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【連載】オ客ハ読ムナ。/第31回

<毎週土曜日連載>

The denkibran/今日の1曲

https://youtu.be/HPf03ZY4nJc




アーティストと芸人のモードを切り替えて表現していく。

明けましておめでとうございます。

大阪の南堀江knave倉坂です。

今年もよろしくお願いします!!

…と形式的な挨拶はここまで。

普段となんら変わらず、この連載は続いていきます。

今年もオ客ハ読ムナ。

▼アーティストと芸人▼

わたくしバンドもやりつつ、ライブハウスで働かせてもらってます。

だから自分で言うのもあれなんですが

演ってる方の気持ち

つまりバンドマンの気持ちがけっこうわかります。

仕事でブッキング/制作をしているので、もちろんライブハウスの人の気持ちもわかります。

はい。コウモリ的ポジションです。

これは確実に自分の強みではあるのですが、同時に弱点でもあります。

どっちの気持ちもわかってしまうがゆえに、引き裂かれるような思いをよくしています。

僕も若い頃はライブハウスの人からの見当違いなアドバイスに憤慨していたタイプのひねくれバンドマンでした。

ああ、大人にこんなこと言われたくないよな…?少なくてもオレはすごく嫌だった!!なんて

どうしても、出演してくれるバンドマンを、若い頃の自分と重ねてしまったりもよくします。

ただ、そんなバンドマン倉坂を、ライブハウス倉坂が「いやいや、何を甘やかしとるねん!」と険しい顔で見ていたりもします。

厳しいこともきちんと言ってやれよ!!それがほんとの優しさだろ?

みたいな。

どういうことかと言いますと、例えば

「ライブ中にコール&レスポンスは絶対にやりたくない」

というバンドがいたといます。

●バンドマン倉坂→

「うん。その気持ちめっちゃわかる!なんかお客さんに媚びてるみたいで恥ずかしいよな!やめよう!そんなことする必要ないよ!」

●ライブハウス倉坂→

「いやいや!!おまえが恥ずかしいとかどうでもいいねん!
君たちの曲調なら、ちゃんとコール&レスポンスとかしてお客さんを楽しませろよ!」

と思う自分がほぼ同時に出現しているのです。

ライブのパフォーマンスやライブ中のMCに関してはもちろんなのですが

これが他にも

作曲のことだったり

歌詞のことだったり

アレンジだったり

SNSの活用の仕方だったり

もうバンド活動におけるすべてにおいて

「おまえは多重人格か!?」

とセルフツッコミをいれたくなるぐらい

バンドマン目線とライブハウスの人目線の二つの意見に日々切り裂かれております。

これって、どっちかが必ず正解!とかじゃないんでねぇ。

ライブハウスの人から見たら、本当につまらないコダワリに見えてても

ミュージシャンからすると、その小さいコダワリが本当に大事だったりしますし。

でもそのコダワリが、例えば「売れたい」と思って活動するのなら邪魔をしている時もある。

困った。

そう。

僕はつねに困っています。

別の言い方をすると、これって

「大人の意見」と「子供の意見」という言い方をすることもできるかもしれませんし

「芸人」指向と「アーティスト」指向に切り裂かれていると言えないこともない。

これも例えばなのですが

ライブハウス裏方目線で見た時に

作品指向的、アーティスト的な考え方っていうのは、裏を返せばワガママで子供っぽい考え方と紙一重ではあるのです。

そんな事はやりたくない!と駄々をこねている子供みたいな。

だからライブハウスの人として俯瞰でそれを見た時に

「内容もまだ伴ってないのに何を夢見がちな事ばっかり言っとるのや?はいはい。アーティスト様ですね。」

みたいに思ってしまうことも正直あります。

やっぱり仕事でやっているので。

おいおい、そんな事ばっかり言われたら仕事になんねーよ…みたいな。

こんな事を思いたくはないんですけどね。

で、これの僕的な解決策というか、考え方というのは一応ございます。

どういう考え方かというと

①作っている時はアーティスト
②ライブをする時は芸人

という風に完全に分けて考える

というのが今のところ、自分的な最適解と思っています。

例えばライブをする前に、どのバンドにも必ずあるであろうスタジオワーク

●曲を作る
●曲をアレンジする
●楽器、バンドの練習をする

の段階は、アーティストで良いと思うんです。

「自分の考えるかっこいいものをきちんと生み出す」ということにまずは妥協せずにフォーカスをあてる。

で、いざそれをライブで表現する段階になった時に

アーティストから芸人にモードをシフトチェンジする。

一段高いステージから、照明を当ててもらって、お客さんに見ていただいて楽しんでもらう

という行為は、僕的にはやはり「芸を披露」していることだと思うんです。

だからライブをする時はパフォーマー…つまり芸人。

こんな風に切り替えるのをおすすめしています。

自分がアーティストとして生み出したものを使って、自分が芸人としてお客さんに全力で楽しんでいただけるように表現する。

こんな考え方が健康的ではないかな?と思うわけです。

人によっては、作曲の段階から「芸人指向」で曲を作る人ももちろんいます。

要は、流行りであったり「受け」をきちんと考えて曲を作れる人。

これに関しては職業作曲家さんみたいなものなのでかなり難しい行為ですが、出来る人は全然やったら良いと思うんですよ。

実際、周りでもこういう能力に長けていて結果を出しているバンドも少ないながらにいます。

でも、200人キャパのライブハウスで活動しているバンドで「売れ線を狙いました!」と器用にそれが出来て

きちんと結果を出せたバンドというのは経験上ほぼいなかったです。

流行りをなぞっただけ…というか。

正直、薄い。

流行りに寄せるんなら中途半端にじゃなくて、きちんと寄せろよ!と思うことが多かったです。

何より、最近は「何が流行りかすでにわからない」という状況です。

そんな状況下でライブハウスのなかで架空の流行りを追いかけてもあまり意味がないようにも思いますし。

重複しますが、ライブハウスを根城に活動しているようなバンドは不器用なバンドが多いので、

曲を作っている段階で変に「受ける曲を作る!」みたいなスケベ心を出してもあまり上手くいってないような印象があります。

それなら作る時は、まずは自分の信じる良いモノをアーティストとしてとにかく作りきる。

その後に、出来上がったモノをお客さんにわかりやすく伝えるためには

それをどういうパフォーマンスで表現したらいいかな?と、頭を芸人モードに切り替える。

こんなイメージをおすすめしています。

あくまで一つの考え方ではありますが

近いようなことを悩んでいるバンドマンさんがいましたら、ひとつの考え方として参考になればうれしいです。

子供の気持ちで作って、大人の考え方で表現を広げる

そんなイメージです。

最後に

今は、芸人としてパフォーマンスをする場所がライブハウスのステージだけではなく

twitterでの発言や動画投稿など、SNSにも飛び火しているので話がさらにややこしかったりはします。

SNSの活用の仕方も人それぞれ。

苦手な人が無理に「芸人モード」でSNSをやっても上手くいかないことが多い。

結果、それがSNSが苦手、SNSがしんどい…という苦手意識につがるわけで。

そんな人は自分がどういうモードでSNSを使うか…というのを考えてみても良いかもですね。

全員が無理にSNSでまで芸人をやる必要はないです。

ちょっと気が楽になるかもです。

ではでは、2022年もよろしくお願いします。

また来週!!

The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹




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