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【ライブレポ】かわむらいさみ/常に変化し聴く人を魅了し続ける、彩鮮やかな2時間

「多才で多彩」

私がかわむらいさみを表すとしたら、この一言に尽きるだろう。
様々なテーマの、様々なシーンの音楽を創り出し、声も表情も目まぐるしく変化していく。
心地良さも激しさも巧みに使い分ける。
けれど本人はそんな難しいことは考えていないのだろう。
なぜならそれは彼の魂そのものから溢れてきたものであり、決して作ったものでは無いから。
聴く人の頭を真っ白にさせるくらい引き込み、夢中にさせるかわむらの音楽の力。
かわむらから溢れたストレートなメッセージは、曲に込められ、どんな人にも響く。

多才で多彩なのだ。




9月1日(水)に開催された、かわむらいさみ有観客ワンマンライブ@新宿MARZ。

新宿MARZ(https://twitter.com/MARZ_twit)

主役は、かわむらいさみ(Vo./Gt.)(https://twitter.com/isaviewtiful)。

かわむらを盛り上げるバンドメンバーは、以下の4人。

篠崎哲也(Ba.)/https://twitter.com/shinotetsuBass
伊藤つばめ(Gt.)/https://twitter.com/tsubame_inc
ダーマ(Dr.)/https://twitter.com/drdaama
杉本哲也(Dr.)/https://twitter.com/sugi_molt

お気づきかもしれないが、今回、ドラムがふたりいるのだ。
つまり、ステージにドラムセットが2台並ぶ。
この様子は、後半でレポートしているのでお楽しみに……!




かわむらワールドの開幕

初っ端から太い!厚い!サウンドで幕を開ける。
そこへかわむらの妙に落ち着きのある「ようこそ」の一言。
様々な音で我々を魅了する、かわむらの魅力にハマるには充分な幕開け。

さて、はじめてかわむらワールドを味わう筆者。
セトリごとにその多彩さと多才さが伝われば嬉しい。

まずは、かわむら(Vo./Gt.)、伊藤(Gt.)、篠崎(Ba.)、ダーマ(Dr.)でのバンドセット。

1.Pile na cool

英語詞のPile na coolで、最初から飛ばしていくのに、どこか落ち着きがある。
サウンドの深みは、下へ下へどっしりと根を張るよう。

2.マンビキはダメよ

サウンドの重みはそのまま、軽快でポップな曲。
メリハリのあるメロディが心地良い。

「万引きしたことある人、いる~?」

というMCに、ざわつく会場(笑)
こうした雰囲気も、またライブ感。
でもね、マンビキはダメよ。

3.エビフラワー

母への想いを歌った曲。
子への無償の愛。

これを聴いたら、母に「ありがとう」と素直に言いたくなる。
どんなに歳をとっても、母はいつまでも母。
離れて暮らす母に会いたくなって、こんなギスギスした世の中にいても心がじんわりと温かくなった。

4.Never say ever

若くして家庭に入った女性と、或る男性の物語。
男の帰りを待つばかりの、やりたいことをやり残した女性。
不穏な雰囲気も垣間見える場面もあるが、幸せな家庭なようで少しホッとしたよ。




ツインドラムの重厚感

ここで杉本(Dr.)が加わり、ツインドラムパートが始まる。
圧を存分に味わえる重厚感のあるサウンドはもちろん、風神雷神のような鉄壁の見た目も、とても映える。
ライブハウスを支配し、腹の底から響く音が爽快だった。

5.ふきのとう

福島に住む友人の言葉、津波で父を亡くした家族との出会いをきっかけに作った曲。
ちょうど筆者は福島出身、“阿武隈”というワードが思いがけず聞けて嬉しかった。
かわむらの優しくも芯のある声で紡ぎだされるシンプルでナチュラルな言葉。
優しく語るような、でもどこかしゃれた音色の伊藤のギターが故郷の素朴さを際立たせる。

6.see you next world   

一変してリズミカルで都会的な疾走感あるナンバー。
息をひそめながら、ネオン街やビル街を進んでいきたい。
あくまで前向きに、そして美しく。

7.玖雲

曲の出だしからこのゾクゾク感、なんだろう。
純粋な音とかわむらの創り出す世界をひたすらに浴びるのには贅沢な、インストナンバー。
どんどん音が広がり、会場に充填していく。

心は熱くなるのに、リズム隊とかわむらが刻むギターの理論的な美しさと、伊藤のじわじわと気持ちよいラインのギリギリを攻めながら広がるギターが交わる点に居られたことを、ただ光栄に思う。

8.椅子取りゲームで人生ゲーム

椅子取りゲームというシンプルなもので人生を表す、実は深い曲。

大きなテーマを日常やシンプルな表現に置き換えて表すことで、リアルさを鮮明に感じ、“自分事”として捉えることが出来る。
そこがかわむらの凄いところだし、日々どんなアンテナを張って生活しているのか、気になって仕方がない。

