしておきます!ではでは!

【LIVE STORAGE】

https://fireloop.net/livestorage

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志




プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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