【連載】オ客ハ読ムナ。/第24回

<毎週土曜日連載>
The denkibran/今日の1曲
『音楽で飯を食う。音楽で有名になる。』②
一週間のご無沙汰です。倉坂です。
前回は『音楽で飯を食う』っていう表現は、もしかしたらもう古いのかもね?
なんて話を書かせてもらいました。
今日は『有名になる』の方にスポットを当てて、好き勝手に書いてみたいと思います。
オ客ハ読ムナ!!
▼「有名になる」とは?
アンディ・ウォーホルの有名な言葉で
In the future everyone will be world-famous for 15 minutes.
(誰もが15分間なら有名人になれる。いずれそんな時代が来るだろう)
というのがあります。
うん。
まさに今の時代にぴったりの言葉だと思いませんか?
ツイッターで有名人がRTしてくれて一夜で有名人に。
TikTokでバズって急に有名人に。
現代のシンデレラストーリーにSNSはもはや欠かせないものとなってますが
SNSはおろかネットも普及していない時代に、こういうことを言えちゃう人ってすごいですよね。
さすがアンディ・ウォーホルさん。
「いずれそんな時代が来るだろう」という言葉どおり、そんな時代がすでに実際に来てますよね。
アンディ・ウォーホル、すげーな。
予言者か!
で、この言葉で一番注目してほしい僕的ポイントがございまして
「15分間なら有名人になれる」
この部分。
「15分間」
時間が限定であること。
ここに意識的になれるか?なれないか?が、かなり重要だと思うんです。
あくまで15分間だけ。
あくまで限定的な有名人。
「例え有名になってもこの感じでは、ずっと続かないよ?」っていう。
はたして、この部分に意識的な人ってどのぐらいいてるのでしょうか…?
などと「次のMVでバズりたいな~」とか打ち上げでぼやいて
ラッキーをただ待っているような、バンドマンを見てよく思うわけです。
「バズったとして、そんな一瞬の話題が続くわけないだろ!?」って
外から他人を見てたらわかるんですけど、
自分のことになっちゃうと
なんか、この上り調子がずっと続きそうな気がして
意外に都合よく解釈しちゃうんですよね。
はい。人間は愚かで弱い生き物です。
よもや、感度の高い人からすれば「バズる」という表現自体が死語みたいにはなってるとは思うんですけどね。
そして実際にツイッターなんかで何度かバズった人に言わせれば
「いやいや、1~2回ぐらいバズっただけじゃ状況って何も変わらないよ?」
と、けっこう冷静なことをみんな言うと思います。
実際、そんなもんです。
「15分間」は大げさにしても、一晩だけSNSで有名人になったところで、
人生変わるほどのことが起きると思えない。
「おい!まだ人気が出ていないバンドマン諸氏よ!
バズること、一瞬だけ有名になることにあんまり大きな夢をみちゃいけない!」
と、わたくし倉坂は声を大にして言いたい所存であります。
別の少し突飛な例えをしてみますが
あなたがウルトラマンになれたとします。
でも、それって3分間だけなんですよ。
ウルトラマンでいられるのは3分間だけ。
じゃ、その3分間で何を成し遂げますか?
そう。
3分間できっちり怪獣を倒さないといけないんです。
「おお!!オレ、ウルトラマンになれた!うひょー!!」
と浮かれてるうちに、その3分間が終わってしまえば
それはただの「巨大化して世間を騒がせただけのハタ迷惑な野郎」なんですよね(笑)。
ウルトラマンがなぜ評価されてるのか?
それは「怪獣を退治してくれたから」なんです。
けっきょく評価されるのは内容。
何を成し遂げたのか。
これ、すごく普通のことを書いてますけど(笑)。
しかもウルトラマンにいたっては
定期的に訪れるその3分間でほぼ毎回、結果を出しているんですよ!
すげー!!!!
(物語を盛り上げるためにたまに負ける回もありますけど…)
そりゃ、ウルトラマンのことみんな好きやわ。
みたいな。
はい。
ちょっと無理やりに話題に話を戻しますけど
バズる(有名になる)=結果 (人気が出る/収入になる)
では、実はなかったりするんですよね。
バズって有名になったタイミングで
結果を出すためのキッカケがすでにあったり
力技を使ってでもなんとか結果を出した人だったり
そういう人たちが生き残っているんです。
別の言い方をすると、もしバズってなくても、この人なら自分でなんとか出来たよね?
みたいな人たちが結局、生き残ているんですよね。
仕事柄「バズった!イエーイ!」と浮かれちゃっただけで終わった人もいっぱい見てきました。
バズってからが大変なんですよ。
無名だったものがいきなり有名になっちゃうわけです。
そこから辻褄を合わせる作業がまっているわけです。
…と、ここまで書いて気づいたけど
「音楽で有名になる」という話とかなりズレてしまいましたね。
「SNSで有名になる」な話になってしまった。
というか「いきなり準備なしにバズったら大変よ?」みたいな話になってしまった(笑)。
ってなわけで、時間をかけて積み重ねて有名になるのではなくて
例えばSNSで、瞬間的に「15分間だけ有名になれる」ってのも実は怖いんだよ…っていうお話でした。
そういう棚ぼたラッキーは
どうしても辻褄があわなくなる。
でも、たまにいる その辻褄を合わせられる人
その15分を永遠に出来るほど輝いている人や作品はすごいな…と本当に思います。
「多くの人に認知される」のと「多くの人から人気が出る」のは似てるようで全然違うんです。
今週はほぼSNSのバズの話で終わってしまいましたが、
来週こそ本編『音楽で飯を食う。音楽で有名になる。』③
の予定です!!
ではシーユーネクストウィーク!!
The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