リズムの変化が面白く、切り替えはまさに職人技。

そして見せ場、ツインドラムのドラム対決。

ジャズ上がりのダーマ、ロック上がりの杉本。

それぞれの個性が爆発してどんどんヒートアップし、最後はぶつかり合う…と思いきや、ピッタリとフィニッシュ。
これは迫力が物凄い。
客席からも拍手が湧きおこる。

ツインドラムの仲の良いカウントで曲が再開、ポップで明るいメロディ、コーラスがとにかく楽しそうだ。
声出しが出来ないライブをここまで憎んだことがあるだろうか(笑)

9.謝る勇気

イントロで持っていかれました。
泣ける曲。
終始目まぐるしく動き回るギターのメロディをクールにこなし、曲全体を包み込むように奏でる伊藤が見事だった。
篠崎の優しいコーラスが入ることでサウンドだけではなく歌詞の素直さと強さに厚みを与えている。




アコースティックセットでも魅せる

ライブも中盤。
かわむらとダーマを残し、他のメンバーはステージを後にする。
ふたりきりのステージで、先日誕生日だというダーマへさりげなくハッピーバースデーを歌うかわむら、粋な男だ。

ドラムセットからカホンに持ち替えたダーマと、アコースティックギターのかわむらによる楽曲で、会場はゆったりした雰囲気に包まれる。

ここで水鉄砲(銃のおもちゃ)にまつわるダーマのキレキレのトークも(笑)

戦争で使った鉄砲に水をいれて打ち合って遊ぶ。

これは平和の象徴ではないかとかわむらは言う。

災害の起きた岡山で子供たちとびしょびしょになるまで水鉄砲で遊んだ帰り道に出来た曲。
子供たちが何も考えずに水鉄砲でずぶぬれになるまで遊べる、平和な世の中に、願いを込めて。

10.みずてっぽう 命のバトン

「自分の生きたいように生きたい人生を選んでね」という力強いメッセージを込めて、平和への想いを込めて、力強く歌い上げる。

今の平和な世の中を過ごしていけるのは、少し前の時代に起きた残酷な出来事、そこで戦っていた尊い命のおかげ。
今一度、誰かのために花びらのように散っていった彼ら彼女らのことを胸に刻み、尊い日常を生きたいように生きていこうというメッセージが、突き刺さる。

平和をテーマにした曲をちゃんと聴いたことなかったが、今の世の中にフォーカスを当て、そこからの目線で歌うからこそ、痛いほど胸に突き刺さった。

ラストのギターはもはや「祈り」のよう。
鐘の音にすら聴こえる。

「祈りを」は最後の歌詞でもある。




さらに彩り鮮やかなステージへ

再びバンドセットへ。
ドラムは杉本。

11.ソメイヨシノ

エウレカ座(https://twitter.com/eurekaza)によって、舞台化された曲。

“ソメイヨシノ”という曲でデビューするはずだったバンドーそれを今に蘇らせ、アイドルに歌って踊らせる、といったストーリー。
この舞台には、かわむら本人も出演した。

変化球なテンポが面白い曲。

桜色のライティング、リズム隊のシンクロが心臓の鼓動のようで、グッとくる。

ロックなのにポップ。

青春のような青臭さの中に、シティポップの主人公になったような大人っぽさも垣間見える、時代を超えて様々な情景を体験出来る。
歌詞とメロディで感情の機微を絶妙に表現し、大変爽やかな後味を残す見事な曲。

12.When i crap my hands   

英語詞もさりげなく渋く歌い上げるかわむら。

イントロから、夜の海が近いビル群を軽快に駆け抜けていく様子を想像した。

サビはまさに大人の疾走感って感じがして、楽しい。
たまには小粋にステップでも踏みたくなるよね、そんな日にこの曲をお供にしよう。

ソロでギターが絡み合うところはアバンチュールのような危険さと気持ち良さ、その後の鋭いドラムで持ち直す。
でもねメロディの心地良さはとまらない、今日からあなたのプレイリストに入れましょ。

13.Call me Baby 

出だしが面白い!

電子音楽感が、とても良いスパイスになる。

かわむらのセクシーな声にドキッとするリスナーも多いのではないか。
伊藤の空間を包み込むようなギターに身を委ね、その声をひたすらに追いかけたい。

サビのベースの音の変化がハッキリ聴こえ、雰囲気をグッと引き締める。

それにしても、かわむらの声の変化には感心してしまう。

様々な顔を持ち、その度に我々を惹き込む。

今夜はかわむらに振り回されたい。

14.Re:member  

会いたくても会えない全ての人に送る曲。

かわむらの伸びのある声に瞬時にして持っていかれ、気付いた時には空間に彼の音楽と2人だけになったような気分になる。
そこには、今、会いたくても会えない人の残像があるのかもしれない。

