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【連載】ポルネオ倉庫〜コラム編〜/第18回

<毎週金曜日連載>




半分実話、半分フィクション

Portoneon(ポルトネオン)うえでぃーです。
最近YouTubeで新しいミュージックビデオである「リンゴアメ」を出した。

https://youtu.be/TkUMaiV7Akc

半分は実話だ。そして半分がフィクションである。
なんだかよくわからないなという人もいると思うが、冒頭のドラマで出てくるシーンで内田くん(男の子のキャスト)の台詞で、

「その…なんだっけ。再生不良なんとかって病気治るの?」

と言っている部分がある。
これは再生不良性貧血という指定難病60に入っているものである。
血液中の白血球、赤血球、血小板すべてが減少する状態である。

わかりやすく言えば、これが起きると新しい血液が生成されにくくなるため
例えば足を擦りむいたり、歯茎から血が出ただけで止まらなくなるというやつだ。
しかも外からやってきた細菌などに弱くなるため敗血症などの重篤な事態を起こす場合がある。

実はこの辺は全て実話である。
僕はこの病気と闘って勝ち抜いた子を知っている。

まともに5時間くらい一切息ができない日が何日も続いた。
確か僕の記憶では、2週間弱だった。
これが不定期でやってくる。

息を吸おうにも吸えないのだ。なんなら吐くこともできない。
体は極度のパニックを起こすと、筋肉が硬直して思い通りにコントロールできなくなる。
要は鼻をギュと指で挟んで、口を一切開けずにいる状態に等しい。

一度リズムを整えて呼吸できたとしても、寝てしまうとまたその状態に陥るので次は恐怖で睡眠という選択肢をとることができなくなっていた。

5日間1秒たりとも寝ない日もあった。
ただひたすらに時計の針を見つめて、呼吸が苦しくなれば地獄が過ぎるのをただ待つ。
壮絶な日々が確かにあった。

そんな想像するに耐えない日々にその子は打ち勝った。
ある日突然、呼吸状態が元に戻ったのだ。
担当医も懸命に戦ってくれていた。
でもそんな医者ですら突然のその回復が起きたのか今でもわからないらしい。

生きることへの尋常ではない執着が、指定難病を打ち破った奇跡を僕は見た。

そしてその子が回復したとき言っていた言葉に僕は驚いた。

「りんご飴が食べたいなあ。」

あまりにも平凡な理想が彼女にはあったのだ。
人にとって1番の幸せは突然大富豪になったりだとかそんな話じゃない。
自分が経験して、ふと楽しかったことや幸せに感じた経験からくるその瞬間をもう1度味わいたいのだ。

だからあのミュージックビデオには特段ド派手な演出などは盛り込んでいない。
当たり前にあって、叶えられる “ はず ” の日々を流している。

あの作品は、その子が勝ち抜いたから生まれた作品なのだ。

Portoneon/うえでぃー(Gt.)




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Portoneon/今日の1曲

https://youtu.be/vKdClb3Mcp0

アーティスト情報




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