【連載】ポルネオ倉庫〜コラム編〜/第20回

<毎週金曜日連載>
革命
Portoneon(ポルトネオン)うえでぃーです。
今日は少し難しくてマニアックな話。
そういえばありがたいことに業績を落とすこともなく僕の会社millioneonが1周年を迎える。
この会社は元はと言えばPortoneonのために設立した。
コロナが始まる前に東京でお世話になっている、信頼する音楽業界裏方の先頭を現役で走る人たちが口々に時代の移り変わりを僕に話してくれた。
そういえば同時期に僕も色々調べていた中でアメリカなどのミドルクラス(3,000〜5,000人規模のホールクラスのアーティストを海外ではこういう呼び方をする)はもはやBaisdenなどの支援を受けながら、メーカーなどを付けずに自主で活動する傾向が顕著に見られ始めていた。
Baisdenに関しては詳しくは割愛するが、要はアーティストが設立した会社に株式パートナーとしてパートナーシップ制度を結び海外風に言うならば、フルタイムで音楽活動に専念できる場所を捻出している。
実際にSpotify経由の収益でマジソンスクエアガーデンという最高峰のアリーナを埋め切った、バックミュージシャンの集まりも現れるくらいだ。
YouTubeで紅白出れるまで終われないと題しているのに、ミドルクラスを目指しているわけ?と指摘されそうでもあるがここ最近日本では特段話題になっていないのが不思議なくらいの話題がある。
テイラースイフトがデビューから所属していたレーベルとファンをも巻き込んだ大騒動に今直面している。
簡単に言えばデビューアルバムから6枚目のアルバムの原盤について大揉めの状態になっているのだ。
まあそこは色々日本とは違って間にものすごい巨大なプロデューサーも入って来るので、厳密には日本の形式とはやや相違する部分はあるが
これによってテイラースイフトがSNSを通じて「権利が戻らないならその楽曲を全て再度レコーディングし直す。それまではその曲はやらない。」などの声明を発表してファンが、元レーベルに対して非難を集中させているという事態にまでなっている。
日本でも売れてない奴が何生意気にアメリカの音楽事情をレポート形式でまとめあげてるんだ。という声も聞こえてきそうだがアメリカ、そして近年では韓国のK-Popも凄まじいクオリティかつ音楽市場を築き上げている中で、こうした流れというのは少なからず日本にもここから5年後くらいには影響を与え始めるのが過去の成り行きだ。
というか少なからず日本の音楽業界を牽引するような人で、そういった流れを汲んで大手から離れて独立しアーティストを個別でマネージメントしていく動きも実際に起きている。
これは僕が肌身そしてその目でちゃんと見てきた事実だ。
去年から始まったコロナ禍はこの事象に対して火を付けている。
SNSというプラットフォームで火が付いて、アーティストが無名の状態かつ公演実績なしの状態から慌ててレーベル・メーカーが囲い込みを始め紅白までのし上げた例もなんとなく想像力豊かな方ならこの国でも目にしただろう。
この辺の話は書けばキリがないが、必ず大きくうねりをあげて過去の概念が流れを変える瞬間が来る。
きっとほとんどのリスナーの方々は気付けばそうなっていると言うことに気づく。
ただ僕のようなアーティストサイドはそれではダメだと思っている。
勘違いしてほしくないのは日本の大手が古いと言っているわけではない。
実際に数多くの功績を未だ残し続けているし、先述の僕が知る、そういったところで闘っている人たちは百戦錬磨なので本当に歯が立たないくらい強い。し、先見の明がある。
だから真似事のように僕はそういった人たちの話からPortoneonを守るために、訳もわからないまま顧問税理士・弁護士、頼れるスタッフと共にmillioneonを設立した。
そこにいずれ大きな力に必ずなるのが今、フリーランスと呼ばれる音楽業界の裏方土台を模索しながら懸命に闘う人たち他ならない。
要はこのコラムを載せてくれているミュージックラビッツの編集長倉田さんみたいな人たちだ。
こうやって頭に浮かぶ人たちがたくさん出て来るが、いつか必ずこういった人たちが大きな革命を起こす時代が目前まで来ている。
少なからず勝手な予想だけど、まあまあ高い確率でこれは当たると思うな。
だから今日も僕は負けじと頑張ります。
Portoneon/うえでぃー(Gt.)