15.Finding you 

心がとても暖かくなるブライダルソング。

日常と、そこに潜む細かやかな感情を丁寧になぞったナチュラルな歌詞。

これ貰った人は泣いてしまうと思う。

伊藤からかわむらへとリレーされるギターソロは、まるで新郎と新婦とのやり取りのようにすら思えた。

泣ける曲だが、あくまでしっとりし過ぎずテンポよく進んでいくのは、伊藤の冷静でハッキリとした切れ味の鋭いギターと、理論的で正確なリズム隊のおかげだろう。

ライブ会場に広がるコーラスは、流石に泣けるね。

「不要不急なものを活力にしている人だって沢山いると思うし、人生の大事な方にフィードバックしていけるとも思う。不要不急のものを不眠不休で、音楽を創っていきたい。」と話すかわむら。

何が不要不急かなんて、人それぞれ。
今まさに彼の音楽を求めているお客さんを前にしてステージに立つ彼らの幸せそうな顔を見たら、音楽が不要不急だと、私は思わない。

それぞれの葛藤と信念の中で、自分で不要不急を決めて行動する。

それが今、音楽界に留まらず、私たちに求められていることなのだろう。


不眠不休でアレコレ考えてしまうような厳しい世の中でも、彼が不眠不休で創った音楽があるだけで、ちょっぴり強くなれる。

おまじないのように、このライブレポにそっと付け加えておこう。

16.Can’t go BACK    

イントロ、伊藤のギターが吠える。

ラスト曲ということを抜きにしても、溢れて止まらないバンドのエネルギーが凄い。

篠崎のベースと伊藤のギターがピリッと効いたスパイスになる。

リズムのメリハリ、休符に生まれる一瞬の静寂が見事だった。
会場も巻き込んでひとつのバンドと化しているような、そんな空間が広がっていた。
これこそ、ライブハウス、そして生音の醍醐味なのだろう。




最後の最後まで、かわむらに驚かされる

ここで、メンバー全員がかわむらTシャツにお色直しをしてのアンコール。

17.煩悩破砕菩薩心 

出だしから不思議な世界観の、骨太ロック。
温まり切ったステージで魅せる、男のロック。
どこまでも安定しつつも主張を怠らない太いベースが心地良い。
アウトロの伊藤のギターで一気に上昇したと思ったら潔く曲を閉じる。
カッコよかった。

18.あんたがすきや (すき家のニンニクの芽牛丼非公式ソング)feat ふくどん

ここで、かわむらいさみスペシャルナビゲーターの、ふくどんが登場。

つぶらな瞳のふくどん、流石の貫禄と歌声。

すき家さんのニンニクの芽牛丼の素晴らしさをひたすらに歌った曲だが、カッコよすぎやしないか。

とにかく楽しそうなメンバーの姿が心地良い曲だった。
それにしても、腹が減る。
明日は、すき家に行こう

19.幸せの道

かわむらの力強いボーカルに乗るバンドにグッとくる、ラストにふさわしい曲。

彼の痛い想いが詰め込まれた、情けないくらいに鮮やかでリアルな曲。
誰かに元気を届けるために、誰かの心に寄り添う音楽を創り、届け続けるという彼の強い信念。

あまりに綺麗である。

こうして沢山の人がかわむらの音楽を求めて来るということは、揺るがない事実。

少なからず私はライブ会場で、かわむらいさみバンドを浴びることが出来て幸せだったよ。

温かい空間に、心が熱くなった。




かわむらの音楽を浴びてから見る街は、どうしようもなく透明だった

かわむらの七変化に驚かされ続けた約2時間。
とても綺麗な、素直な気持ちになって、会場を後にする。
行きに歩いた道が、また一段と凛としてクリアに見えたのは、9月の涼しさだけではなく、少なくとも何かを彼から受け取ったからだろう。

また生音を、空間を味わいに行きたい、そう思わせるアーティストだ。

セットリスト

  1. Pile na cool(MV:https://youtu.be/Zfj_DIwslrs
  2. マンビキはダメよ(MV:https://youtu.be/rHh1sFh0UXI
  3. エビフラワー(MV:https://youtu.be/NOy0_Y3UsFI) 
  4. Never say ever
  5. ふきのとう(かわむらいさみ、小柳和之、杉本哲也、星知輝)RABUTORA(MV:https://youtu.be/9wMBc820kRc
  6. see you next world   
  7. 玖雲
  8. 椅子取りゲームで人生ゲーム(MV:https://youtu.be/a8anZY55jRY
  9. 謝る勇気(MV:https://youtu.be/QP9JQhZkQTc
  10. みずてっぽう〜命のバトン〜(MV:https://youtu.be/hKw60R0dJiQ
  11. ソメイヨシノ
  12. When i crap my hands(MV:https://youtu.be/0gnYqZpUiVo
  13. Call me Baby(MV:https://youtu.be/htbb6Y7U1YA
  14. Re:member(MV:https://youtu.be/idRJDgL_9Uw
  15. Finding you
  16. Can’t go BACK(MV:https://youtu.be/d7HqyTBtxlE
  17. 煩悩破砕菩薩心
  18. あんたがすきや (すき家のニンニクの芽牛丼非公式ソング)feat ふくどん(MV:https://youtu.be/WnUmYVeFTb0
  19. 幸せの道




アーティスト情報

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(Photo by かわむらいさみ / Text by あべMarie




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