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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第57回

<毎週日曜日連載>




ついにクラウドファンディングをやる。

先日発表してから各種SNS等で言いまくってるので、これを読んでいただいている方はすでにご存じかもしれません。寺田町ファイアーループは満を持して、クラウドファンディングを実施します。

その準備で寝る間を惜しんで、いや嘘、ちゃんとしっかり寝て、ちゃんと食べて、無理なく一生懸命準備をした結果こちらのコラムにしわ寄せが来るという生活を送っておりまして、倉田さん本当にすみませんでした。しかもミュージックラビッツの連載でもまたクラウドファンディングのお話をしようとしている。で、倉田さんも「ぜひぜひ!大歓迎です!」と言ってくれている。こりゃもう謝罪と感謝しか無いんですが、今回ばっかりは甘えます!あらためまして、おはようございます。ファイアーループの足立です。

いわゆる「コロナ禍」の始まりは去年の3月くらいでしたっけ。もうびっくり仰天するくらいイベントのキャンセルが相次いで相次いで、ヤバいなんてもんじゃない。つぶれる!!TSUBURERU!!ってなってたの、まだまだ記憶に新しいですね。それまでは「ホールレンタルの会場費を払わずに逃げたオッサンがいる」みたいなのが1件あっただけで超大事件(もちろん今でも大事件)、おいおいおいどうすんねんこれ地獄の底まで追っかけないとダメじゃん的な大事件。けっきょく逃げ切られて、奥さん悔しくて泣いてましたからね。つまりそれくらい、そもそも「自転車操業」なんです今のライブハウスのビジネスモデルって。それが、とつぜんドーンって焼け野原のスカンピンになったもんだからもうヤバい通り越して面白くなってしまって、どうせアカンねんからつくってあそぼ!遊んで探そ!とか言ってました。

ただ、僕にとっても多くのスタッフにとってもファイアーループだけが「生業」ですから、最初に思いつくのは毎月かかるクソデカ固定費、つまり家賃がどうにかならないかってことですよね。ファイアーループは毎月100万円くらい家賃で払ってますから、放っといたら自動的に毎月100万円の借金ができます。なんだこれ無理ゲーじゃん(笑)ってことで、まずはテナントビルのオーナーに「コロナ落ち着くまで家賃を安くして欲しい。できればタダで」ってお願いしたのですが秒で断られました。いやー血も涙もねぇよ、鬼だよ鬼そりゃねえよ、あんた金持ちじゃん、ちょっとくらい負けてくれてもいいじゃんこのご時世なんだしってその時は恨みそうになりましたけど、思い返せばこの時に考えたことが今にずいぶん活かされていると思います。

「助けて!」って言って助けてもらっても、それは相手に「損すること」を頼んでるに過ぎないんだよ!!

そう、我々のような「カッコイイライブハウス」は弱さを見せて、人にすがってはいけないのです。今回の例で言えば、ビルのオーナーさんが損をして僕はちょっと安心。今後、頭の上がらない恩人になる、これぜんぜん建設的じゃない。相手にとっては未来への投資でもなんでもない。仕方ないからたくさんお金を借りることにしました。こんなこと言っても後出しにしか聞こえないと思いますが、僕は当初から「コロナ禍なんて1年や2年で終わらない」と確信していたんです。そんな長い間、つまりコロナ以前の世界に戻るまで単に「立っているだけ」でも、大変な予算を考えないといけません。

幸い「コロナでヤバいから、しゃーなしやで」という、3年間は金利のみ、3年間ちゃんと金利を払えばそれまでの金利分のお金が返ってくるから実質金利ゼロ、4年目から返済してね、なんていう極甘ストロベリーな特例が出ていたので、よおし。こりゃもう行ってしまおうと。「カイジ(第1章)」みたいなノリで「限界まで(個人事業主:最大6000万円)貸してくれ」ってお願いしたんですが、そんなのマトモに返せるワケないのが今までの確定申告でバレバレなので、「いやー無理です。これくらいで限界です」って提示された金額が1500万円。しかし信じられないことに、これ電話です。いくらリモート時代とはいえ、電話で1500万円。1500万円ですよ!??やばい!!震えます。みんな1500万円借りたことある??こんなワケワカラン金額、ネットで申請して電話しただけで貸してくれるんだ。コロナってゲロやば。これぞ緊急事態って感じ!

