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【連載】オ客ハ読ムナ。/第22回

<毎週土曜日連載>




見る目がないね?ファッ○ン!業界人!!

すっかり寒くなってまいりました。

久しぶりに通常営業の「オ客クハ読ムナ。」

お客さんには縁のないここだけの話を。

さあ、お客さんはここで退出だ。

▼タイトルは完全に釣りです(笑)

ちょっと過激なタイトルにしてみました。

ごめんなさい。

今日は、あやふやに使ってるであろう「業界人」という言葉について、ちょっと書いてみたいと思います。

業界の話なんでね、

お客さんは読まないでよね。

うふ。

さて。

このミュージックラビッツはバンドを中心とした音楽情報サイトなので、

ここを楽しみに読んでくれている人はきっと音楽/バンドファンの方が多いと思います。

なのでここで言う「業界」とは「音楽業界」を指す言葉として進めていきます。

「音楽業界の人」を指す言葉が、つまり「業界人」。

しかし「音楽業界」と言っても幅広いですよね。

なんとなくですけど

レコード会社やレーベル、事務所の人、放送関係系の媒体の人、イベンターさん…

などを指して、業界人と呼んでいる人が多いようなイメージです。

たまに僕みたいなライブハウスの人を「業界人」扱いする人と会うこともありますが、

いやいや、他のライブハウスの人はさておき、少なくてもオレはただの一般人や。やめてくれ(笑)

恐縮すぎます。

そう。

僕みたいな、特に地方のライブハウスの人間っていうのも、音楽業界の端っこにはいてるとは思うんですがね。

職種としては全然ちがうものだとは思っています。

▼10年前の倉坂と業界人

僕らみたいな地方のライブハウスの人間にとって、

いわゆる「業界人」というのは

似たものを扱って、

似た仕事をしているようで

実はぜんぜん別の仕事をしている

何をしているのかわかるようで、わからないような

コンプレックスの対象のような

そんな存在。

10年以上前の話ですけど、

少なくてもライブハウスの仕事をはじめた頃の僕にとってはそんな存在でした。

今でこそ偏見もありませんし、仲良くさせてもらってる業界人さんも増えましたけどねぇ。

ちょうど10年前ぐらいの話になるのですが

その頃、一番応援していた某バンドが、当時、僕が働いていたライブハウスではじめてワンマンライブをすることになりました。

記憶があやふやではあるのですが、

僕が働き出した頃は内情も評判もぶっちゃけボロボロのライブハウスでした。

それをなんとか立て直して

やっと地元の若いバンドの子たちが定期的に出演してくれるようになり

オリジナル曲を演奏するバンドも増え、「地元バンドのシーン」と呼べそうなものが少しだけ出来はじめてた頃でした。

そんな中で、その某バンドが先陣を切ってワンマンライブをしてくれることになったわけです。

ブッキング歴まだ2~3年の頃でしたが、そりゃブッキングの倉坂さんもはりきります。

「業界人」さんと名刺交換だけはしていたので、「遊びに来てください」とメールを送りまくりました。

結果

惨敗。

返信すらくれない人もたくさんいました。

たしか地元のコミニティFMのDJさんが一人来てくれたぐらいだった…と記憶しています。

ワンマン自体は100人ぐらいのお客さんが来てくれて大盛況ではあったのですが、

なんだかその点だけに関してはモヤモヤが残っておりました。

幸運にもその某バンドは評判がよく、人気も少しづつ出ていきます。

そんな頃に、業界人さんの集まりに幸運にも紛れ込むことができました。

お酒の席ではありましたが、僕もこれはチャンス!とばかりに

その某バンドの資料を「よろしくお願いします!」と、必死に業界人さんに渡すわけです。

これもまったく相手にしてもらえずでした。

これ、いまだに覚えているんですが

倉「いま僕が勝手に応援している○○というバンドです。よろしくお願いします」

業「はーい。いやー、東京カランコロンやばいよねー!良いよねー!」

倉「??」

一瞬、思考停止。

東京カランコロンは良いバンドだけど

知ってるけど

今、オレ、東京カランコロンの話してないよ?

うん?

日本語通じてる??

しかし

これとほぼ同じやりとりを、その夜、同じ場所で5人ぐらいとしました。

そこで結論。

うん。

なるほど。

この人達はそもそも興味ないんだ。

僕がそれに気づくのにそんなに時間はかかりませんでした。

悔しくて半泣きになりながら夜道を歩いて帰ったのは内緒の話です(笑)。

僕も若かった…。

さてさて、若くてやる気にあふれた地方のライブハウスの人間が、こんな経験を重ねてしまうとね、

今でこそ、周りでメジャーデビューするバンドもたくさんいますが

特にその頃はメジャーデビューなんて夢のまた夢…みたいな環境でした。

倉坂さんのなかで、業界人さんへのコンプレックスが膨れ上がっていきます。

その後、その某バンドはどんどん人気が出ていき、メジャーデビューも視野に入ってきます。

その頃になると、あの頃に相手にもしてくれなかった人達が、徐々に手のひらを返しはじめるわけです。

「いやー、○○は昔から知ってるけど!!」

みたいに。

僕からすれば「いやいや!あんた、オレが2年前に送ったワンマンの誘いのメール無視したやん!?今さら何を言ってるの!?」と(怒)

そんななかで膨れ上がった、業界人へのコンプレックスの行きつく先は?

