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【連載】ファイアーループ足立のライブハウスなんかやめてやる!!/第54回

<毎週日曜日連載>




僕らは宣伝に支配されている

バンドやってる皆さんにとっては耳にタコが出来るくらい聞かされたであろうセリフがあります。

「もっと宣伝しろ!」

う~んイヤですね!よくわかります。でも例にもれず、僕も散々バンドには言ってきました。僕がいくら「このバンド最高だよ!!」「このイベント最高だよ!」「この日は絶対に来た方がいいよ!!」って言ったところでぜんぜんお客さんが来てくれないんです。まだまだ影響力が低いなとガッカリする一方、やはりコンテンツの源であるアーティスト本人が自らの宣伝をした方が効果が高いと確信を持っているからか、僕は最近バンドやイベントの宣伝をしなくなってしまいました。

諦めすぎですか?怠けているように見えるかな?ライブハウスはもっとちゃんと宣伝しろって叱られそうですが、僕は僕で「ライブハウスならではの効果的な、本物の宣伝方法」をずっと探しています。ライブハウスを始めて以来ずっとです。PAを研究するのも、配信の音にこだわるのも、お店を改装するのも、スタッフと相談するのもこんなコラムを書くのも、広義では「宣伝」。バンドはバンドで、自分のライブショーに自信をもって「ぜったい面白いから見においで!」とぜひ多くの人に言ってほしいし、気分よくそれが言えるために自分たちの納得のいく、良いライブ音楽を確実に提供できるようになってほしい。なぜなら、それが一番リアルで、正直で、クリーンかつ人のニーズに直結する「超最強の宣伝」だからです。お互い、いちばん得意かつ楽しめることで頑張りましょう!

しかしながら、バンドはなかなか自分のライブの宣伝をしてくれません。なだめてもすかしても宣伝をしてくれません。最高のライブをするバンドで、自分たちもその自負がある、そんなバンドでもぜんぜん宣伝しない。誘わない。これは一体なんなんでしょうか。これは単なる「後回し」とか「なまけ」「人任せ」ばっかりじゃなさそうなんです。ぼくずっと考えてたんですが、ひとつ腑に落ちたことがあるので、ここで書かせてもらおうと思います。

それは、世の中の「宣伝」というモノの殆どが「嫌われる邪魔なもの」だからなんです!

誰だって人の邪魔をして嫌われたくないんです。うっとおしいと思われたくないんです。だからみんな宣伝しないんです。違いますか?

宣伝なんて無いに越したことないです。テレビはどうですか?無料で観れる代わりにイイトコロで中断してCMが入りますね?僕たちは仕方なくCMを見ます。CMが終わってドラマの続きが始まるのを待っているのです。こんなこと言うとCMを「作品として」頑張って作ってる人達に申し訳ないけど、CMはやっぱ、メインコンテンツ目当ての僕らからしたらマジで邪魔なんです。例えば、ツイッターでは邪魔な宣伝があたかも友人のツイートのようにタイムラインに出ますね。スマホでゲームをしても合間合間に宣伝、ネットの記事を見てもあちこちに宣伝、家のポストをのフタを開いても宣伝まみれ。何をしていても身の回りに宣伝宣伝宣伝。世の中に宣伝は満ち溢れていて、残念ながらその殆どは「邪魔」で嫌われるものなんです。邪魔じゃないよって思ってる人は、慣れてるだけの優しい人なのかも。本当に誰にとっても邪魔じゃない宣伝なんて、ヒマな電車通勤中「ヒマつぶしに」ぼーっと眺める吊り広告くらいなもんですね。ほかはぜんぶ邪魔!!

だから、バンドはみんな宣伝をしたくないんではないかと僕は考えたのです。みんな生まれてこのかたずーっと大切な喜びを邪険にされてきたせいで、「宣伝」に対してのアレルギーがある。で、そのムカツクこと、間違いなく友達から嫌われることを自らやりたくない。自分は嫌われてナンボとかじゃなく、みんなに愛されるアーティストでありたい。これならよくわかる話ではないでしょうか。少なくとも、僕は間違いなくコレなんです。

だからといって宣伝しなくていいというわけではありません。「売る」ためには宣伝は絶対に必要です。むしろ、宣伝しないとマジでなーんにも売れません。どんなに良いもの、超ミラクルスーパー優れたモノでもまずまず売れません!!!これは先人たち全員が同意するくらいの、めちゃめちゃ強いめの真理なんです。では我々は何か、例えばCDやライブチケットを売るために「嫌われるのをぐっとガマンして泣きながら」やりたくもない宣伝をし続けなければいけないんでしょうか。僕らは宣伝するために生まれてきたんでしょうか。もはや人類は「宣伝」に支配されているんでしょうか。

僕はここに、デカい組織をぶっ倒すくらいのすげぇアイデアが出そうな、ワクワクする未来を感じています。人に不便を強いて宣伝をするしかない、それが今のクソ資本主義のクソ限界だと思っています。予言しておきますが、既存の巨大検索エンジンやネット通販はこの先、どんどん僕たちにとって不便で腹の立つくだらないものになり下がります。「僕らが欲しいものじゃなくて、僕らに売りたいものをいかにして売るか」という活動に終始せざるを得ない彼らは、僕に言わせると「虚業」と言わざるを得ない。これに僕は長らく憤りを感じていて、なんとかアートのちからで突破・打破できないかと考えているし、意外と簡単にヤレると思っている。だからライブハウスを続けています。

上でも書いた「自信を持つこと」転じて「イイものを作っている、イイものを売っている、だからたくさんの人に届けたい」をいう純粋な気持ちが、皆さんの思う以上に、この世界をひっくり返すくらい強力な武器なのです。これは革命です。僕が欲しいのは革命なんです。最近、やっとですが僕がやるべきことが見えてきました。みなさまどうお過ごしでしょうか。感想は怖いからいらないです。うーん今回はカッコつけすぎましたね?ほなまた!

ライブハウス『Fireloop』店長/足立 浩志




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プロフィール

足立 浩志

大阪府大阪市のライブハウス

寺田町Fireloop』店長

Twitter:@adatinc

大阪にある、寺田町Fireloopという面白ライブハウスのオーナーで店長です。大喜利が大得意ですが、気の利いた答えを出すまでに1日かかります。

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