で、これも電話口でですよ、「いや、ぼくIT方面でもめっちゃ頑張ってて、イケてるアイデアいっぱいあるんす。もうちょっとナントカなんないですか」っていったら「じゃあ2000万円で」と言われて、めでたく2000万円借りることが出来ました。えっ!電話でオナシャスしたら500万円融資が増えるんだ。そんなのアリなの?つくづくコロナやべえ。晴れて僕は、国から普通なら信じられないくらいデカい借金をすることが出来ました。ありがとう日本。むしろ、そんな太っ腹で大丈夫なのか日本。ともあれコレがなかったら去年いっぱいでファイアーループはしょんぼり畳んでたと思う。革命には時間がかかるのです。

ただですよ、上でも書いたとおり「3年間は無利子、4年目から返済開始」な莫大な借金をしたのは間違いない。再来年、2023年の4月からは月に45万円ずつ返済です。できますか?できません。アッハッハーッできませんッ!!!そう、コロナが始まるまでの、ていうかバンドブーム的なバブリー時代のファイアーループの経営状況と照らし合わせたとしても月に45万円なんて大金、返済できるわけがないのです。じゃあなんで借りた。アホなのか?夜逃げでもするつもりなのか俺は。いや、断じて違います。

たった3年間で、ファイアーループ、およびライブハウス界隈ひいては音楽業界を「めっちゃ盛り上がってる」「めっちゃ儲かる」「しかも一過性でない」って高い高い次元に持っていかないと「○ぬ」ってことですよ!!!!妻子持ちのやることじゃねえ!!

これはなんなのだ!?ジャンプ漫画なのか?いやビッグコミックスピリッツあたりか??超難しい、レッドオーシャンなベンチャー企業を44歳にもなって始めるということなのか!?やっぱノータリンのアホなのか。ちがうちがう!もう最近めちゃめちゃ考えています。考えすぎて髪の毛がちょっぴり短くなりました。

ライブハウスはそもそも「音楽業界全体が盛り上がってないとどうにもならない」という性質なもんだから「ファイアーループだけ儲かる・生き延びる」みたいなことを考えても不毛です。それは明らかに滅びの道で、だから仮に「自分だけが助かること」を望んだとしても業界全体、はては日本の、もっと言えば世界のことまですごく広く考えなくちゃならない。じゃあそもそもライブを見るのって何がおもろいねん、音源聴くのって何がおもろいねん。ソシャゲやるより、ヒカキン見るより、(超巨大企業がこぞって盛り上げようとしている)VRやAR、XRで遊ぶより、何がそんなにおもろいねん、そんなプリミティブな部分からいっぱい考えて、「音楽そのもの」「文化そのもの」をアップデートしないと生き延びる道は無いと考えました。

話は前後しますが、コロナが始まった2020年のあれは4月頭くらいだったかな。古くからの親友が2人、連絡をくれて「zoom会議をやってみよう」ということになりました。で、そこで彼らから「もうライブハウスはムリだから、早く畳んだほうがいい」と散々に言われました。ですよねー、だよね!ぶっちゃけムリだよね。これには当時の僕も激しく同意です。で、彼らは口を揃えて言いました。「足立なら絶対なんとでもなるから、はやくライブハウスを諦めて他の仕事を考えたほうがいい」と。これはめっちゃ嬉しかったです。超・評価高いじゃん俺。でもね、どう考えても「ライブハウスより面白そうなこと」が出てこなかった。「ライブハウスを軸にして思いつく、色んなアイデア」が相当おもしろい。それこそブルーオーシャンなんです。ここを開拓しないまま離れたら、絶対に後悔する。

その後、去年6月のスタッフミーティングで僕は「業界復活の芽が見えなかったら2020年12月でここを閉めるので、みんな身の振り方を想像しといてくれ」と言いました。なんで2020年12月かというと、そこでギリギリ、ウチの撤去費用と「それまでにかさばるであろう赤字」が保証金でまかなえる数字だったからです。でも2000万円の借金は残りますから、これはなんか、うん自分でなんとかしよう(笑)目減りした借金を元手に何か考えて、固定費なかったらなんとでもなるだろ(笑)みたいな。何も言わずに「辞めます!」の第一人者として音楽業界から一旦カッコ良く去って、知らん間に別界隈の魔王になってた、みたいな。で、そこから音楽業界を救う、みたいなのも胸熱じゃないですか。なんのこっちゃですか?いや、僕は本気です!

ほいで、今。2021年10月。僕はまだライブハウを続けています。

今回のクラウドファンディングのお知らせのことを、僕はツイッターで「史上最大の告知」と言いました。

これは大げさな話じゃないです。今後も「史上最大」は続くと思います。「最大」は更新していくものなのです。で、どんどん革命を起こさないと気が済まない。ライブハウスはカッコ良くないとダメだし、楽しくないと意味無いし、それで僕はずっと笑ってウキウキしていたいんです。やっぱり悲壮感出てる?いやだいじょうぶだいじょうぶ、僕なんとでもなりますから。というわけで、引き続きがんばります!では!

【クラウドファンディングへのリンクです!】
https://camp-fire.jp/projects/view/505628

【おもしろい説明動画】
https://youtu.be/hLfU96bGY-Y

【LIVE STORAGE】
https://fireloop.net/livestorage

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志




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プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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