盛大な逆恨み。

仮想敵として設定する「業界人」さん。

そして、ここでやっとタイトルです。

『見る目がないね?ファッ○ン!業界人!!』という思考に繋がっていくわけです。

もう完全に『ファッ○ン!業界人!!』ですよ。

全員、地獄に堕ちろ!ぐらいに思ってました。当時は。

本当に若かった。

お恥ずかしい限りです。

いやー、若かった。

正直、今はそんなこと全然思ってないんですけど。

▼倉坂さんクールダウン

で、その某バンドも無事にメジャーデビューをはたして上京。

完全に僕の手を離れるわけですが、その辺りで少し僕も冷静になってきます。

そもそも、「音楽/バンドを扱う」という共通点はあるものの、

いわゆる業界人さんと、地方のライブハウスの人間では、見てるものもそこに期待しているものも違うんです。

仕事内容が違う。

そんな当たり前の話。

初期段階から、その某バンドの音楽の良さに気づき応援していた自分のアンテナの感度は優れていて

それをわからない業界人のアンテナの感度はクソ!みたいに当時は思っていたんですが

いや、そういう事じゃないんですよね。

そもそも判断基準が違うので、けっきょく「フ○ック!」とか言ってたのも、僕のただの逆恨みなんです。

例えば10段階評価の「かっこいいレベル」というものがあったとして

その数値が2とか3でも全力で応援してあげたり、

バンドに「君たちはかっこいいよ」と評価してあげられるのが、地元のライブハウスの役割。

でも業界人さんというのは、その「かっこいいレベル」が例えば5以上になった時にはじめて反応できる職種なんですよ。

単純にそれだけのことだったんだなぁ…と、冷静になって急に気づきました。

当時は3年ぐらい、ずっと怒ってたんですけど(笑)。

もっと言うと、例えば5人ファンがついたら

このファンをどうやって100人増やそうか!?とバンドと一緒に考えるのがライブハウスの人の役割なら

業界人さんは100人いるところからスタートなんですよね。

意地悪な書き方をすると、100人のファンが騒ぎ出してやっと、そのバンドの存在に気づく…というか。

業界人さんのアンテナの感度が低くて、僕のアンテナの感度が高いわけではなくて

そもそもアンテナの立て方が違うというか。

あの頃の「業界人!ちくしょー!!」っていうのはモチベーションにもなってましたし、

あれはあれで今思えば良かったのですが

今なら逆恨みする前に、あの人たちが反応できるようにちゃんと作戦を立てたり、いろいろと整えたりとか、

プレゼン方法を練ってから行ってたかなぁ。

裸で考えナシにつっこんでいっても、そりゃ相手してもらえないよね…と。

単純に仕事の仕方がガキだったよなぁ…と、思い出すと恥ずかしくなるエピソードであります。

だから「業界人」という単語だけ聴くと、嫌悪感を持ったり、逆に委縮してしまうようなバンドマンもいるかもしれませんが

その時にわかってもらえなくても、仕方ない…みたいな開き直りもありなのかな?などと今なら思います。

わかってもらえるように、もっと良い曲を作るとか、ライブをよくするとか、MVの生成回数を伸ばすとか

「ファ○ク!」とケンカを売るなら、やることしっかりやってからケンカを売りたいもんです。

…なんか「業界人の話を書きます!」とはじめたものの、例のごとく、自分の思い出話になってしまいました。

仕方ない。

僕の文章なんてこんなもんさ。

後日談になりますが、幸運なことにその後もいろんな業界人さんと仲良くさせてもらう機会がありましたが

偉くなればなるほど、物腰もやわらかで対応も丁寧でちゃんとしてる方が多かったです。

僕ごときにこんなに丁寧に対応してくれて恐縮です…!みたいな。

偉い人はちゃんとしてるんだなぁ…と感心したものです。

こういうのはどこの業界も一緒なんだなぁ…と思ったり。

ただ、アンテナの感度の話を書きましたが、

コロナ禍以降は特に業界人さんの方が、ネットを中心にアンテナを立てまくっていてるせいで

かっこいいレベル3ぐらいの音楽に詳しくて

ライブハウスの人間の方がその「現場感」が仇になって情報的に遅れてしまっている

…と、あの頃と逆転してしまってるような印象もあります。

こういうのも、なんとか上手くバランスをとって、自分のお仕事につなげていきたいもんです。

…うーん。

今日のこれは読んでいて楽しかったのでしょうか?

それはわかりませんが、それでも連載は続きます。

僕のフリースペースだから。

好きに書かせてくれよ。

そして偶然にも、

今日は文中で取り上げた、その某バンドのツアー初日

なんばハッチでライブがあるので、久しぶりに顔を出しにいきます。

楽しみです。

では来週も生きていたらお会いしましょう!

シーユーネクストウィーク!!

The denkibran(Vo./Gt.)&南堀江kanve(ブッカー)/倉坂直樹

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過去の連載記事

The denkibran/今日の1曲

https://youtu.be/tGgjD7AiMYM

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