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【連載】カセットテープに吹き込んで/第3回

<隔週金曜日連載>




kajuhiroの駄文その1「蝉と髪」

残念!
今回はPUTAINSのドラムスkajuhiroによる駄文のコーナー!
次回のMSYKの更新をお楽しみに!
さようなら!

「蝉」

マヨイガ /羊文学

https://youtu.be/W4TOXpA7ktI

先日原付で帰宅途中、自宅マンション駐輪場のすぐそばでセミを轢いた。

や、実際は間一髪。セーフだったようだ。

しかしながら既にセミはひっくり返っていて動かない状態であった。そう、元から死んでいたのだ。

しかし、それはそうとして、なんてことだ。このままではこのセミはいずれ誰かに踏まれてしまうぞ。

既に死んでしまっているだけでも十分可哀想なのに、死んだ状態で更に踏まれるだなんて。可哀想過ぎる。
せめて踏まれない場所によけといてやろう。
そう思った。

僕はセミを足で蹴って(※1)道端に寄せようとした。

するとセミはか細い声で泣いた。

なんてことだ。
そう、セミはまだ死んでいなかったのである。

しかしそうなると、善意からとはいえ、瀕死のセミを蹴っちゃったわけだから、これはもうめちゃくちゃ申し訳ない気持ちになった。

そうすると急に、セミという生き物そのものに対しても物凄く情が湧いてきた。

セミといえばうるさい。
うるさいといえば不快。
セミといえば不快。
それが常識です。
それなのに、あんなにやかましいはずのセミが、いまは死んでるかのようにひっくり返っている。

なんだこれ可哀想過ぎるだろ。
お前あんなに元気だったじゃん。どうしちゃったんだよ。
確かセミって地下生活が長くて、地上で暮らす時間って極端に短いんだよな。
だからあんなに一生懸命鳴いてんだよな。

そう思った。

それによく観ると、ボディのディテールも四角いんだか丸いんだか分かんない感じがなんとも愛らしい。

うわぁこれは可哀想だ。
一生懸命生きたセミの一生がこんな形で終わるなんて寂し過ぎやしないか。
せめて最期くらい優しい草むらの中で眠らせてやりたい。灼熱のアスファルトの上ではなくて。
そう思った。

だけど手掴みは普通に嫌だった。
バイ菌が沢山いそうだし、暴れられるとこわい。

だからいっそ、フェイスタオルで包んでやることにした。
その方がお互いにとってよいだろう。

僕は柔らかいタオルで優しくセミを包みこみ、草むらにポイした。

こうして一匹のセミの人生は報われた。
少しはマシな最期を迎えられるだろう。

しかしそう思った直後、私はもう一匹別のセミがひっくり返って死んでいるのを発見した。

またか。
お前もか。
セミってやつはどうしてこうも悲しい生き物なのだ。

そう思って二匹目のセミもタオルで包んでやろうとした。

すると、そう。そいつもまだ生きていた。

なんてことだ。これはもう逆に残酷です。
この世界はこんな悲しい境遇のセミで溢れてるのか。
あまりにも悲し過ぎる。報われなさすぎる。

僕は再びセミを優しく包みこみ、草むらにポイした。

安らかに眠ってくれ。そう心から願った。

その直後、よぎる。

もしかして草むらの方がアリに食べられるなどの余程悲惨な死に方をするのではありませんか?と。

僕は、まぁいっかと思いながら、帰って寝た。

(※1、蹴ってません。足でちょんってしただけ。盛りました。)

「髪」

Pixel & Nasal/Pinkly Smooth

https://youtu.be/ZDBEd1wbLDA

僕は人生で2度、髪を染めたことがある。
1度目は大学に入学した時に友人の両親がやってる個人の理髪店で。

「大学生になったんだから、髪、染めちゃいなよ⭐︎」

と。

当時の僕は今よりも更にメンタルが激弱だった。
勧められたからといって髪を染める勇気も、逆に、断わる勇気もなかった。

ハッキリ言って髪なんて染めたくはなかった。
チャラチャラしたくなかったし禿げたくもなかった。
でも断れない。

そんなチキン野郎の僕がとった苦肉の策とは??

そう。カタログのなかで最も黒に近い茶色を選び、染めてもらったのだ。

あれはとんでもない空気だったのだろう。分かんないけど。

空気読めてたらそんなことしないからなぁ。

その後大学に入って音楽を始めた僕は、思考回路も価値観も随分と変わっていく。
そうして迎えた2度目。あれから結構な年月が経った。

今年も誕生日を迎え、歳をとった僕は、ふと
今までにないチャレンジをしたいと思い立つ。

なにか自分史に残る大きな変化が欲しい。
そう思った。

そもそも人間、容姿、髪色なんてどうでもいいといえばどうでもいいわけです。
思い切って緑や金にしてもいいかな、なんて考えていた。
少しくらい攻めたってなんてことはないんですよ。

そう本気で思っていた。
思っていたはずなのに、まさかの事態が起こる。

そう。土壇場になってチキり、限りなく黒に近い茶色を選んだのである。

流石に自分でも意味が分からなかった。意味が分からなすぎた。

しかしまぁ人間、案外本質は変わらないものだ。

僕は、まぁいっかと思いながら、帰って寝た。

PUTAINS/kajuhiro(Dr.)

PUTAINS

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過去の連載記事

PUTAINS/今日の1曲

https://youtu.be/2Houu52um9s

アーティスト情報




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